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まずは500ミリ・リットルのソーヴィニオン・ブランワインからすべての香りの成分をとりだします。それには有機溶媒とよばれる物を使って「抽出」という操作をします。有機溶媒とワインとは互いに混ざり合いません。しかしこれをドレッシングのように強引にかき混ぜます。
これを静置すると少しずつワインの水分と有機溶媒が別れてきます。振ったドレッシングが油と酢にわかれることと同じです。たまたま横でロゼワインの分析もしていたのでワインと有機溶媒がわかれてる様子をロゼワインを例にして示してみました。
下に沈んでいるのが有機溶媒です。 |
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ここからソーヴィニオン・ブランに特異的な香りのみを取り出すのです。それは前にご紹介したチオールと呼ばれている仲間達の事です。それには劇薬指定になっているある特別な試薬を使うのですが、この試薬がチオールと特異的に反応します。この試薬のラヴェルには注意を促すためのドクロ・マークが付いています。 |
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この試薬を先ほどの有機溶媒と振り混ぜます。その間にこの試薬はチオールと反応しています。これはやはり有機溶媒と混ざらないので静置すると2層にわかれます。
下側の黄色の液体の中にソーヴィニオンの香りのすべてが含まれています。しかしこの中にはまだ不純物が含まれているので、これをガラス管につめたイオン交換樹脂と呼ばれるものに通して精製します。 |
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ガラス管の上に置かれている白い粉のようなものがイオン交換樹脂です。かにの子やイクラの粒のようなもの、と思ってください。ここに先ほどの黄色い液体を流し込みます。
すると不純物だけが樹脂に結合します。 |
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そしてガラス管から流れてきた液体はごらんのように無色透明ですが、これがソーヴィニオンの香りの一滴なのです。 |
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これを再び有機溶媒で抽出して最終的に25マイクロ・リットルの量までに濃縮します。これは1ミリ・リットルの40分の一に相当します。
ここにはソーヴィニオン・ブランワイン500ミリ・リットルに相当する香りが詰まっているわけです。 |
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ここからわずか2マイクロ・リットルの量を特別な注射器でガス・クロマトグラフィーと呼ばれている分析機械に注入します。 |
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スタート・ボタンを押せばあとは結果を待つばかりです。 |
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コンピューターと連動していますので、こちらが組んだプログラムどおりに目的の物質を検出してくれます。 |