ひな祭り|赤絵ぼんぼり型猪口・伏原博之

そして母を想う

 今年の旧ひな祭は四月三日です※。昔のひな祭の頃は早、桜も咲き、椿は終わりに近づいて桃の花や菜の花が盛りと咲き、色とりどりの季節だったことでしょう。

 私達の世代になってからは、まだ肌寒くて桃の花は温室ものしかない、そんな季節がひなの祭りというイメージが定着しています。私も小さい時からそんな習慣が身についていて旧暦の季節感ではなくなってしまっています。従って食物もどこかで四月に入ってからのものをイメージしながら三月の初めにごちそうをつくることが又習慣となっています。たけのこ、貝類等、皆そうです。こんなことをごちゃごちゃと心に想いながらお献立を考えることになりますね。

 ひいなのまつり、ぼんぼり、桃の花、白酒、おままごとの世界の様な手許の可愛らしい器、大人の女性も少女に帰る、そして母を想う、何やらはんなりと美しい季節ではございませんか。

※2023年は旧暦の3月3日は4月22日になります。

*赤絵ぼんぼり型猪口・伏原博之
 赤貝・とり貝・わかめ・うどの三杯酢
*灰釉・茶・ホタテ豆皿・有松進
 いかと竹の子の木の芽味噌和え
*白磁口紅桜豆小皿・水野克俊
 車海老の塩焼

 五人分の小皿をのせている盆は黒真塗の足付(少し高くなっている)尺3寸の大きさで、パーティーの時など大きな皿としていろんなものを盛り付けて(和洋共に)いただいてもよろしいと思います。大らかで気持ちのよい盆です。

 一人ずつに取り分けている盆は本来は切手盆で、いろいろの儀式めいた時に差上げる相手を尊敬するしるしとして用いる台なのですが、こうして一人盆や茶盆として用いることも出来ます。

 ぼんぼり型の器はこの時期しか用いられないものですが、何ともやさしいもので、以前大阪の本湖月さんのご依頼で作ったものです。貝の皿は薄く出来た瀬戸の土で灰釉がかかっています。桜の小皿も大変華奢に出来た白磁で美しく春にふさわしいものです。

工芸店ようび 店主 真木
京焼:色絵まり紋5.5寸皿・伏原博之

色絵:金箔桃5.5寸皿・古川章蔵

漆器・黒錆刷毛目宗寛盆5.5寸・守田漆器

九谷焼:色絵桃図筒湯呑・正木春蔵

色絵:桃小鉢・古川章蔵

漆器・輪島塗:椿皿No.2・奥田志郎

朱小吸椀・奥田志郎

漆器・輪島塗:秀衡椀・奥田志郎・山本哲

色絵:桃細蓋物・古川章蔵

桃蓋物・古川章蔵

明月椀・尚古堂・山本哲

漆器・桃の花書つめ蒔絵糸目椀 ・尚古堂・竹田省

瀬戸焼:白釉点紋蓋付小碗・大・有松進

漆器・輪島塗:秀衡椀・奥田志郎・山本哲

漆器:鶯宿梅蒔絵糸目椀・尚古堂・竹田省

桃かわらけ・古川章蔵

尺1寸ハンポ蓋付・中川清司

白釉5寸鉢・有松進

漆器・輪島塗:秀衡椀・奥田志郎

京焼:色絵まり紋5.5寸皿・伏原博之

漆器・輪島塗:椿皿No.2・奥田志郎

京焼・鉄絵呉須椿文蓋向付・伏原博之

白釉5寸鉢・有松進

漆器:黒生木鉢・奥田志郎

ひな祭り|漆器・輪島塗:秀衡椀・奥田志郎