青釉ホタテ豆皿・有松進 |お花見膳

お花見膳

 春酣でございます。

 それぞれの御趣向でお花をたのしまれるのでしょう。いろいろなたのしみ方を見せていただきたいものです。

 小さいころから母はお花見が好きで庭の8本の花を賞でながら、お鉢に山盛りの筍を煮たもの、若ごぼう、庭で生えて来たみつばのごま和え、ちらし寿司、草餅などの定番を並べ、みんなを招集してたのしんたものでした。父母も逝き、兄弟姉妹その子供たちもそれぞれの生活になり、今は戻らぬなつかしいなつかしい春の風景。母の頭の上には真っ白になるほどの花びらが散り、「お母さんお帽子みたいよ」「あなたもよ」等と、思い出すと心が暖かくなって参ります。私の春はこれに尽きるのかもしれません。

 この度は夜桜のためのお酒を中心とした大人のお膳。

 玉子の味噌漬け、貝柱のはじかみ生姜あえ、うどに金山寺をのせて、クレソンの胡麻あえ、剣いかのうにあえを、灰釉・黄瀬戸・織部・琉璃釉の貝形の小付に盛ってみました。お膳は奥田志郎造の茶の子盆です。茶の子盆とは、東北から輪島のあたりまでの呼び名らしく、お客様の時、お茶とお菓子(つけものの場合もあると聞きます)を出す盆で、誠に重宝します。私は専らデザート盆として使っています。

 桜の鉢は須田菁華さんの深めで口径が少し小さな鉢です。お銚子は錫半さんの時代から造られていたもので、中村百合恵さんが復原して下さいました。花三島の皿はこんな時よく合います。金赤のガラスの猪口がアクセントになっています。

工芸店ようび 店主 真木
織部ホタテ豆皿・有松進

灰釉ビードロホタテ豆皿・有松進

黄瀬戸ホタテ豆皿・有松進

灰釉・茶・ホタテ豆皿・有松進

青釉ホタテ豆皿・有松進

三島手:三島4.8寸皿No.1・吉井史郎

ガラス:丸金赤ぐい呑・小・植木栄造

錫器:提子一合・杉目・ゆり工房