準強力粉

強力粉よりもタンパク質量がやや少ない準強力粉は、グルテンの形成をほどよく抑え、生地のつながりをゆるやかにすることによって、外はカリッと、中はもっちりとした食感のフランスパンを作ることができます。また、生地をのばす作業の多い、クロワッサンやデニッシュなどにも使われます。

粉選びのポイント

灰分

シンプルな材料で作るフランスパンは、小麦の風味がダイレクトに感じられるのも魅力のひとつ。灰分が多い粉を使用すると、小麦の香り、味わいが強くなり、逆に、灰分が少ない粉を使用すると、小麦の風味が軽く淡泊な味わいになります。また、灰分の多い粉は酵素を多く含むため、生地がだれやすくなるという特長もあります。

タイプ65って何?

タンパク質を基準にして小麦粉を分類している日本とは異なり、フランスでは灰分を基準に分類しています。準強力粉はフランスパンに使われることが多いことから、日本で作られた粉であっても「タイプ55」や「タイプ65」という言葉を使って粉の説明がされることがあります。フランスの小麦粉の分類を理解しておくと、粉のイメージがつきやすくなります。
灰分 主な用途
タイプ45 0.5以下 ケーキ、ペストリー、菓子パンなど
タイプ55 0.5~0.6 パン、パイ、タルトなど
タイプ65 0.62~0.75 バゲット、ピザなど
タイプ80 0.75~0.9 一般的なパン

原材料をチェック

砂糖を使わないシンプルな材料で作るプランスパンは、発酵を促すためにイーストの栄養源となるモルトパウダーを加えます。準強力粉のなかには、あらかじめモルトパウダーが含まれているものもあるので、それらの準強力粉を選べばモルトパウダーを準備する必要がありません。しかし、発酵をもう少し促したい場合など、モルトパウダーを併用することもあります。

モルトパウダーとは発芽大麦を乾燥させ粉末にしたもので、同様の働きをするモルトシロップ(モルトエキス)もあります。

準力粉一覧

粉の比較がしやすいように、タンパク質と灰分の量を分布図で表し、それぞれの粉の特長についてまとめました。これらを参考にお好みの準強力粉を探してみてはいかがでしょうか。
※原料事情や収穫年度により、タンパク質、灰分は変動する場合があります。
※国産小麦は  、外国産小麦は  で表示しています。
タイプER
上級者向け
タンパク質 12.2±1.5%
灰分 0.70±0.10%
容量 1kg
北海道産小麦を使って「タイプ65」を目指して仕上げたハードブレット用粉です。生地がベタつき扱いが難しい粉ですが、高灰分ならではの独特な強い味と香りが魅力です。
【原材料】小麦粉/米こうじ、クロレラエキス粉末、アセロラ粉末
Fナポレオン
はじめてのフランスパンに
タンパク質 11.8±0.5%
灰分 0.42±0.04%
容量 1kg
小麦本来の味わいと作りやすさを兼ね備えた、スタンダードな準強力粉です。ディレクト(ストレート)法でも、きれいなクープを入れることができます。
【原材料】小麦
メゾンカイザートラディショナル タンパク質 11.6±1.0%
灰分 0.43%(0.50%以下)
容量 1kg
メゾンカイザーのオーナーがプロデュースした粉で、炒ったきなこのような独特の香ばしい香りが特長です。深みのある美味しさ、クリーミーな色合いの内相をもつパンに仕上がります。
【原材料】小麦粉、粉末麦芽
ヌフ・ヴァンテ タンパク質 11.2±0.5%
灰分 0.37±0.04%
容量 1kg
複数種の小麦をブレンドし、日本人の好みにあう食感・風味に仕上げました。クラストはカリッと、クラムはもっちりとした食感に仕上がります。
【原材料】小麦粉、粉末麦芽/酵素
ジェニー タンパク質 11.2±0.5%
灰分 0.48±0.04%
容量 1kg
味や香りにこだわりつつ、生地の扱いやすさや仕上がりの安定性に重点をおいて開発されました。ディレクト(ストレート)法でも、味わい、香りが引き立ちます。
【原材料】小麦粉/粉末モルト抽出物
リスドオル
はじめてのフランスパンに
タンパク質 10.7±0.5%
灰分 0.45±0.03%
容量 1kg 2kg 25kg
多くのパン店で使用されている、ロングセラーのフランスパン用粉です。十分な発酵により、クラストはカリッと、クラムはしっとり風味豊かなフランスパンに仕上がります。
【原材料】小麦粉、粉末麦芽
メルベイユ
上級者向け
タンパク質 10.0±1.0%
灰分 0.6±0.1%
容量 1kg
「タイプ65」を再現するために、フランス産小麦100%使用し、挽き方にもこだわりました。長時間の発酵で、コクのある深い味わいと芳醇な香りのパンに仕上がります。
【原材料】小麦

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