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日本画家 酒井萌一

今回ご紹介するのは、『じまブロ元気村』でもお馴染みの大山椒魚さんこと酒井萠一(ほういち)さん。
酒井萠一さんは、岐阜市在住で現在は大山椒魚、お地蔵さんを代表とする水墨画を中心に創作されている芸術家です。それらの作品には多くの場合一筆言葉が添えられ、作品とその言葉がとても心に響いたり、ほっとしたり、または考えさせられたり、とても『じまブロ元気村』にもマッチした作品が多くあります。

今回の取材では、これらの作品を描くようになった切っ掛けを中心に岐阜市内のアトリエにお邪魔してお話しを伺いました。


大山椒魚の手は赤ちゃんのよう・・・

(じまブロ元気村村長 以下:村)
酒井萠一さんは以前は今の作風とは随分違った物を多く描かれていたようですが、今の大山椒魚作品を描かれるようになった切っ掛けとかがあったのでしょうか?


(酒井萠一さん)
僕の周りには、陶芸家とかかなり変わった本屋さんをやっているヤツとかいろんなヤツがいまして、以前はその友人達と、誰も行かないような場所にふらっと出掛けていました。おかげで全国の珍名所はかなり制覇しました。(笑)

もう20年も前の話ですが、ある時、長良川の支流の小間見川の上流部へぶらっと遊びに行きました。そこは山深い本当にきれいな渓流だったのですが、川の中を見ると大きなサンショウウオが沢山いたんですよ。
冷たい川に潜ってその姿を見ると堂々とした雰囲気と何かしら人間臭さがあって、とても感動しました。

観察しているうちに偶然に触ってしまったんですが、皆さんはヌルヌルした感触を想像する方が多いでしょ。 しかし実際には人間の赤ちゃんの肌のような感触です。特に手はまさに赤ちゃんの柔らかな手です。
作家が取り上げるように、大山椒魚には他の動物にはない何か人間くささがあると思うんですよ。


(村)
そういえば、井伏鱒二さんの小説とか、、、


(酒井萠一さん)
そうです。何処かしら人間くさいくせに仙人のような威厳があって、それでいて愛嬌がある。
そんな、とても不思議な魅力にはまって、それ以降大山椒魚をテーマに、もう20年も描き続けています。


(村)
大山椒魚は、じっとして全く動かないという印象があるのですが、顔つきは随分愛嬌がありますね。



(酒井萠一さん)
のろまに見えますが陸に上がると案外動作は素早いんですよ。 タタタタ〜と走る感じ。(笑)
だけど普段はエサを追い回すなんて事は全くなくて、たまたま目の前に来た魚をパクッと食いついて食べる程度みたいですね。自分から動くなんて事はほとんど無いらしいですね。
それでいて100年以上も生きて1メーター以上にまで成長するので、生物学的にも非常に不思議なようですね。
生きる省エネ生物です。


(村)
やっぱり、無駄な力は使わない、、、脱力生活の達人?(笑)


(酒井萠一さん)
大山椒魚から人間を見たら、随分せせこましく動く、無駄な生き物なのかもしれません。


(村)
大山椒魚について僕も事前に少し調べてみました。
彼らには3000万年生き抜いてきた確かな実績があって、せいぜい700万年程度の人間は彼らから見たら赤ん坊に近い。人間がどう頑張ってもこの実績にはかないません(笑)
それに両生類としては世界最大らしいですね。


(酒井萠一さん)
本当に不思議な生物で、環境汚染には非常に弱いようですが、かといって生命力は非常に強いんです。
昔は食用にもされていて、山村では貴重なタンパク源だったのだろうと思います。あくまでも聞いた話ですが半分に切り裂かれても死なないなどと言われていますし、『生きた化石』と言われるように、太古から生き抜いてきたというのも生命力が強いからだと思います。
おそらく、つらい環境になっても人間のようにジタバタしない。無駄な力を使わずに、じっと待つ。これ、人間には出来ないですね。

※オオサンショウウオは国の特別天然記念物に指定された稀少な生物です。捕獲はもちろん触ったりすることも法律で禁じられていますのでご注意ください。


小さな生物は、より環境の変化に敏感

(村)
酒井萠一さんの大山椒魚作品には現代の文明の発達を少し斜めから見るような、現代への警告のようなメッセージ性が多く込められていますよね。


(酒井萠一さん)
いや、僕の場合そんな大層な事はあまり考えていません。基本的に大山椒魚が好きなんです。
ただ、地球温暖化とか環境破壊に対しては心配はしています。
一昨年の猛暑の時期には、猛暑でスズメが沢山死んでいるのをみました。小さな生物は、より環境の変化に敏感なんでしょうね。気温が自分の許容範囲を超えると、あっけなく死んでしまう。
スズメは都会に住んでいるので、こういう現象はよく解ります。


(村)
逆に、山の中で同じようなことが起こっても誰も気がつかないということですね。
僕は、セミの種類が昔とは随分変わってしまったことに驚いています。昔は小さなニイニイ蝉がほとんどでしたが、今は全くいなくなってしまいましたね。


(酒井萠一さん)
そうそう。クマ蝉なんて、蝉のチャンピオンでしたね。
蝉取りで言うと金メダル。捕まえると友達に自慢して廻りましたよ。


(村)
それが今は普通にいてニイニイ蝉は涼しい地方に行かないと、見かけなくなりました。


(酒井萠一さん)
そういう現象を目の当たりにすると、やっぱり危機感を覚えますね。
人間は何のために、こんなに一生懸命発達していくのか?何処に向かっているのか?という気持ちになります。
それに僕はフクロウやカブトムシが普通にいるような自然に恵まれた環境で育って遊んだ幸せな子ども時代を過ごしましたから、子ども達にも自然を残していってやりたいという気持ちは、やはりあります。

僕の周りには何故か環境保護運動をやっているヤツが多いんです。
長良川河口堰の反対運動にも、そういう友人に誘われて参加したりして、長良川の河口から最上流まで歩こう という運動にも何回も参加しましたよ。
大勢で歩いて夜になると河原でキャンプしつつ一週間ほど掛けて歩いていくんですよ。距離にして150kmくらい。当時は作家でカヌーイストの野田知佑(のだともすけ)さんが犬を連れて(カヌー犬:ガク)参加していましたね。
結果的に作られちゃいましたが、、、


(村)
僕は野田知佑さんのファンで『日本の川を旅する』は、深く感銘を受けて僕の人生を変えた本の1つです。
それに僕は元もと渓流釣りが好きで、毎年同じ川を見ていると、川の環境がどんどん悪化していくのが凄く解って川を取り巻く森なども含めた生態系、環境について色々考えるようになりました。そのことが仕事への影響も凄く大きいです。

酒井萠一さんは、いつから芸術家の道に進まれたんですか?


(酒井萠一さん)
実は特になろうと思ってなったわけではないんですよ。
中学生の頃はマンガが好きで、雑誌のコンクールなどにも投稿していて、入選したりしました。
しかし漫画家や芸術家になりたいなんてことは思っていなくて、あくまでも趣味です。

高校はごく普通で芸術とは無縁です。大学に入って、普通の生活がつまらなくなって1年もしないうちに中退して、京都の伊庭新太郎画伯の美術研究所に研修に行きました。
その後、掛け軸の仕事をするようになって、ほぼ独学で日本画の勉強をしていき、本格的な描くようになりました。
でも元は食べるために掛け軸の仏画を描いていた流れですね。


(村)
当時の作品は、手が込んだ大作も多いですね。



(酒井萠一さん)
日本画は顔料が結構面白くて本格的な物は、水銀とかカドミウムなんていう大変危険な素材成分を使ったり、あとは宝石の粉末などの高価なものも使用します。油絵にはない独特の風合いが面白いです。

ただ今はこういう凝った物はあまりやらなくなりました。
基本的に自分が好きなことをやっている、、、というのが本音です。(笑)


(村)
最近は小説とかも、、、
そういえばフォークのライブは今でもやられてるんですか?


(酒井萠一さん)
フォークは高校時代に友人とバンドをやっていた関係で、今もたまにお呼びがかかりますね。
55才になった今でも何故かテレビ番組にも呼ばれたり、、、
 プロじゃなくて、あくまでも趣味なんですけどね。(笑)



心をそのまま写し撮る

芸術家というとかなり気むずかしい雰囲気を想像される方が多いと思いますが、酒井萠一さんは、会った瞬間から解る、とても気さくで話をしていても何時も笑っているような控えめでにこやかな方です。
そんな人柄が作品にも現れているんだなと実感しました。

その後、実際に作品を描く所を拝見させて頂きました。


アトリエにて<お地蔵さんを描く>









拝見して驚いたのは絵を描くときの滑らかさ。考えながら描くということはなくて、用意が出来ると筆だけが色紙の上を踊っていくように描かれていきます。自然体なんですね。
考えながら描くのではなく、心をそのまま写し撮るような感じでした。

萠一さんの周りには多くの画材が所狭しとおかれています。画材などが雑然とおかれているアトリエは、お世辞にもキレイとは言えない場所ですが、酒井萠一さんが長年作品を創出してきた歴史が感じられました。

あとから思ったのですが、酒井萠一さんは、人間へのメッセージを大山椒魚にかわって作品にしているのではないでしょうか。


 ※ネオナチュラルでは2009年の特製カレンダーに
  酒井萠一さんの挿絵を使わせて頂くことになりました。
  絵はがきを作って皆様にお届けする計画も進行中です。お楽しみに!



ご注文頂いてから言葉に合わせて先生に描いて頂きます

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酒井萠一さん略歴

1953年(昭和28年)生 岐阜市在住
京都、伊庭新太郎画伯の美術研究所にて研修後、木版、銅板、型染め、セリグラフ、水墨等、独学にて習得

1971 岐阜県展、文部大臣賞受賞
1973 岐阜「正文堂」にて、初個展
1976 「ArtistUion]アメリカ巡回展参加
     以後、年4回ほど、岐阜、名古屋、東京などにて個展
1983 三重県長島町「蓮正寺」 壁画製作
1985 NTT名古屋にて個展
1988 岐阜県美並村「円空展」出品
1990 名古屋「銀花」にて個展
1994 画廊「炎舞」にて、初の陶芸展
1997 JR東海・善光寺御開帳のポスターを描く
1995〜2006 全国(東京、大阪、京都、北海道、新潟、
     青森、島根、兵庫、名古屋、岐阜、広島、など)
     デパート(三越、大丸、高島屋、名鉄、近鉄、など)
     全国の画廊などにて個展


著述
「夜と万年筆」有文社(絶版)
「和の趣」技術評論社・03
芸術新潮・04・3月号
なるほど倶楽部・02

和風年賀状素材集 「和の趣」 丑年版
技術評論社 編集部 (著, 編集)
2008年9月頃発売予定

2008年7月2日の記事
毎日新聞 インタビュー

2008年3月放送
歌謡ポップスチャンネル「フォークの旅路」にゲスト出演
出演 なぎら健一さん・遠藤健司さん・森山愛子さん

【誌名】週刊現代 
【題名】サラリーマンの放課後/「フォーク伝説」を作ったカリスマたち
【登場】吉田拓郎、岡林信康、高田渡、加川良、遠藤賢司、
画家・酒井萠一 「フォークジャンボリー」、ロフトグループ・平野悠、
グレープ 伊勢正三他    
【発行日】2004/03/13(P.182)
●特集・主力記事
小学館発行・PE−PAL増刊号・b*p・野外コンサートの特集
フォークジャンボリーの記事が酒井萠一のインタビューになっています。

別冊宝島 Jポップ批評44 フォークジャンボリーについての記事
実録・中津川フォークジャンボリー

技術評論社刊
和風年賀状素材集 和の趣 亥年版
10月12日 各書店発売
価格 1480円
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10月23日  各コンビニにて発売
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