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ヘチマの里・瀧田啓剛さん


今回ご紹介するのは、今や『へちまの里』として有名になった富山県射水市で、25年前(昭和57年)はじめてヘチマの有機栽培を行った瀧田啓剛さん(昭和15年生)です。

今や自然派スキンケアの定番となり、多くの女性にとってなくてはならない商品になったヘチマ水100%ローション『私の部屋』。 この完全無添加の化粧水を、へちまの栽培から手がけてきた方です。
今回はへちまの栽培に取り組んだきっかけから現在に至るまでのお話を、ちょうどヘチマ水の収穫が最盛期のお忙しい中、お聞きしました。

(自慢人編集部 以下:編)
へちまの栽培を行ったきっかけは?

(瀧田さん 以下:瀧)
実は私はNTT(当時の電電公社)の会社員だったんですよ。でも家は農家でお米も野菜も作っていて、何故か農協では青年部の部長をやらされていました。当時婦人部で毎年新たな作物の栽培をやってみようという企画があって、その中にヘチマがあったんです。
そのヘチマの栽培を見て僕は何故かピンときたんです。でも農協の婦人部では1年ごとに別の物の栽培をやるっていうんで、しかたなく自分の畑、だいたい300坪ほどを潰してへちまの栽培をやってみることにしたんです。
不思議ですよね。だって当時はヘチマ水が化粧水になることすら知らなかったんですからね。
でも当時から農家はただ単に生産するだけではなく、何か新しい特産物などを作り出す工夫を常にしていかなければ生き残っていけないという考えは強く持っていました。


(編)
へちまの栽培はうまくいったんでしょうか?

(瀧)
○雑草との戦い
で、ヘチマの栽培にとりかかったですが、どうせやるなら無農薬有機栽培でということで取り組みましたが、ヘチマよりも雑草育ててるみたいな物で、ホント大変でした。

当時は僕はサラリーマンもやってて仕事が終わると雑草取りに毎日通いましたが全く追いつかない。へちま畑は見事に草だらけにしてしまって周りにも随分迷惑を掛けてしまいました。これは本来農家としてはやってはいけない事で、ご近所からは随分おこられましたよ。
草を生やすと栄養がとられてヘチマも元気に育たないし病気になる。除草剤を使えばいいことですが、それは絶対にやりたくなかった。それで土の上にシートを被せたり色々やりました。
工夫するのは凄く好きだったんで試行錯誤してやっているうちに、何とか有機栽培でヘチマを元気に育てられるようになってきました。


(編)
それでヘチマ水の販売に取りかかった?

(瀧)
いえいえ、当初はヘチマ水なんて物も知りませんでしたし(笑)
○ヘチマ水
でも自分なりに色々調べたりしていると、戦時中へちまの栽培を行って、それを販売した、なんていう話を知人から聞いたんですよ。 実際にうちの家内に聞いてみると凄くいいらしくて、美白効果がどうのこうのって言ってました。(笑)
美白とか言われてもチンプンカンプンだったんですが、それを聞いてヘチマ水をとる事にしたんです。
そこで有志を集めてへちまの生産組合を作って、かなり本格的に大々的に栽培をはじめちゃったんです。
でも変な話で、ヘチマ水を販売する方法も何も知らないんですよ。生産してもそれを販売するあては全くありませんでした。まったく、とんでもない計画ですよね
それでも、東京のある化粧品メーカーに売り込みに行って、何とか購入してもらうことになったんです。

○窮地
それで、ヘチマの栽培はちゃんとお金になるって事で、へちま生産組合員にも、どんどん生産してもらいました。
ところが翌年ヘチマ水を購入してもらうはずの化粧品メーカーから、まったく注文がこない。僕もいい加減で、契約なんて全くしてなかったですし、、、
でも畑ではヘチマの植え付けも終わって、どんどん生産する体制になっちゃってて、組合員が作ったヘチマ水は僕が全部買い取らなければいけない。
量にして10トン。
保管しておく倉庫もなくて農協の倉庫を何とか借りてそこにストックしたんですが、その膨大な量のヘチマ水を見て、呆然としてしまいました。


お恥ずかしいお話ですが保管しきれなくて、仕方なく河原に軽トラで持って行っては、泣きながら川に流したこともあったんですよ。

だから今でも川を見ると、あの時の苦しい思いがこみ上げてきます。


(編)
お辛かったでしょうね。

(瀧)
そう。だからあそこの橋を渡るときはなるべく下を見ないようにしています(笑)
でも、あれがあったから今がある。 そう思っています。

○自分で製品にする
当時は、もう八方塞がりでした。
へちまの栽培を自分で多くの方に呼びかけた以上、途中でやめるわけにも行きませんし、生産しても販売するあてもないんですから。買ってくれって営業に廻っても誰も相手にしてくれません。

そこで考えたのが、自分で製品にして販売するって事です。これからの農家は生産から販売までも考えて行かなければいけないって言う思いもありましたし、でも何より、そうなった以上自分で製品にして売るしかなかったですからね。他に方法はなかったんです。
当時、有機栽培のヘチマ水はそのまま保存しておいても全く腐らない技術も確立していましたから、何とかなるような気がしたんですね。

そんなときに五洲薬品という入浴剤を専門にしている地元のメーカーさんの営業と知り合って、何とかならないのかと相談したんです。
そうしたら、五洲薬品さんも僕の思いをくみ取ってくれて色々動いてくれました。なんせヘチマ水100%の化粧水なんて事例がありませんから、事例がない物を認可してもらうって普通は出来ないんですよ。
防腐剤を入れないヘチマ水だけの製品なんて、普通はメーカーも作りませんよ。責任もてませんからね。


ヘチマに賭けた人生 滝田啓剛さん第2回へ

瀧田さんのヘチマ水100%ローション『私の部屋}はこちら



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