ポルトガル生産者来日記念ディナー

こんにちは、ちえこです。今日もこのコラムをお読みいただきありがとうございます。

メルカド看板

ポルトガルから多くの生産者が来日し、セミナーや見本市などプロモーションが多数行われた4月上旬、我らがメルカード・ポルトガルさん主催、鎌倉市にあるポルトガル料理店大船メルカドさん協力による、生産者来日記念ディナーが行われました。ポルトガルの料理とワインのマリアージュ、日本未入荷ワインもあわせご紹介したいと思います。

メルポル主催×大船メルカド協力ディナー

まず、ポルトガル料理を文字で表現するなら、地域によりさまざまな郷土色や歴史などが反映され、多種多様な食文化を発展させた国のひとつであるため、“山海の幸、もしくは里の幸に限定されない、幅広い食材を活かした料理”と、言うことができるでしょう。ポルトガルの国土は、スペインとの国境線以外海に面していることから魚介類が多く用いられ、特筆すべきは干し鱈を用いる料理が1000種類存在するとまで言われています。
その代表的な料理のひとつ、バカリャウ(干しタラ)のコロッケはポルトガルのいたるところで目にすることができ、食事やおやつとして食されている、国民食と言っても過言ではないでしょう。

自家製前菜の盛り合わせ

写真の左がバカリャウのコロッケ、真ん中がイワシのパテ、右のソーセージに見えるものはアリェイラといって、こちらのコラムでご紹介しています。

さあ、ヴィア・ラティーナ・スパークリング・ヴィーニョ・ヴェルデで乾杯です。

自家製前菜の盛り合わせにはヴィア・ラティーナスパークリング・ヴィーニョ・ヴェルデ

以前、コラムでもご紹介していましたが、メルカード・ポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデで常に人気の微発泡ワイン、ヴィア・ラティーナのスパークリング・ワイン。フレッシュで溌溂とした泡で、飲み心地に爽やかさを与え、食欲を活発に刺激してくれます。

続くお料理は、わたしたち日本人には青汁野菜として馴染み深い、ケールを使ったカルド・ヴェルデ。直訳すると“緑の熱々スープ”とでも言えるでしょうか。ケールの緑鮮やかな熱々のスープです。

カルド・ヴェルデ

緑のスープには緑のワイン、ヴィーニョ・ヴェルデをあわせました。ヴィーニョ・ヴェルデは“緑のワイン”と直訳されますが、色は緑色をしていないことは、もうご存知ですね。

サン・ティアゴ

あわせたワインは、プラサ・デ・サンティアーゴ・ヴィーニョ・ヴェルデ 2015。ラベルに描かれているのはヴィーニョ・ヴェルデ地方の中心ギマランイスにあるサンティアーゴ広場がモチーフとなっています。古から巡礼地サンティアーゴ・デ・コンポステラを目指す人々が集まる広場であり、ワインが歴史や宗教と深い関わりを持つことがうかがえます。
フレッシュでかんきつ系の酸味を持つ微発泡性ワイン。気心のしれた友人と食卓を囲み、笑い、語らいながらグラスを進めたいワインです。

さあ、ポルトガルは海に面する部分が多く、魚介類を料理に多く使用しますが、その中でもわたしたち日本人にとっても馴染み深い魚も食されています。それが、こちらのイワシの塩焼き。

イワシの塩焼き

日本人ならイワシの塩焼きには醤油をかけるでしょうか。ポルトガルではオリーヴオイルをたっぷりかけていただくのがもっともポピュラー。この日もCARMのオーガニック・オリーヴ・オイルをかけ、レモンを絞っていただきました。

そして、イワシの塩焼きにはどんなワインをあわせましょう?こちらモンジェス・赤ヴィーニョ・ヴェルデ・ヴィニャオン2015とのマリアージュです。

モンジェス赤ヴィーニョ・ヴェルデとイワシの塩焼き

「ヴィーニョ・ヴェルデの赤?」、「魚料理に赤ワイン?」。はい、ヴィーニョ・ヴェルデは白ワインが多く生産されていますが、赤ワインやロゼワインも生産されています。

こちらのモンジェス・赤ヴィーニョ・ヴェルデ・ヴィニャオンは、ポルトガルの土着ぶどう品種ヴィニャオンを用い、色調しっかりとした赤ワインに仕上がっています。ヴィニャオンというぶどう品種の特徴は、ぶどうの皮のみならず粒の実まで赤い色素を持つため、出来上がるワインはたいへん色調が濃厚です。その見た目とは裏腹に、タンニンによる収斂性や固さは感じられず、微発泡なため軽快に飲み進めるワイン。ピュアテイストのCARMプレミアム・オーガニック・オリーヴオイルをたっぷりとかけ、レモンをきゅっと絞った脂の乗ったイワシを頬張り、モンジェス・赤ヴィーニョ・ヴェルデ・ヴィニャオン2015を口にすると、「こんなマリアージュがあったのか!」と驚きに目を見張ります。

続いては、タコのオーブン焼きをいただきましょう。

タコのオーブン焼き

ヨーロッパでタコが食べられているなんて、ポルトガルにますます親近感が増してきます。茹でたタコにやはりオリーブオイルをたっぷりとかけ、塩、ニンニク、ハーブで味付けされ、オーブンでじっくり焼かれたタコは、風味高く、柔らかい歯ごたえ、噛むごとに旨みが広がります。

あわせたワインは、ヴァルジア・ド・ミーニョ白2015。

ヴァルジア・ド・ミーニョ

美しいラベルは、ミーニョ地方に伝わる特産品、レース編みをモチーフにしたもの。この地方には、金銀細工フィリグラーナも特産品として伝わり、その繊細な出来上がりから現在はポルトガル国内のみならず、世界でも注目を浴びています。

このヴァルジア・ド・ミーニョ白2015は5月後半に入荷予定のワインですが、先行してタコのオーブン焼きとあわせていただきました。ロウレイロ種とアルヴァリーニョ種を用いた白ワインはアロマティック、酸がキレイ、オリーブオイルやニンニクを使ったタコとあわせると相乗効果が得られる味わいで、口の中が芳醇に満たされます。

さあ、魚介類ではない食材を使ったお料理もありましたよ、鴨ご飯です。

鴨ご飯

そろそろお腹にご飯が恋しく思ってきたところでした(笑)。鴨の出汁で炊き込みされたご飯に、トッピングされているのはチョリソーと、風味づけされているスパイス。これらの風味が食欲を掻き立てます。
あわせたワインはなんと2種類、ラブラドール赤2015ラブドール・レゼルヴァ赤2014
ラブラドール赤2015はカステラオン種、ティンタ・ロリス種(テンプラニーリョ)、シラー種、トゥーリガ・ナシオナル種を使用、ポルトガルの土着ぶどう品種と国際品種を約半分ずつ使用。
ラブラドール・レゼルヴァ赤2014にはカベルネ・ソーヴィニヨン種、シラー種の国際品種と、ポルトガルでも高級品種とされるトゥーリガ・ナシオナル種を使用し、味わいは明確に異なるので、ぜひ試してみてお好みを見出してください。 また、以前コラムでもご紹介したとき、これらのワインとのマリアージュには、ご飯ものをオススメしておりました。こちらも、ご家庭でお試しいただけると嬉しいです。

最後となったのは、ポルトガル料理でよく使われる食材の代表格干しタラを使ったバカリャウ・コン・ブローア。“タラのパン粉焼き”とも訳されるオーブン料理で、干しタラの旨みと塩気でと一緒に焼き上げられた、新ジャガイモをいただくひと品。

バカリャオ・コン・ブローア

魚が主役のお料理に、あわせるワインはこちらも赤、ヴァルジア・ド・ミーニョ赤2011。タコ料理にあわせた白ワインと同じ生産者がつくる赤ワインのラベルには、前述の銀細工フィリグリーナがモチーフとされ、ポルトガル土着ぶどう品種トゥーリガ・ナショナル100%使用した、口当たりなめらかなワインです。

最後のデザートまで気合いは抜けていません、こちらはチョコレートムース。

チョコレートムース

今回ご協力のレストラン、メルカドさんには普段はオンメニューされていない、今回満を持して初お披露目となったチョコレートムース。濃厚なカカオの風味となめらかな舌触りは、デザート抜きでは食事が終わらないヨーロッパ人にも納得のひと皿だったこと、間違いないでしょう。

もちろんマリアージュも忘れられていません。日本未入荷のミオーゴ・赤スパークリング2010。赤ワインの辛口スパークリング。
溌溂とした発泡にふくよかな果実味がチョコレートムースのカカオの香ばしさと舌触りのなめらかさに、鼻腔を抜けるアロマがムースの甘みに呼応し、マリアージュを完成させていました。

記念撮影後ろから(笑)

ミオーゴ・赤スパークリング2010を持って、みんなで記念撮影。

セリーヌさんと店長ヒロノさん

メルポル店長のヒロノさんと、ミオーゴやヴァルジア・ド・ミーニョ生産者ヴィーニョス・ノルテのセリーヌさん。

ラブラドール生産者カーザ・サントス・リマのリカルドさん。

ラブラドール生産者のリカルドさん

左はサンティアゴのジョゼさん右はヴィアラティーナのジョゼさん

左はプラサ・デ・サンティアーゴ・ヴィーニョ・ヴェルデから代表のジョゼ・セケイラ・ブラガさんと、右はヴィア・ラティーナ生産者代表のジョゼ・カストロさん。

大船メルカドさんのシェフ&スタッフさんと生産者さんのおかげで、この日のディナーは大盛況!ポルトガルに何度も赴き、料理の根幹となる家庭料理から学んだメルカドのポルトガル料理は、まさに現地の味を再現していると言って過言ではないでしょう。

メルカドのシェフ&スタッフさんと生産者の皆さん

ポルトガルワインと料理のマリアージュが楽しめるレストランは、日本ではまだまだ少ないですが、こちらではワインも料理も現地そのものを堪能できるでしょう。まだの人は、ぜひお試しあれ!!

メルカドさん店鋪情報
所在地 〒247-0056 神奈川県鎌倉市大船1丁目18−12
JR大船駅東口より徒歩5分
電話番号 0467-47-2828
お取り扱いメルポル商品 ポルトガルワイン  CARMオリーブオイル
定休日 火曜日