洗練されたディナーとマリアージュ、品種で楽しむポルトガルワイン!!

桜の開花ニュースが日本列島を賑わす3月、ポルトガル北部のワイン地方にフォーカスしたワイン会が、海老名のホテルオークラフロンティアで開催されました。

ワイン&レストラン アルエットにて毎月開催される人気の“エンジョイワイン会”。この日も満員御礼でした。

今回のワイン会のテーマはずばり「ポルトガルワインを楽しもう!」。テーブルには白いクロス、ナプキンを膝に乗せ、ホテルレストランでメルカード・ポルトガルのワインを堪能します!!

「乾杯!」と、会の始まりに喉を潤してくれたのは修道士のラベルでお馴染のモンジェス ロウレイロ ヴィーニョ・ヴェルデ 2016。微発泡のちょっとした刺激と、フレッシュなピーチや完熟りんごのような味わいが心地よく、あちこちの席から「美味しい!!」の声が聞こえてきました。

一説には、月桂樹/ローレルに名前の起源を持つぶどう品種ロウレイロ100%。香りの爽やかさが特徴です。

ぺアリングのお料理はタラのブランダード。ホテルオークラ伝統の調理法で仕上げられた逸品!モンジェスとの相性もピッタリ!!

モンジェス ロウレイロ ヴィーニョ・ヴェルデ 2016を飲み切る前にサービスされたふたつ目のワインは、レゲンゴ・デ・メルガッソ アルヴァリーニョ 2016。ポルトガルの北限近く、「川の向こうはもうスペイン!」と、国境沿いにあるワイナリーで育てられたアルヴァリーニョ100%のヴィーニョ・ヴェルデ。

発泡しないタイプのヴィーニョ・ヴェルデ。粒が小さくて収量が少ないアルヴァリーニョは、アロマティックな芳香の素晴らしさと熟成のポテンシャルの高さから人気が高いぶどう品種。

2種のヴィーニョ・ヴェルデに合わせるお料理も2種。春野菜のベニエと魚介のアヒージョ。

モンジェス ロウレイロ ヴィーニョ・ヴェルデ 2016には菜の花とタラの芽のベニエ。“天ぷらのルーツはポルトガル”にならったひと品。和の素材が衣をまとい、ポルトガルのワインと再会といった趣向となっています。

タラの芽の苦味にロウレイロの爽やかさとほんのりとした甘みでお互いがひき立てられるペアリングです。

レゲンゴ・デ・メルガッソ アルヴァリーニョ 2016には、海老とホタルイカのアヒージョをあわせます。海老もホタルイカもぷりぷり!!この食感と海の風味を楽しんでいるところにワインを口に含めば、キリッとしたかんきつ系の爽やかさが加わり、さらに風味の広がりを感じさせてくれます。あー、美味しい!!お料理とワインのあまりの相性の良さにあっという間に完食してしまいました。

続くワインは赤ワイン2種、どちらもトゥーリガ・ナショナルというポルトガルの最良品種とも言われる土着品種をブレンドしたドウロワインです。

右:ケヴェド・オスカーズ・ティント 2015、 左:メアンドロ 2014

ケヴェド・オスカーズ・ティント 2015のぶどうはアッパードウロと呼ばれる内陸部、標高428-495mで育ちます。ポルトガル北部で標高も高く、寒い冬と乾燥した暑い夏が気候の特徴です。さらにぶどうの育つ時期は昼夜の気温差が大きく、風通しのよい畑で育つぶどうの粒は小さいながらアロマが凝縮し、エレガントにかつボディのしっかりしたワインに仕上がります。

川のうねりを意味するメアンドロ。ラベルにも川の蛇行がモチーフに描かれています。

そしてメアンドロ 2014は、シスト、花崗岩、砂礫の堆積した沖積層土壌からなる85ヘクタールの自社畑で育ったぶどうを、ラガールと呼ばれる花崗岩の桶のなかで足踏み破砕、機械による圧力でなく優しくぶどうのエキスを抽出した果汁からつくられています。ステンレスタンクにて発酵、2-3年のオーク樽(225ℓ)で熟成させます。

あわせるお料理は2種のお肉料理。チキンスタンレーと仔牛のカツレツ。

ケヴェド・オスカーズ・ティント 2015にはカレー風味のチキンスタンレーをペアリング。ポルトガル大航海時代にもたらされたであろうスパイスの風味高く、ここにワインの果実感が一体となり、口の中であらたなお料理が生まれるようです!

またメアンドロ 2014には、仔牛のカツレツを。生ハム、クリームチーズを挟みサクっと揚げられ、オークラ伝統のフォンドヴォーソースをまとった上品なひと品。樽熟成された複雑みやベリーのような果実感を持つメアンドロ2014とのペアリングは洗練されたもの。思わずため息が出たお客様もいらっしゃいました。

デザートはポートワインでいただきます。

«ケヴェド»ロゼポートワインとパン・デ・ローのペアリング。

世界3大酒精強化のひとつ、ポートワイン。一般的によく知られているのはルビーとトゥニーと思いますが、この夜はロゼ・ポートをいただきました。ロゼ・ポートワインの歴史は浅く、2008年Croft社がヴァレンタイン企画で発売したのが始まりでした。熟成させず美しいロゼ色を持つワインは甘みと酸味、コクのバランスを美しく保っています。

デザートは、カステラの原型と言われるパン・デ・ロー。卵の黄身と砂糖、小麦粉を原料にしたシンプルなポルトガルの伝統菓子。ふわふわな食感に濃厚な味わい、ロゼポートワインとペアリングは「え、甘いものに、甘いもの(をあわせるの)?」と驚かれていたお客様もいらっしゃいましたが、味わって納得!異なる甘さがグレデーションとなり、贅沢なデザート体験となりました。

ポルトガルワインのレクチャーを務めた店長ヒロノ。

「初めてポルトガルワインを飲む」というお客様もいらっしゃったこのディナーでは、ポルトガルの印象が変わった、ポルトガルに行ってみたくなった、というお声もあり、嬉しく心に沁みました。

家庭でも楽しく飲めるポルトガルワインですが、洗練されたコース料理では普段とはまた違った一面を魅せてくれたワインたち。店長ヒロノ曰く、「ワインが喜んでいる」という名言も出るほどでした!!

毎日飲みたいポルトガルワイン、いろいろなシチュエーションで楽しんでくださいね。