日本とポルトガルのイワシ事情

こんにちは、ちえこです。今日もこのコラムをお読みいただきありがとうございます。
さて、お正月の賑やかさが過ぎ、日常が戻った今日この頃、日本全国で大寒波が襲来!寒さに身体が縮む毎日ですが、すでにこの冬の“寒さのピークは越えた”というお天気情報を耳にしました。暖かい春の兆しが待ち遠しいですね。

暦の上でも立春は目前。その前日の2月3日の節分には、豆まきをして“鬼を退治する”という行事が、神社やご家庭でも行われますね。地方によっては“福を巻き込む”恵方巻をいただいたり、イワシの頭を柊の枝に刺し、魔除けとして玄関に飾ったりする風習もあります。“尖ったもの”や、“臭いもの”を鬼が嫌うため、豆まき同様に“邪気を払う”という由来がありますが、西洋の吸血鬼もニンニクを嫌うとか、山査子の杭を心臓に打ち込むと絶命するとか、なにかと共通項があることに可笑しく思いました。

さて、共通項といえば、そうイワシ。日本でもおなじみの魚ですが、ポルトガルでもたいへん人気の魚で、そのまま炭火焼きし、熱々に焼きあがったイワシにオリーヴオイルをたっぷりかけていただく食べ方が最もポピュラーで、野菜を付け合わせにモリモリと、忘れちゃいけないワインもキュッといただくと・・・、身体の内側からパワー充填、邪気なんて吹っ飛ばしてしまいそうです。

イワシにをシンプルに焼いてオリーブオイルをたっぷりかけて

さあ、このイワシ料理にあわせたいワインはこちら、今日ご紹介するのはカーザ・ド・カピタン・モル・アルヴァリーニョ・ヴィーニョ・ヴェルデ2015

カーザ・ド・カピタン・モル・アルヴァリーニョ・ヴィーニョ・ヴェルデ2015

何度かこのコラムでも登場しているヴィーニョ・ヴェルデですが、今回のヴィーニョ・ヴェルデに使用しているのはアルヴァリーニョ種といって、スペインとポルトガルの国境あたりで栽培されているたいへん人気の高いぶどう品種を100%使用しています。

アルヴァリーニョ種の人気の理由は、ワインとしての佇まい、香り、味わいといった、どれも欠けることなく品性を保っていることといえるでしょう。

透明感を保つ淡い麦わらの色調

色調は、透明感のある淡い麦わら色。ボトルから注いだ瞬間から立ち上るオレンジの花やピーチのような香りに誘われ、思わずグラスに伸びる手が速まるでしょう。

あらためてグラスからのぼる香りには、よく熟したレモンやライム、フレッシュハーブのような爽やかさとピーチやアプリコットといったフルーツ感もあり、これもまた早く口にしたくなる衝動に駆られます。

大きめのグラスに注ぎましょう

口にすると、きゅっとした酸味がまず感じられ、フルーツ味が鼻孔へ抜け、爽やかさと塩みのあるミネラル感が余韻に残ります。 酸味は豊かですが、シャープというよりは舌に馴染みやすく、白桃にレモンを絞ったようなふくよかさがあり、さらにハチミツレモンの皮の部分をかじったような苦味も感じられ、複雑ですがバランスの取れた、杯を重ねたくなるワインです。

節分はイワシとヴィーニョヴェルデで

炭火焼きの香ばしさともよくあいますよ。

今年の節分は、イワシ焼きとヴィーニョ・ヴェルデで、鬼を寄せ付けないほどに笑顔で、健康と幸せを願ってはいかがでしょうか。