2016年最後のコラムとなりました。

前回の予告通り、今回はポートワインについてお話ししたいと思います。

ポート4種ラインアップ

ポートワインのふるさとは、ポルトガル北部のドウロ地方。美しい景観を讃え世界遺産にも登録されているドウロ渓谷のブドウからワインがつくられますが、その行程の発酵途中でブランデーが添加されます。

ポルトガルの第2の都市、ポルト市内のヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアへ運ばれ熟成を経たもののみをポートワインと呼ぶことができ、かつてイギリス人に好まれ大量輸出され、英語で“ポート・ワイン“と呼ばれた名前が定着しています。ポルトガルでは”ヴィーニョ・ド・ポルト＝ポルトの酒“と誇りにされ、また、「ポルトガルの宝石」とも称され、今日でも、マデイラワイン、シェリー、と並び世界三大酒精強化ワインとして知られています。

ポートワインで一般的によく知られているのはこちらでしょう。


ルビー・ポート　と　トウニー・ポート

ルビーとトゥニー並べてみました

写真は、

左にルビー・ポート、右にトゥニー・ポートを並べたもので、左のルビー・ポートの色調は紫色を帯びているのに対し、右のトゥニーはオレンジ色がかっています。

ルビー・ポート

ルビー・ポートは、ルビーという名前のとおり、深紅の色調をしており、製造過程で空気との接触を避けるため、ステンレスタンクにて熟成されているため、鮮やかな色とフレッシュな果実感を残しているワインです。

フレッシュなラズベリーやブラックベリーといった甘酸っぱい果実の香り、味わいにはイチジクのコンポートのように濃縮した果実感とエキゾチックなアロマが余韻に漂います。

トゥニー・ポート

対して、トウニー・ポートは、 4-6年の樽熟成を経て瓶詰めされるため、色調に透明感のあるオレンジ色が特徴となっています。

ジャムのような果実感にリキュール、シナモンやクローブといった香辛料、紅茶など、複雑みのある香り。くちにするとまずキレイな酸が舌にあたり、その後果実感が口いっぱいに広がります。カカオのような風味もあり、強すぎない渋みが余韻にあり、締りのいいワイン。

ルビー・ポートにもトゥニー・ポートにも共通しているのは、甘さとともにあるキレイな酸味。甘くてアルコール度の高いお酒にある、むせるような厚みはなく、甘みとともにある酸みが口の中をフレッシュに保つので、グラスが進みます。


ホワイト・ポート

ホワイト・ポート

ポートには白もあるのですよ。

一般的な白ワインと同じように白ぶどうでつくられたホワイト・ポート。

色調は麦わらや琥珀といった色合い。4年間ステンレスタンクにて熟成された香りには、白い花のような清々しさやハチミツが感じられます。色調から想像するに、口当たりにヴォリュームを感じるかと想像すると・・・、意外にもさらっとした口当たり、酸味と甘みがバランスよくまとまっていて、繊細。

前述のルビーやトウニーと同じアルコール度は19.5と、一般的なワインより高いアルコールでありながら重さや圧迫感がないので、食前酒としても好まれています。ホワイト・ポートとジントニックを1：3で割って、氷とミントを足した“ポルトニック”というカクテルもオススメです。


ロゼ・ポート

ロゼ・ポート

これまで紹介したポートとは一線を画し、スリムでスタイリシュなボトルでリリースされているのは、ロゼ・ポート。

2008年バレンタイン用に売り出したのが始まりで、21世紀に入ってから生まれたポートワイン。長い歴史の中で培われた技術と伝統はそのままに、ワインがよりフレッシュな果実味を保つよう手間が加えられたアイテム。

色合いは透明感のある淡いガーネット、香りにチェリーやコットンキャンディのような愛らしい表情を魅せてくれます。

口にすると、コンポートしたスモモのようにぎゅっとした果実感と甘ずっぱさが広がり、優しく喉に流れます。このままで飲むのはもちろん、写真のようにカクテルを作って楽しむこともできるので、パーティシーンを華やかに演出してくれる1本です。

ちなみに写真のカクテルは、とっても簡単。用意するものはそれぞれグラスにあわせて適量に。

①グレープフルーツ味の氷菓、②りんご5㎜角切り、③ケヴェド・ルビー・ポート、④ルイボスティー（アイス）。

＜作り方＞
グラス3/4に①、その上に②をグラスいっぱいに入れる。
③を注ぎ3/5程度注ぎ、その上に④を1/5程度注ぎ、出来上がり。お好みでミントを添えて。

フルーツを替えたり、トニックウォーターやオレンジジューズ等々、好みのアレンジで想い通りに楽しんでくださいね！！


ケヴェド社では現在3代目にあたるオスカーと姉のクラウディアが醸造を行い、ワイナリーを切り盛り。

この他ポートワインも数種類つくられていて、次回にはそのポートワインの数々を紹介したいと思います！！