オスカー来日
2016年も残りわずかとなりましたね。皆さんは今年、どんな出来事が印象的でしたか?
ワインに携わる者にとって、生産地を訪問することや、生産者に会えることは大きなイベントのひとつ。
今年は5月に北部ドウロの生産者オスカー・ケヴェド氏が来日。料飲店さんをお招きし、メルカード・ポルトガルさん取り扱い45種類のワインを紹介する機会がありました。
オスカー・ケヴェドさん
ヨーロッパの西の果てから、極東日本にやってきたオスカー。コンビニの袋を持ってニコニコとひとりで会場に現れ、コンビニおにぎりをパクパクと食べる姿は、日本在住者のよう。
好奇心旺盛で人懐っこいお人柄が印象的でした。
ケヴェド社スティルワイン
今日は、このチャーミングなオスカーがつくるワインを紹介いたします。
ケヴェド オスカーズ ブランコ 2015
オスカーズ・ブランコ2015
素朴なタッチで描かれた可愛らしいラベルは、女性が木の下でワイングラスを片手に、ピクニックで食事をしている風景。
そう、これは「堅苦しいことから離れて、リラックスしようよ」というメッセージのよう。
オスカーのメッセージ
実際に、ボトルの裏側にはこんなメッセージが。
「こんにちは!オスカーです!僕のワインを選んでくれてありがとう。僕がワインの難しい説明をしたり、無理やり食べ物との相性を書いたりするより、あなたの意見が聞きたいです。」
ワインを手にした人が簡単に目にすることができるコミュニケーションのひとつ、フレンドリーな彼ならではの趣向です。
では、グラスに注いで味わってみましょう。
グラスに注ぐと・・
うっすらグリーンがかった黄色の色調で、若々しさを感じます。香りにはレモンのような柑橘系フルーツや森のようなすがすがしさ、そしてキャンディのような甘さもあって、全体的にフレッシュな印象。
まず口にするとハーブのような清涼感、そして黄りんごのような甘みと酸みが軽やかに、舌の上から喉へと流れて、軽快。
よく晴れた天気のいい日に、この1本とお弁当を持ってピクニックに出かけたり、昼下がりに庭で友人とグラスを傾けるのにいいかも。
そして同じくオスカーがつくる、
オスカーズ・ティント2012
オスカーズ・ティント2012
こちらも、オスカーズ・ブランコと同じように、「友人と食事をしながら楽しめるものを」という気持ちでつくられたワイン。
バック・ラベルにももちろん“あのメッセージ”が書かれていますよ。
グラスのオスカーズ・ティント
グラスに注ぐと凝縮した果実のヴォリューミーな香りが穏やかに立ち上ります。透明感のある紫がかった赤い色。グラスをまわすと、スリムながらその脚をグラスの側面に残します。
香りにはブラックベリーのような果実、シナモンやスペアミントのようなニュアンスもあり、なかなか複雑。
ブラックベリーにあるような穏やかな酸がまず舌の上を滑り、次にカカオのような甘さと香ばしさを感じます。その後、きゅきゅっとした収斂性が口の中を締め、余韻に再びフルーツの甘さを残してほどなく去っていく・・・、存在感のあるワイン。
これはぜひ、持ち寄りワイン会やホームパーティでワイワイ友人と語らい、食事をしながら味わっていただきたい1本です!!
ケヴェドのポートワイン
ケヴェド社では現在3代目にあたるオスカーと姉のクラウディアが醸造を行い、ワイナリーを切り盛り。 この他ポートワインも数種類つくられていて、次回にはそのポートワインの数々を紹介したいと思います!!