2018.12.16
「高血圧症」

今のような寒い時期は暖かい時期に比べ血圧が上がりやすいものですが、血圧は普段から測っていないとなかなか変化に気が付かないものです。
現在、日本で高血圧の治療を受けている人は約1000万人ですが、実際に高血圧を患っている人は推定で4300万人いると考えられており、いかに多くの高血圧が放置されているかが分かります。
そこで今回は、高血圧を放っておくことによって起きる病気を中心に、詳しくお話しします。

 

★ 高血圧とは ★



血圧とは血液が血管内壁を押す圧力のことです。心臓から送り出される血液の量(心拍出量)と末梢血管での血液の流れにくさ(末梢血管抵抗)によって血圧の高低が決まります。
血圧を測る際には収縮期血圧(最高血圧)と拡張期血圧(最低血圧)の2つを測定します。
○収縮期血圧:心臓が収縮し、全身に血液が送り出された際に測定されるものです。血液が血管内を大量に流れていく為、血管壁に一番圧力が掛かっている状態です。
○拡張期血圧:収縮した心臓が元に戻り、心臓へ血液が流れ込む際に測定されるものです。心臓が拡張しきった状態のため、血管壁に掛かる圧力は最も小さい状態です。
診察室で血圧を測った際に収縮期血圧が140mmHg以上、あるいは拡張期血圧が90mmHg以上であった場合に高血圧となります。

 

★ 高血圧が引き起こす病気 ★

血圧は高くても自覚症状がない場合が多く、また年齢とともに血圧が上がるという情報も一般的になっていることから、高血圧を指摘されても治療を積極的に行わない人も多いようです。
しかし、高血圧は血管や臓器など全身に悪影響を与え、別の病気を引き起こす可能性がありますので、注意が必要です。
それでは、高血圧がどのように病気に関係するのかご説明しましょう。



●動脈硬化

血圧が高くなると、血管に負担が掛かったり、傷ついたりします。
それにより、血管壁の厚さが厚くなり、血管の柔軟性が失われ、血管の内腔も狭まります。
この状態を動脈硬化といいます。動脈硬化は初期には自覚症状はほとんどなく、進行して血管が詰まったり裂けたりすることで症状が現れます。
また、動脈硬化になると末梢血管抵抗が大きくなるため、さらに高血圧を悪化させることになります。


●心臓病

先程の動脈硬化が心臓を取り巻く冠動脈で起きた場合、狭心症や心筋梗塞に発展する可能性があります。
狭心症は冠動脈が狭まり、心臓へ供給される酸素の量が足りなくなって生じ、心筋梗塞は冠動脈に血栓という血の塊が詰まることで生じます。
どちらも胸に強い痛みを生じるのが特徴です。
また、高血圧の場合、血液を送り出す心臓にも大きな負担が掛かります。この負担に心臓が耐えようとした結果、心臓の壁(心筋)厚くなる心肥大が起こることがあります。
この状態が続くと心臓の動きが悪くなっていき、最悪の場合、心不全になることもあります。


●脳卒中

動脈硬化や血栓によって脳の血管が詰まったり、脳の血管が血圧などの負荷に耐えられず破れてしまうことで生じます。
脳卒中はいくつかの種類に分類することができますが、どの脳卒中も高血圧は重大な危険因子となっています。
脳卒中は命に関わり、一命を取り留めたとしても、身体の麻痺や言語障害といった後遺症が残る場合もある病気です。
脳卒中は高血圧以外の生活習慣病も危険因子となりますので、生活習慣を見直すことで発症リスクの軽減につながります。


●腎臓病

腎臓は血液のろ過だけではなく、体内水分量や血圧の調節も行っている臓器で、血圧とは深い関係があります。
腎臓は血液をろ過するために糸球体という部分に血液を通しますが、この糸球体につながる血管に動脈硬化が起こると高い圧力が糸球体に掛かることになり、 その結果、糸球体の働きが落ちたり、糸球体が壊れてしまう腎硬化症になる恐れがあります。
腎硬化症は透析の原因の第3位にも挙げられる病気で、放置しておくと腎臓の機能がどんどん低下してしまいます。


●糖尿病

血圧が上がる原因の一つにインスリン抵抗性というものがあります。
これは、血糖値を下げるインスリンの働きが悪くなった状態で、この働きをカバーするために体内では通常よりも多くのインスリンが血中に分泌されます。
しかし、インスリンには交感神経を刺激し、血管を収縮させる作用や、腎臓でナトリウムと水分の取り込みを促進する作用があるため血圧が上がることになります。
糖尿病も自覚症状に乏しいため、定期的な血液検査を受けることが早期発見につながります。


血圧はあまり自覚症状がなかったとしても、放置するとこのような様々な病を引き起こすリスクが上がってきます。 それを防ぐためには、食事の際は野菜を積極的に摂り、塩分やアルコールは控えめにして、タバコは吸わないようにするなど、日々の生活習慣を見直すことが大切です。 また、適度な運動を行うと血液循環が良くなり、末梢血管抵抗が小さくなるので、血圧を下げる効果があります。


★ ホノミ漢方での高血圧の対策 ★

 ホノミ漢方では、サイロ・サイロヤングという高血圧に対するお薬があります。
サイロはこちら

サイロに含まれる生薬と主な働きは、以下のようになっています。
シャクナゲ葉:腎の働きを盛んにしてホルモンの分泌を促し、排尿を整えて血圧を調節する
カノコソウ(吉草根):大脳皮質中枢の異常な興奮を抑制し、イライラを鎮める。
センキュウ:血行不良からくる頭部の苦情(頭痛、イライラなど)を取り除く
槐花(カイカ):血管を強化し、毛細血管の止血をする
決明子(ケツメイシ):不良便を排出して血圧が上がるのを防ぐ

サイロには血圧を下げる生薬の他に血管を強化する生薬も含まれており、 より高い血圧で血管に負担の掛かった状態にお使いいただける製品です。
また、腎臓の働きを良くする働きがあるなど、高血圧やその随伴症状の改善もできる内容をなっています。

サイロヤングはこちら

一方、サイロヤング錠に含まれる生薬と主な働きは、次のとおりです。
当帰、センキュウ、芍薬、地黄:血行を良くし、ホルモンの分泌を促す
オウバク:腎・膀胱の炎症を抑える
オウギ:不必要な水分を取り除く利水の働きをする
チョウトウコウ:血圧を降下させながら、神経のたかぶりを鎮める

サイロヤング錠には血流を良くする生薬が比較的多く配合されております。
そのため、虚弱なタイプで貧血気味の人や、更年期の女性の高血圧にはサイロヤング錠が適していることが多いです。

くすりのポニー 薬剤師 根本一郎
昭和41年生まれ。有限会社多賀城ファーマシー代表取締役兼薬剤師(薬剤師歴30年)。
東北薬科大を卒業後、先代から52年続く薬局『くすりのポニー』多賀城市本店、仙台市内の陸上自衛隊店、楽天市場店などのネットショップを展開。
医薬品を販売するだけではなく、お客様の健康に繋がる解決方法のアドバイスを心がけている。
「くすりのポニー」は古代の史跡が数多くある歴史ある街、宮城県多賀城市にある漢方薬を多く扱う薬局です。
東北地方太平洋沖地震の被害を受けましたが、たくさんのお客様・ボランティアの方々・当店を支えてくださった
皆様のおかげで2014年には《楽天SHOP OG THE AREA》を受賞することが出来ました。
これからも一層お客様に愛されるショップを目指して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします!
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