2018.07.30
現代の「新型タバコ」と健康への影響

 近年、紙タバコの健康被害や喫煙スペースの減少により、それよりも規制の緩い加熱式タバコや電子タバコといった「新型タバコ」が注目され、日本でも浸透してきています。
 こうした中、新型タバコは安全で受動喫煙の問題がないという誤ったイメージも広がりつつあるようです。そこで、今回は新型タバコについて詳しくお話します。

 

★ 新型タバコの種類 まずは簡単に新型タバコの種類と仕組みから説明していきましょう。 ★



●加熱式タバコ

 加熱式タバコは、タバコの葉を直接火で燃やすのではなく、高熱の電気板などで蒸し焼きにする、あるいは有機溶剤を加熱して発生したエアゾル(蒸気)をタバコの粉に通して
ニコチンなどのタバコの成分を楽しむ仕組みになっています。

●電子タバコ

 このタイプはタバコのようなフレーバーを模した有機溶剤を熱して霧状にし、このエアゾルを吸い込み楽しむもので、ニコチン入りとニコチンなしの2タイプがあります。 日本ではニコチン入りのものは「医薬品医療機器等法」により製造販売が規制されているため、外国からの個人輸入でないと手に入らず、ニコチンなしが主流となっています。

 

★ 新型タバコの身体への影響 ★

 新型タバコは煙がない、あるいは見えにくい為、使用者や周囲の人に対して悪影響を与えない・少ないという認識があり、この認識が新型タバコの浸透の要因にもなっています。 しかし、加熱式タバコの主流煙中のニコチンやホルムアルデヒドの量は紙タバコとほぼ同レベルで、中には紙タバコの約3倍もの量が検出された有害物質もあるとの報告もあります。

 また、日本で販売されている電子タバコにニコチンは含まれていませんが、有害物質が含まれていないというわけではありません。

 電子タバコに含まれる有害物質の濃度は基本的には紙タバコよりも少ないとされていますが、製品の種類によってその量は大きく異なってきます。

 WHOの研究グループの調査によると、電子タバコの使用時に発生するエアゾルの中には紙タバコから出る煙以上の濃度で重金属やアルデヒド類などの有害物質が検出されたものもあるとのことです。

  これは、有機溶剤を熱することで成分が分解・変性してしまうことが原因だと考えられています。

 そして、受動喫煙の面からも問題が指摘されています。新型タバコから発生するエアゾルは煙が見えにくく、見た目には普通の空気と変わらないように思われますが、 紙タバコの煙より、重金属濃度が高く、通常私たちが吸っている大気と比べても、PM2,5、ニコチン、アルデヒド類などの有機物質が多く含まれているそうです。

 つまり、一見煙が少ない新型タバコのエアゾルでも、受動喫煙の危険は十分に考えられるということです。

 

★ 新型タバコの利用に対して ★

 新型タバコの登場してから年月が浅く、新型タバコの使用による人体への影響は研究段階ですが、WHOや日本呼吸器学会の見解では、 一般的に害が低いとみられる新型タバコには健康上の悪影響があるとの見解が強くなっています。

 また見落としがちな、着火剤や紙を白くするための漂白剤が体に悪影響を与えてるとの説もあります。

  厚生労働省の国民健康・栄養調査によると喫煙者の6割近くが喫煙をやめたい、あるいは本数を減らしたいと考えているようです。

くすりのポニー 薬剤師 根本一郎
昭和41年生まれ。有限会社多賀城ファーマシー代表取締役兼薬剤師(薬剤師歴30年)。
東北薬科大を卒業後、先代から52年続く薬局『くすりのポニー』多賀城市本店、仙台市内の陸上自衛隊店、楽天市場店などのネットショップを展開。
医薬品を販売するだけではなく、お客様の健康に繋がる解決方法のアドバイスを心がけている。
「くすりのポニー」は古代の史跡が数多くある歴史ある街、宮城県多賀城市にある漢方薬を多く扱う薬局です。
東北地方太平洋沖地震の被害を受けましたが、たくさんのお客様・ボランティアの方々・当店を支えてくださった
皆様のおかげで2014年には《楽天SHOP OG THE AREA》を受賞することが出来ました。
これからも一層お客様に愛されるショップを目指して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします!
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