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45.2003年小レポート
(今年のワインの品質は最高!という情報の再考)

今週、醸造学部があるタランス市からバルサックへ、ほとんど毎日サンプリングにでかけています。遠くないけれど、やはり毎日は辛いものがあります。
しかし自分がまだワインをはじめた頃、フランスに憧れていた頃、あれ程行きたかったブドウ畑。それを見れるのですから贅沢な幸せと言いきかせ、今日ももう収穫が殆ど終わったソーテルヌの、葉が秋の色合いを帯びてきたブドウ畑の小径を通り過ぎます。

さて、今年のワインの品質については最高の年!と騒ぎ立てられていますがどうもこの情報を再考する必要がありそうです。
平均気温が異常に高かったおかげで糖度は十分に上昇したのですが、この事実だけでワインをつくるブドウとして最高の条件を備えているとは限りません。フランスではこの猛暑で沢山の方々が亡くなられ、パリの公園の老木も枯れてしまったと聞きます。
そんな条件でブドウの木だけが元気な筈はないでしょう!

良い年だけど収量が少ないという理由をご存知ですか。それは必要な水分をブドウにいきわたらせるために、ベレゾン後も摘房したからです。そうしないとブドウは喉が渇いてしまうのです。水をくれ!と言っているのです。
確かにシャプタリザシオン(糖添加)をする必要がなかった数少ないヴィンテージのうちの一つです。そのかわり酸度不足の為に殆どの場合、補酸をしなければならない結果となっています。みなさんの心の中ではシャプタリザシオンと補酸と、どちらがより罪悪感が強いのでしょうか?それとも、両方ともイヤ?

ペサックレオニャンを拠点として活動している醸造コンサルタントに大雑把な印象を聞きましたが、特別な例外はやはりあるものの、全体的には赤も、白も平均的ということでした。その例外の一つはやはりフロリデンヌです。

収穫前はご機嫌が悪かったデュブルデュー教授でしたが、発酵が終了するとそれが笑顔にかわりました。”自分でも不思議なくらい、意外にもかなり良いワインに仕上がった”ということのようです。勿論醸造コントロール抜群の彼ですから間違って良い物が出来たと言う意味ではなく、”この天候のもとにできたあのブドウからこんなワインができた”という驚きのようです。

フロリデンヌの赤を今月18日に教授とテースティングする機会に恵まれました。マロ終了後約1週間です。例年この時期にこの状態のワインは飲めません。普通、マロ終了は11月下旬です。今年が如何に早稲であったかがわかります。
メルロとカベルネを計量カップを使って計算した比率どおりにアッサンブラージュします。”これが今年のフロリデンヌの赤だ”という彼の言葉で飲みはじめました。

糖度が高かった分、アルコールをやや多く感じるものの、沢山の果実が詰まっているこの赤い液体を口にした瞬間、驚嘆します。柔らかく、甘くさえ感じる密度感があります。非常に緻密でバランスが素晴らしく、アフターが長いのです。これが平均の年?と疑いたくなります。いつものやや硬く、少しすましているフロリデンヌではなく、大柄でやや陽気、それでいて知的です。

平均的な出来の今年のワインですが、甘口は例外。素晴らしい仕上がりです。甘口ファン、しかも古典的なスタイルを望んでいる人は絶対に購入すべきヴィ ンテージです。やや酸が少ないのが気になるものの、口に含めば、”とろけるほど甘ーイ!”

勿論それだけではありません。例年になくフルーツが多い!私はパイナップルを一杯に感じます。ドワジデーヌのキュベでこの感激。

最後は例のエキストラヴァガン!今年のこのキュベ、セミヨンは2樽とのこと。ソーヴィニオンはこれからの収穫で3樽を見込んでいるらしい。〆て5樽のスペシャルキュベです。樽からの試飲はこれで3度目だけれど、とにかくスゴイ!よくこんなワインがあるものだと思う。

写真は御子息のファブリスとスピグローのグラスのデザイナーとの一緒のテースティング風景です。

 

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