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TAKAのボルドー便り


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32.またもデブルバージュ

今年もやってきました。収穫期です。今、私はフロリデンヌの中でも一番好きな区画、「ポルタイユ」にきています。毎年のこととはいえ、この時期はいろいろな意味で緊張します。

 

今年の実験テーマはデブルバージュです。
この言葉はもう皆さんにとっても、お馴染みでしょう。そう、果汁の清澄化のことです。
濁りが強い果汁を発酵させると、腐卵臭等の原因になります。また逆に透明すぎる果汁を使えば、途中で発酵停止ということがおこりえます。
最近、このデブルバージュの方法いかんによって、できあがるワインのアロマに大きな影響を与えることを見い出しました。そこで教授から「デブルバージュの条件を詳細に決定せよ」との御命令です。

一度にたくさんの条件下でのデブルバージュを実験室でシミュレートします。
これを10度で一昼夜保存するのですが、果汁が酸化しないように空気との接触をさける為に、二酸化炭素のガスを充たします。
勿論シェでも同様な操作が行われています。
また果汁を移し変える時にも、移し先の容器には二酸化炭素を充填しておきます。
たとえば樽内発酵のために果汁を樽に詰める時などがそうです。これはシャトールヴィエールでのスナップ。
今やどこでもこのような配慮がなされています。
この時期、二酸化炭素を積んだトラックがワイン産地の街道を足繁く往復しています。

翌日は、御覧のとおりです。
左2つは自然によるデブルバージュ。
3番目は清澄化酵素を加えたもの、最後は他との比較の為に遠心により清澄化をしたものです。酵素による清澄化がいかに効果的かがわかります。
これをほんの少し果汁に加えるだけで清澄化がスムーズにいきます。

さて底に沈澱したものをブルブと呼んでいます。少し粘っこいドロドロしたものです。主に果肉の断片などからできています。

 

腐敗果の多いロットから得たブルブはこんなに綺麗な緑色は呈していません。もっと褐色になります。
色からでも想像できるように、強い、しかし爽快なグリーン感があります。

私はこれを「抹茶」と勝手にいっています。こんなに青臭いものですから、果汁から除去したほうが良いと考えるのが一般的ですが、実はここにも秘密があります。
例えば先の酵素によって清澄化した果汁は「清澄化しすぎ」なので、またこのブルブを少し果汁に戻してやります。これがコツです。では何故、酵素を使わなければならないか、ということですが、それはヴィンテージによってデブルバージュが困難な場合がある為です。

しかしこの酵素の使用にも功罪があります。一見便利なものは必ず諸刃の刃であり、使い方を誤ればそれはマイナスに作用します。
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