■猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ・FIV)
ノラ猫や外出が自由にできる飼い猫の、唾液の中にウィルスが多く潜んでいます。
感染する大抵の場合、けんかなどでの咬み傷から、唾液を通して伝染します。しかしよほどの咬み合いでない限り、あまり感染力は強くないのもこの病気の特徴です。
アメリカ・カリフォルニア州で1986年に初めて報告されたこの病気が、後に一般的に知られるようになった当時、この世から猫は消えていくみたいな、女性週刊誌の記事を読んだ記憶があります。
でも猫エイズは、それほど怖い病気ではなく、たとえキャリアになっていたとしても、発症しなければ、全然、日常生活に支障はありません。
また発症したとしても、「一病息災」で徐々に進行するステージを長く保てば、寿命を全うすることができます。
ウイルスに感染して猫エイズが発症すると、人間のエイズと同様、免疫が働かなくなり、体の抵抗力が落ちます。
健康な時にはかからなかった病気にかかりやすくなります。
病気や怪我が治りにくくなったり、体重が減少して、下痢や肺炎、リンパの腫れなど様々な症状がみられます。
約半数の猫に口内炎や歯肉炎など口腔疾患がみられます。
貧血、慢性の鼻炎や腸炎、結膜炎なども多くなっていき、様々な病気を併発していきます。さらに免疫不全は徐々に進んで、末期になるとさまざまな病気を併発し、やがては死にいたる病気です。
2002年3月22日アメリカ農務省により、初の「猫免疫不全ウィルス(FIV)」に対するワクチンの販売と獣医での使用が認可されたとの画期的な報告があってから、日本での普及が待たれるところですが、実際はどうなっているのでしょうか。
ちょっと動きが今のところわからなくなっているのが実態です。
この病気は、感染していても無症状の場合は、特に治療は必要ありません。
病気そのものを治すことはできませんが、症状によって適切な治療することはできます。感染した猫は、口内炎や多くの感染症、外傷が治りにくくなるので、どちらにしても長期的な治療が必要となります。
感染猫はできるだけ室内飼育して、他の感染症にかからないようにすることや(ワクチンの摂取)、食事や水に配慮して、ストレスをかけないなど、よりよい環境を整えることが必要です。また他の猫に感染させないような努力も必要となりま。その為には、避妊・去勢の手術も必要です。
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