アンドレア・ダ・フィレンツェ Andrea da Firenze
生没年 | -1415 | 国 | イタリア |
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辞書順 | 「ア」 | NML作曲家番号 | 121626 |
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『フィレンツェ、1350年』
中世トスカーナ、都市国家という音楽庭園 [ソラッツォ・アンサンブル(古楽器使用) 佐藤裕希恵(ソプラノ) アンナ・ダニレフスカヤ(総指揮)]発売日:2020年03月27日
CD国内仕様 日本語解説付き価格:2,970円(税込)
注目のソプラノ佐藤裕希恵が参加!
欧州中世音楽シーンの最前線団体がみた「フィレンツェ」ソラッツォ・アンサンブルはスイスやフランス、英国などを中心に、ヨーロッパ各地で鮮烈な活躍を続けている古楽グループ。Linn RecordsやAmbronayからリリースされてきた既存盤は英グラモフォン誌年間大賞や仏ディアパゾン金賞など、決して古楽専門ではない雑誌からも絶賛を博してきました。それはおそらく、このグループのアルバム制作における徹底したコンセプト追求の求心力とも無縁ではないのでしょう。新たに録音された今回のアルバムも深く考え抜かれた構成、そして美しいジャケットからして大きな期待感を漂わせた一作となっています。 「1350年フィレンツェ」ということは、このアルバムで扱われているのはメディチ家台頭以前の、イタリア中部きっての都市共和国だった時代のフィレンツェ。華やかなルネサンス建築も偉大な美術作品も、そこにはまだありません。14世紀は疫病と戦乱の時代、皇帝派と教皇派の対立で戦火にさらされ、理知がなくては生き延びることすらかなわない時世だったからこそ、ダンテやペトラルカ、ボッカッチョといった文豪たちがこの頃のフィレンツェを華やかにしたのでしょう。しかし音楽もまた、この都の人々の心を確かに繋いでいたのです。 ソラッツォのメンバーは弓奏ヴィエル(中世フィドル)や古い撥弦楽器などをたくみに奏でながら、音の所作をあざやかに捉えた歌唱とともに、古楽への通暁を聴き手に強いない鮮烈な求心力で、プログラムの展開に心を引き寄せ続けます。名録音技師クリストフ・フロンメンの的確なエンジニアリングで、自然な立ち上がりとともに甦る古楽サウンドに惹かれる1枚です。