いわゆる「デザイン」をおこす作業です。主に製造元が絵柄 を企画し、紙に描くのは、専門の絵師などが行います。現在 では、数十年前の柄を復刻・アレンジすることも多いです。
1.まず下絵を描きます。
2.下絵を型紙の上に置き、線に
沿って上から直接彫っていきます。(※写真では、直接型紙
に彫っています。)
3.ゆかたの白生地の上に彫った型紙
を置き、染料をハケで刷ります。色のついた部分が次の工程
「くくり加工」の目印となります。
下絵の工程で刷られた目印に沿って、布にヒダをよせ、一粒一粒丹念に、糸を巻きつけてくくっていきます。基本的に「1人1技法」とされるくくり職人。つまり、1反の中に様々な技法が必要な絵柄が含まれていると、そのぶん沢山のくくり職人の技術が必要となります。
1.技法によって、使う道具・糸は異なるものを用います。
2.針を使って縫う技法もあります。
3.非常に緻密な作業のため、有松絞りの最重要工程とされています。
色を決定するのは主に製造元や販売店。型彫り〜くくり加工の期間中、図案を見てイメージを固めます。
1.色チップや、過去の資料を見ながら色を決めます。
2.くくり加工が終わった生地を、様々な染料を調合し、指定された色で染めます。
3.水で洗い、色止めをして、軽く脱水させた後、乾燥させます。この作業を数回繰り返し、指定の色に仕上げる場合もあります。(まだ糸はついたままの状態です。)
ひとつひとつ糸を抜いていくと、ここで初めて絵柄が姿を現します。
1.乾燥室。十分に乾燥させないと、糸抜きの工程で破れてしまいます。
2.糸抜き(糸解き)。絞りの技法によって方法は異なりますが、写真のように生地を手で引っ張るのが主流です。
3.糸を解いた状態。糸でくくられていた部分は白く残ります。糸を取り除き、検品、丸巻きをした後、完成となります。
糸抜き後の縮んだ状態では、お仕立をすることが出来ないため、お仕立て前に色止めと幅出しを行います。
1.染料が色落ちしないよう、薬品を入れた水の中で丁寧に洗うことで、色止めを行います。※黒や紺などの、色の濃いものの場合は限界があるため、色止めをしても色落ちする場合があります。
2.軽く脱水し、糊付け後、外に干して乾かします。
3.蒸気にあてながら生地を伸ばしていきます(湯のし)。
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