11月の誕生石はトパーズとシトリン。どちらも黄色のイメージを持ちますが、特にトパーズは黄色い石の代表とされており和名は黄玉です。様々なカラーバリエーションを持つのが特徴で中でもインペリアルと名の付く希少な種類は興味深いエピソードがありますので、今月はこの宝石に焦点を当てて特集をお届けいたします。
別格の存在
1883年、シトリンがゴールデントパーズやシトリントパーズの名で大量に流通し市場はとても混乱したそうです。トパーズはシトリンの10倍の価格が付くと言われているため、勝手な商品名をつけて販売する人たちがいたのですね。現在でもシトリントパーズというフォルスネーム(誤称)が使われることがあるのはその名残と言えます。混乱を収めるためブラジルの皇帝にちなみインペリアル(皇帝)の名が与えられたと言われています。別格の存在を表す称号としてとてもマッチしていると思いませんか。
2つのタイプ「F」と「OH」
トパーズにはFタイプとOHタイプが存在していますが、インペリアルを名乗れるのはOHタイプだけなのです。OHタイプは屈折率も高く、褪色の心配がありません。その中で、黄色・黄金色・橙色・ピンク色・赤色などがインペリアルトパーズと呼ばれています。
今後はより希少な宝石に
インペリアルトパーズは、実はルビーやエメラルドより年間産出量が少なく、限られた地域でしか産出されないため、今後はより手にすることが難しくなると予想されています。採れる量が少ないということは、ジュエリーとして手に入れられる人も限られます。もしお気に入りのものに出会えたなら、それはとても幸運なことかもしれませんね。