エメラルドは5月の誕生石。鮮やかなグリーンが最大の魅力で、世の女性を魅了しています。しかしながら扱いにくく、上級者向けなイメージを持ち合わせるこの宝石。今月はそんなコストを補ってでも根強いファンを多くつかむエメラルドに焦点を当てて特集をお届けいたします。
石の特性と弱点
この石が属しているベリルグループは、比較的インクルージョンの少ない鉱物ですが、エメラルドに関しては内部に特有の傷を無数に抱えている特性を持ちます。衝撃に弱く、割れやすいため、扱いが難しいというのは聞いた事があると思いますが、それゆえ、指輪の台に取り付けるのに細心の注意が必要な職人泣かせの宝石でもあるのです。
すべてを補う色の魅力
これだけ手がかかり注意が必要な宝石なのに、根強い人気があるのは、やはり惹きつけられる色の魅力にあると思います。美しいグリーンの起源は微量のクロムやバナジウムで、着色された石は鮮やかな発色を生み出します。それに加えてエメラルドの色をより美しく魅せるためだけに、テーブル面を広くとったエメラルドカットが開発されました。すべての宝石を見渡してみてもカットに宝石名がつくのはエメラルドだけ、それだけ最大限に惹き出したいほど、このグリーンに魅了されたのでしょう。
愛でる宝石として
非常にデリケートで、身に着けるには細心の注意が必要ですが、内包物を個性として楽しめる数少ない宝石でもあります。石によってみせる色や表情が非常に複雑でそれぞれ異なるため、エメラルドを一度手に取るとはまってしまう、コレクターも多いそうです。取り扱いに手間がかかるということは、この石と向き合う機会が多くなるということ。魅力を知る人にとってそれは楽しく貴重な時間なのかもしれませんね。