桜えびとは
静岡・駿河湾の桜えび
桜えびは、甲殻網サクラエビ科の体長わずか4〜5cmほどの小さい海老です。
海中では透明ですが、水揚げされると綺麗な桜色になるから『桜えび』と呼ばれています。
日中は水深200〜300mに生息していますが、夜になると、餌とする動物プランクトンを追って水深20〜50mぐらいまで浮上します。
桜えびは、殻から頭まで食べることができ、また、貴重な栄養素が数多く含まれています。
日本で、ここだけ。
桜えびは、日本では、遠州灘、相模湾、東京湾にも生息していますが、富士川、安部川、大井川という大きな河川の流れ込む駿河湾がもっとも多く繁殖しています。
そのため、日本では、駿河湾のみで漁(資源管理型漁業)が行われ、由比港と大井川港の2港で水揚げされています。
※桜えびの資源保護のため、漁ができるのは、駿河湾の由比港と大井川港の2港からだけと限定されています。さらに、猟期、漁船数及びトン数並びに網の長さ、操業方法等も厳しく制限されており、漁獲量の決められた希少価値の高いえびです。
桜えび漁の歴史
桜えびの存在は、江戸時代から知られていましたが、2隻1組で行われる桜えび漁の歴史は浅く、明治27(1894)年12月、由比の2人の漁師がアジの網引き漁をしていたときに網が深く潜ってしまい、偶然に大量の桜えびが獲れたことに始まります。
その後、漁法などの改善が行なわれ、今日に至っています。
桜えび漁は、年2回だけ
桜えびの漁期は、春(3月下旬〜6月上旬 )、秋(10月下旬〜12月下旬)の年2回あります。
桜えびの産卵期は6〜9月で、この時期は資源保護のため禁漁となります。
深海性の桜えびは、夜間になると海中のプランクトンを求めて海面近くに浮上してきます。
そのため、桜えび漁は、風や波のない天候のよい夜間に行われます。
午後5時頃出漁し、午後10〜12時頃に帰港し水揚げされ、市場で早朝まで冷蔵保管されます。
※市場のスペース全体が大型冷蔵庫になっていて生きたまま鮮度そのままで保管されます。
由比漁港(静岡県庵原郡由比町)
翌朝6時から、水揚げされた桜えびは、市場(蒲原、由比、大井川)で入札がされます。
青島商店では、早朝6時、3代目青島安志氏が、駿河湾でしか獲れない、鮮度がよく大きい桜えびを由比漁港の市場で吟味して落札。
その後、4代目青島由樹氏と共にすぐそばにある工場で加工、また富士川の河川敷でよく干して、上質の桜えびをお届けしています。