伊勢の海が育む「あこや貝」
その貝から「最高級・あこや真珠」が生まれます。
世界最高水準の品質と言われる「あこや真珠」。美しい一粒は「あこや貝」が、長い月日を重ね、その体内で育まれます。とてもオーガニックな素材なのです。
いくつもの奇跡が重なり、その結晶が一粒の真珠になるまで。
伊勢の海から、その物語をご紹介いたします。
栄養が豊富な水質、穏やかであること。
その恵まれた環境が三重県・伊勢にあります。
あこや貝が育つ、三重県・伊勢志摩の英虞湾(あごわん)。この海は波がとても穏やかで、貝の栄養素となるプランクトンが非常に豊富です。
真珠養殖に適した環境から、国内養殖が発祥した地としても認知されています。現在は国内最大の養殖産地に発展しています。
海の栄養は森が健康であること。
環境が連なり整う、育成条件。
あこや貝の栄養となるプランクトンは栄養となる、海だけが優れていればいいものではありません。森からの栄養素が海に流れ込むことで、より一層豊かになります。雨が木々に伝わり、土を潤し、不純物がろ過されて、栄養素が濃縮されて、海に流れる。ここ英虞湾は、海と山が入り組んだリアス式海岸により、その条件が揃うのです。あこや貝が健やかに育つための「豊富な栄養がある環境」がここにあります。
積み重ねる日々と、あこや貝の恵み。
奇跡が重なり、美しい真珠は育まれます。
貝から真珠が取れるまで平均で4年ほど。変化の多い自然環境の中で、貝は泳いでそこから逃れたり、改善することはできません。健康に育つよう、人が手助けをする必要があるのです。生き物と人の二人三脚によって美しい真珠は育てられています。
貴金属になる確率、わずか1%。
1500日にも及ぶ時を経て
美しい照りを持つ真珠に。
1500日にも及ぶ育成期間を終えた貝は、水揚げされ真珠が取り出されます。そして、色合いやかたち、層の美しさなどで厳しく選定されます。最高の品質をもつ真珠はわずか1%ほどになり、宝飾品に使用されていきます。
途方も無い月日と、貝の健康、自然環境に職人の技術。さまざまな奇跡が重なり、一粒の真珠が生まれているのです。
AKOYA WORKS一粒の真珠ができるまで
01稚貝の養殖
02貝の洗浄
03核の挿入
04内海での育成
05外海への沖出し
06水揚げ・選別
07洗浄・調整
08休息・成熟
真珠は決して丸くない。世界で一つの貝がつくるかたち。
正円ではない、でこぼことした形が魅力の「バロックパール(バロック真珠)」
「いびつな」という意味ポルトガル語の「Baroque(バロック)」 からバロックパールと呼ばれるようになりました。
育成の途中で異物が影響し、そこを中心に真珠層を形成することで独特の形を持ち、バロックは生まれます。
養殖の品質が安定しなかった時代は「正円の真珠こそ美しく、希少なため価値がある」とされてきました。そのため、いびつな形のバロックパールは「価値の低い真珠」とも言われていました。しかし、最近は個性的な形や丸い真珠に劣らない輝きが注目され、アクセサリーに積極的に利用されるようになっています。
この流れを受け「この世に二つとない、特別なかたちの価値ある真珠」として注目されてきています。