索引   Index

   HA

発酵  【はっこう】  fermentation

酵母の働きで糖分が分解されて、アルコールが生じることを指す。清酒の場合は、澱粉がの糖化酵素による糖化と、その糖がアルコールに変わるアルコール発酵が同時に行われる。

by  【び-わい】  brewer year

brewer year(ビュルワー・イヤー)の略。醸造年度(7月1日から翌年6月30日まで)のこと。

by大吟醸酒  【び-わいだいぎんじょうしゅ】  brewer year daiginjo-shu

大吟醸酒の一年ものを指す。その年のその味の大吟醸酒

火入れ  【ひいれ】  hiire

腐敗防止のために55〜65度で約30分間、加熱殺菌すること。
火入れによって、微生物を死滅させたうえ で、酒は貯蔵され熟成される。また、出荷のためにビン詰めする前に、もう一度加熱 殺菌される。この「火入れ」はフランスのパスツールが確立した低 温殺菌法と同じやり方であり、それに先駆けること300年以上前から行われていたことは明治初期に日本にやってきた技術者を驚愕させた、とのこと。

火落菌  【ひおちきん】  hiochikin

清酒の変敗現象で、火落菌という菌が清酒に繁殖すると白濁、酸の生成、特異臭といった現象が起こり、飲めなくなる。
古くは貯蔵中夏期6月から9月にかけて起こっていたが、現在では製造中の管理、火入れ、殺菌等の進歩により、きわめて稀にみられる程度となった。

老香  【ひねか】  hineka

熟成が過剰となった時に出る臭い。コゲッぽい、ひっかかる臭い。

冷やおろし  【ひやおろし】  hiyaoroshi

春までに造られた新酒貯蔵タンクで寝かせ、ひと夏越させてから秋に出荷する酒。
通常、酒は貯蔵前に一度加熱殺菌されてから貯蔵される。この「冷おろし」は、その状態でひと夏越させ、秋に瓶詰されて出荷される。新酒時に比べ荒々しさが減り、味がのっており、昔から“ひと夏越した酒は旨い”とされている。

フクノハナ  【ふくのはな】  hukunohana

東北地方で開発された酒造好適米。1973(昭和48)年から栽培されている。

含み香  【ふくみか】  hukumika

お酒を口に含んだまま、鼻からゆっくり息を抜いた時に感じる香り。
「口中香(こうちゅうか)」ともいう。

伏流水  【ふくりゅうすい】  river-bed water

川の水が途中から地下に入り流れることをいい、その水を指す。
水は地下を旅してくる間に濾過されたり、またミネラルなどを含んだりする。多くの蔵では井戸を掘りそれを汲み上げて用いるが、当然水質検査をしてから使用している。

普通アル添酒  【ふつうあるてんしゅ】  hutsuaruten-shu

普通酒の1カテゴリー。米・米麹(こめこうじ)醸造アルコールを原料として造られたお酒。一般的に出回っているお酒。醸造アルコールの添加量には決まりがある(白米1トンあたり120l以上280l以下である)。なお、精米歩合には決まりはない。

普通酒  【ふうつしゅ】  hutsu-shu

醸造アルコールや糖類(ぶどう糖、みずあめなど)を添加して、淡い味に造られた酒で、普通醸造酒ともいわれている。醸造アルコールの使用量(目標とする酒質によりことなる)は、白米1トンあたり500l(アルコール分30%に換算した数量)が普通。

並行複醗酵  【へいこうふくはっこう】  heikouhukuhakkou

日本酒の造りにおける最大の特長。また、独持の醸造方法であり、世界的にも例がない複雑な醗酵法。
いわゆる造り(仕込み)のことで、

  1. 麹(こうじ)による(お米の)デンプンのブドウ糖化
  2. モト(もと)におけるブドウ糖のアルコール化(醗酵)
この二つの工程を、一つのタンク内で並行して同時に進行させること。

本醸造酒  【ほんじょうぞうしゅ】  honjozou-shu

醸造アルコールや糖類(ぶどう糖、みずあめなど)を添加して、淡い味に造られた酒で、普通醸造酒ともいわれている。醸造アルコールの使用量(目標とする酒質によりことなる)は、白米1トンあたり500l(アルコール分30%に換算した数量)が普通。

   MA

松尾様  【まつおさま】  matsuo-sama

酒蔵で祀られているいわゆる“酒造りの神様”のこと。 蔵人が奉る「松尾様」と称される神は女神とされており、古来より酒蔵が“女人禁制”とされてきたのは、蔵に女性が入ると「松尾様」がヤキモチを焼いて酒を腐らせてしまうという言い伝えによるとも一説では言われている。

「松尾様」は“日本酒醸造の祖神”として全国の酒造蔵より崇敬を受けている京都嵐山に鎮座する「松尾大社」の尊称で、平安期に大陸より持ち込んだ新しい醸造技術を以って現代の清酒醸造の基礎を確立した秦氏の氏神を、太秦「大酒神社」より摂社として奉祀したことにより、本来の御祭神である“大山咋神”(おおやまくいのかみ)と呼ばれる農耕信仰の守護神や、宗像三女神の一人である“市寸島比売命”(いちきしまひめのみこと)と呼ばれる航海の女神と混同して蔵人が信仰したことから「松尾様」なる“酒の女神”となったと思われる。

ちなみに「松尾大社」の他にも、全国の酒造家より“酒造の祖神”として幅広い信仰を受けている奈良の「三輪明神」がある。 酒蔵ではその年の酒造りに、“酒造の神”のご加護を願う風習として、杉の葉を束ね球状に造った“杉玉”(酒琳=さかばやし)を軒先に吊るす。

幻の酒  【まぼろしのさけ】  maboroshinosake

新潟の地酒を売っている、日本酒の専門店。

楽天市場 幻の酒 http://www.rakuten.ne.jp/gold/niigata/
〒951-8131 新潟県新潟市中央区白山浦2丁目1-28
TEL:025-378-2631 FAX:025-378-2632
e-mail:niigata@shop.rakuten.co.jp

美山錦  【みやまにしき】  miyamanisiki

長野県で開発された酒造好適米

宮水  【みやみず】  miyamizu

兵庫県西宮の海岸から少し内側に入った場所の、深さ5〜6mの浅井戸に湧く水。鉄分が少なく、燐酸やカリウムが適度に含まれ、多少の塩分もある水であったが、現在では水質が変わり使われていない。
※もっとも、使われていた時代でもすべての醸造工程に使われていたのではない。宮水は「モト」の仕込み水として使われたのが主である。

  【もろみ】  moromi

醪とは、酒母(モト)に麹と蒸米、そして水を加えたもの。醪造りは「仕込み」または「造り」と呼ばれるが、この醪のなかでお米が本格的にお酒に変わっていくわけで、日本酒造りの工程のなかの本番中の本番と言うことができる。

   YA

ヤコマン  【やこまん】  yakoman

もろみが発酵中に出す芳香を採取する香気回収装置、 及びその液体(ドレン)を酒に添加する手法、ヤコマン 加工法のことをいう。発明は醸造試験所長であった山田 正一氏。山田氏と共に研究に携わった菰田氏、真野氏の 頭文字をとって「ヤコマン」になったとのこと。

山卸  【やまおろし】  ymaoroshi

いわば精米歩合を高める作業のことで、半切桶(はんぎりおけ)の中に蒸米と水を入れ、櫂(かい)で摺り潰すたいへん重労働な作業をいう。精米作業が水車などで行われていた江戸時代は、なかなか精米歩合が高まらず、よって櫂で蒸米を潰し、お米の芯の大切な部分をヒネリ出す必要があった。

山田錦  【やまだにしき】  ymadanishiki

酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)の王様といわれるお米。昼夜の温度差が激しく、棚田のような山麓地帯が栽培に適している。寒冷地は不向き。長稈(ながさお)で、倒伏しやすく、育てにくいお米。
現在、兵庫県と福岡県の一部で主に栽培されている。兵庫県美嚢(みのう)郡吉川(よかわ)町産の山田錦は「特a地域」とされ、特に良質の山田錦がつくられている。

山廃  【やまはい】  yamahai

生もと系酒母造りの製法のひとつ。明治以前の生もと では麹と仕込み水と蒸し米を同時に加え、複雑な操作に よって櫂ですりつぶしていた。この作業を「山卸」また は「もとすり」と呼び、作業手順的に夜通しのつらい作 業であった。しかし明治40年代にこの目的がの酵素と 蒸し米を接触させ溶解を進めることにあり、仕込み水に を加えて水麹の状態にしての酵素が溶出された後な ら山卸と同様の効果が得られることが判明したため、山 卸工程は廃止された。山廃酒母というのは山卸を廃止し た酒母、つまり山卸廃止酒母の略である。

   RA

冷酒  【れいしゅ】  reishu

冷やしたお酒の総称。あえていえば、冷やして呑むことを前提として造られたお酒、ということだが、こういう種類のお酒があるわけではない。

冷蔵貯蔵  【れいぞうちょぞう】  refrigeration storing

貯蔵を冷蔵して行うこと。「低温貯蔵(ていおんちょぞう)」ともいう。

   WA

yk35  【わいけ-さんじゅうご】  yk35

「y」は山田錦(やまだにしき)、「k」はk−9号酵母(こうぼ)、「35」は精米歩合(せいまいぶあい)35%の意味。

割り水  【わりみず】  warimizu

アルコール度数の調整のために、お酒を水で割ること。『加水調整(かすいちょうせい)』ともいう。