イワシの季節

こんにちは、ちえこです。今日もこのコラムをお読みいただきありがとうございます。

桜やつつじの季節が来たと思ったら、あれよあれよと、空には入道雲が現われ初め、すっかり初夏から夏の顔をみせつつある天候が続く毎日ですね。しかし、本格的に真夏を迎える前には長い梅雨がやってきます。じめじめと湿気がうっとおしい時期は外出がおっくうになりますが、美味しいものをいただいて、毎日を楽しみたいところ。ちょうど6月から旬を迎えるイワシ、食卓のメインに並べてみるのはいかがでしょう?

産卵前で脂を蓄えたイワシが美味しくいただけるのが、ちょうど梅雨の季節、「入梅イワシ」とも呼ばれ親しまれてきました。ちなみに千葉県銚子市では入梅イワシ祭りが毎年行われ、鮮度の高いイワシを絶品料理に仕上げ、観光客を楽しませてくれるそうです。

そして、イワシを愛してやまないのは我々日本人のみならずポルトガル人も。ポルトガルでも、6月は別名イワシ祭りとも呼ばれる聖アントニオ祭りが行われます。
6月12日の聖人アントニオの誕生日を祝うためのお祭りなのですが、ポルトガル人が大好きなイワシの漁解禁と重なっているため、人々は「待ってました」とばかりに炭火でイワシを焼き、赤ワイン片手に盛大にお祭りを楽しみます。

さあ、今日ご紹介するのは、そんなイワシの炭火焼に相性ぴったりなリスボアの赤ワイン、ヴィディガル・レゼルヴァ2014です。ポルトガルでは、ヴィニャオンという色合い、味わい、共に濃厚な赤の微発泡ワインとの組み合わせも有名ですが、私は、ヴィディガル・レゼルヴァとの組み合わせもイチオシです!

ポルトガルの首都リスボンを含む地方で生産された、コストパフォーマンスの良さで人気の高い赤ワイン。

ヴィディガル・レゼルヴァ2014

外観はさらっとしていて、グラスをまわしても粘性を強く感じさせず、色調には透明感のあるルビーで繊細な印象。香りには、チェリー、プラムといった赤い果実や、若干のミントなどフレッシュハーブのニュアンス。

透明感のあるルビー色

そして口に含むと、アタックにまずフルーツの甘みが前面に感じられ、フルーツが持つ自然の甘みと酸味が広がっていきます。タンニンに強い主張はないけれど、よく熟したフルーツみが芳醇でしっかりとした存在感があります。余韻は中程度なので、いつまでも風味が口に残ることなく、最後に優しい収斂が感じられ、口を締めるように消えていきます。

イワシの炭火焼といっしょに

我が家では、焼いたイワシにCARMエキストラ・ヴァージン・オリーヴオイルをたっぷりとかけ、フレッシュコリアンダーをトッピング、イワシ祭りの予行演習(笑)。 普段の食事でも、ホームパーティでも、イワシと赤ワインのマリアージュに喜んでもらえそうです。