夏の終わりのサウダーデとロゼワイン

4年に1度のオリンピック、球児たちの青春の集大成甲子園、この夏はなんて暑い夏だったことでしょう。テレビやネットニュースにくぎ付けだった方も多いのでは。かく言うわたしもそのひとり。徹夜はできなくても、夜更けまでライヴ映像、朝からニュース・・・と、各種観戦に夢中になっていたため、若干のスポーツ観戦ロス状態・・・。テレビのスイッチを入れてしまっては、「もう終わってしまったんだなぁ」と、夏の終わりとともにじんわりと、寂しさが沁みてます。

そんなぽっかり穴の空いた心にぐっと来たのが、映画鑑賞。心を満たすドラマ、わくわくドキドキなアクションなど、夏は映画も新作が続々と紹介され、話題作もたくさんありましたね。

我らがポルトガルから紹介したいのは、映画監督であるマノエル・ド・オリヴェイエラ。ポートワインでよく知られているポルトガル北部のポルト出身の彼は、残念ながら2015年4月に他界してしまいましたが、享年105歳。なんと亡くなる前年の2014年に映画を発表するなど、精力的に映画を製作する人物でした。

代表的な作品の数々は、自然の美しさを背景に、人間の情性を描くなど、抒情的なものであると言えます。

そのひとつ、「アンジェリカの微笑み」という作品は、彼が101歳の時に制作されたもので、ネタバレになるので詳しいストーリーは語りませんが、美しい女性の微笑みに魅せられた男性の、幻想もしくは妄想(?)のコメディなのか、悲しさなのか、映像美と音楽の美しさに浸る時間が過ごせることは間違いないでしょう。なんとなく物悲しい時間、心境に響く映画鑑賞はいかがですか?

  さて、映画を鑑賞する際にお伴となるのは、そうポップコーンですが、今回はリオ・オリンピックにちなんで、こんなお菓子をご紹介します。

ポン・デ・ケージョ。

ポン・デ・ケージョ

ソースをかける前のタコ焼きじゃないですよ(笑)

ポン・デ・ケージョとは、ブラジルで朝食としても定番の、「チーズパン」ですが、原料にタピオカを使用しているため表面さくっと、中はもちもちの食感が特徴で、さらに濃厚なチーズの味わいが口いっぱいに広がり、朝食だけでなくお子さんのおやつに、またビールやワインのおつまみにも最適とあり、老若男女問わず幅広いシーンで好まれ、日本でも人気のパンですね。

たいていはパン屋さんで購入できますが、自宅でアレンジ・ポンデケージョを作ってみませんか。

作り方はこのポンデケージョ・ミックスを使えば、とーっても簡単!!

今日のアレンジは、カリカリに焼いたパンチェッタ、スモークチーズ、小さく刻んだドライトマトを用意。

ポンデケージョの中の具材

ころころと丸める際、中心にうめ込みましょう。 焼きあがったばかりのあつあつもちもちのポンデケージョ。チーズの味わいはさらに濃厚になり、異食感のパンチェッタがアクセント、次から次へと手が止まらないので、たくさん作ることをオススメします(笑)

そしてマリアージュするワインはロゼワイン。ノルテ・ロゼ・ヴィーニョ・ヴェルデ。先ほど紹介した映画監督マノエル・ド・オリヴェイラ出身地ポルトからも近いヴィーニョ・ヴェルデ地方のワイン。

「緑のワイン」と訳されることもありますが、普段飲むワインと同じく赤ワイン、白ワイン、そしてロゼワインがあります。

ところで「ロゼワインは甘い」という印象はありませんか?甘口で口当たりがよいことで有名なロゼワインもありますが、食事やアペリティフとして親しまれているロゼワインは、辛口のものも多く、このノルテ・ロゼ・ヴィーニョ・ヴェルデもドライタイプ。ヴィーニョ・ヴェルデの典型でもある微発泡のフレッシュさはそのままに、フルーティな酸味、柑橘系の果実感、アルコール度数が9%と軽快な口当たりが魅力です。

ノルテ・ロゼ・ヴィーニョ・ヴェルデ

便利なスクリューキャップで、開けるのも簡単。1本全部飲み切らなかったらキャップをしめて冷蔵庫へ。

翌日はサイダーと季節のフルーツを加えて、サングリアを作ってもいいですね。今回は桃とドライみかんを入れてみましたよ。

フルーツを加えたサングリア

さて、「スクリューキャップを使用しているワインって、いい加減なワインぽくて・・・」と思っている方、いらっしゃいませんか?スクリューキャップを使用するメリットは、何と言ってもワインの劣化を抑える、ということにあります。丹精込めて育てたぶどう、労を惜しまず生産したワイン。手元にある1本1本のワインにはつくり手の想いが込められています。

今日紹介しているワインのつくり手、ヴィーニョス・ノルテも、ポルトガル北部にて、アロマ豊かな「地元のブドウの良さがわかるワインを造ろう」と家族経営で伝統のヴィーニョ・ヴェルデを伝承し、スクリューキャップを使用するという現代技術とともに、ヴィーニョ・ヴェルデを世に広める担い手のひとりです。工業製品とは違った、遠くポルトガルの地で育まれた伝統のワイン、ぜひお試しくださいませ。