一度は行きたいポルトガルの劇場

昨年に続き、ポルトガルは水不足に悩んでいます。青い空が眩しいイメージのポルトガルですが、冬は雨期で通常は雨が多いのです。でも、ここ数年、雨が少なく色々な産業に影響が出てきています。やっと先週から雨が降るようになりました。恵みの雨です。少しでも雨不足の解消になるよう祈るばかりです。
ただ、雨ばかりだと週末は家や屋内に引きこもりたくなります。そんな季節は出かけるとしたらショッピングセンター。多くのポルトガル人も、家族や友達とフードコートでおしゃべりしたり、ウインドウショッピングを楽しんだりしています。
ポルトガルのショッピングセンターは一般的に規模が大きく、映画館や大型スーパーも入っています。ショッピングセンター内を歩いているだけで時間があっという間に過ぎてしまうので、気が付いたら3時間以上いることもあります。開放的で誰もが楽しめる雰囲気なので、旅行でポルトガルを訪れる方にもお勧めしています。

中央のシャンデリアが美しいメインルーム。897席あります。

客席は4階まであります。

ボックス席からみた場内。特別感があります。

次第にこの劇場はオペラやブラガ交響楽団などにより、ブラガの人々の心を捉えていきました。この頃、プッチーニやヴェルディなどが人気だったようです。『椿姫』や『蝶々夫人』なども公演されていたのかもしれませんね。そして、1920年代にはメインホールが拡大し、ノーブルホールなどのスペースが建設されました。そのメインホールがこちら。

手作業で制作された美しい赤いソファ、愛称「恋人たちのソファ」が目を引きます。

シャンデリアも眩いばかり。

1930年代になると、トーキー映画が人気になり、劇場ではいくつもの映画を上映したようです。こんなに美しい劇場で映画が楽しめるなんてとても優雅な気分になりそうです。 1950年代ではファド女王アマリア・ロドリゲスのコンサートやウィーン国立管弦楽団、ロンドンのオペラの公演をすることもありましたが、テレビがカフェに普及すると劇場へ出かける人が減ってしまい、悩ましい時期だったようです。この状況は徐々に深刻になり、1970年代には1階に存在したブリストル・カフェを銀行に売却することになりました。この場所は前身のサン・ジェラルド劇場が作られた土地だったとのこと。

現在の劇場内カフェに飾ってある1950年代のカフェ(写真左)

銀行は現在も営業しています。

その後、1980年代からはブラガ市庁が大部分の株主資本を得て、社会的文化価値を安定して提供できる場になるよう運営していました。現在は民間企業により運営されています。2010年には小規模な講堂も増設され、メインルームと合わせて演劇・映画・オペラ・バレイ・音楽など多種多様な公演をしています。

ふっと上を見上げると、多くの細工が施されていることに驚きます。

メインホールのバルコニーから見た、ブラガのメインストリート。夏は花壇の花が満開になりとても可愛い通りです。

劇場の外観(一部)

現在の劇場内カフェに飾ってある1950年代のカフェ(写真左)

*シルコ劇場*

Theatro Circo
住所:Avenida da Liberdade, 697 - 4710-251 Braga

美しいシルコ劇場。
上品だけど敷居が高すぎない雰囲気がとても良いと思いますが、いかがでしたでしょうか。

最後に、ポルトガルの劇場に行ってみたいけれどブラガは少し遠いな、という方へリスボンとポルトの劇場についてご紹介します。

*サン・カルロシュ国立劇場*リスボン
1793年に創設された非常に歴史ある劇場です。1755年にリスボン大地震で倒壊してしまったテージョ・オペラ・ハウスの後身として建てられたと言われています。
Teatro Nacional de São Carlos
住所:Rua Serpa Pinto, n.º 9 1200 – 442 Lisboa

*カーザ・デ・ムジカ*ポルト
ごろんと転がってしまいそうな形が目をひく劇場です。2005年にポルトがEU文化首都就任を記念して、文化的な創造を目的として建てられました。
Casa de Musica
住所:Av. da Boavista 604-610, 4149-071 Porto

ポルトガルの劇場、一度は訪れてみて下さいね。

それではまた次回!