大西洋の真珠「マデイラ島」
2015年の夏にスタートしたこちらのコラムですが、今回で第50回目を迎えました!
「ジャンルを問わず、ポルトガルの様々なトピックを紹介してください」というお声をかけて下さったメルカード・ポルトガルさん、心から感謝しております。ありがとうございます!そして、ここまで読んでくださった読者の皆さまにもお礼申し上げます。「いつも楽しみにしていますよ」と声をかけて頂けることがとても嬉しく、ポルトガルの今を紹介し続ける私の原動力になっています。これからもどうぞよろしくお願いします!
さて、節目の回はちょっとテーマに迷いました。
私の原点であるポルトガル北部を紹介するか、今年出会った新しい発見をご紹介するか…どちらが適しているだろうということで考えました。
出した答えは、「今年出会った新しい発見をご紹介する」です。
私がポルトガルと一緒に実現していきたいことは、まだまだ始まったばかりです。正直、原点回帰するにはちょっと早いかな、という気持ちになりました。
そこで本日は、今年初めて訪問した「マデイラ島」について紹介します。
「大西洋の真珠」と呼ばれるマデイラ島は、首都リスボンから南西約1000kmに位置します。どちらかというとアフリカ大陸に近く、モロッコ西方の大西洋に浮かんでいます。
この深い海の色、いかがでしょうか。私はこんなディープな青、生まれて初めて見た気がします。
長年マデイラ島で働いているポルト出身の友人は、「ポルトに戻ってくるのは嬉しいのだけど、やっぱりあの島が自分のことを呼んでいるんだ」と会うたびに言います。
今年、とても素敵なお仕事のご縁を頂き、マデイラ島に行くことができました。ずっと私の心の中に残っていた彼の言葉が、やっと理解できた気がします。
マデイラ空港の滑走路は以前とても短く、1964年には1,600mしかありませんでした。1986には200m延長されますが、それでも短く、2000年にさらに延長し現在の2,781 mになりました。この時採用されたのが、埋め立て方法ではなく、柱を海に立てて上に滑走路を造る方法でした。滑走路が、70mの柱180本で支えられているという世界的にも珍しい空港として知られています。
飛行機から見える風景もこの通り。
まるで海の上にいるよう。すぐそこが海です。
マデイラらしいカラフルな花も、町を彩ります。
琥珀色から黄金色のまるで宝石のように美しいワインです。
さて、「マデイラ」と聞くと「マデイラワイン」を思い出す方も多いのではないでしょうか。
ポルトガル人がマデイラ島を開拓し始めた15世紀には、すでにワイン生産が始まっていた!という、実はとても長い歴史を持つワインです。
今回マデイラを訪れて感じたのが食の豊かさ。
ワインをはじめ、海鮮や果物、穀物など目にも楽しい食べ物が多かったです。
お薦めは甘いマデイラバナナ!
市場では新鮮な魚がずらり。
レストランでは食材から選んで料理してもらえます。
こちらは、ボーロ・ド・カコ(bolo do caco)通称カコパンのサンド。
ボーロ・ド・カコとは、サツマイモを練りこんだマデイラ島伝統のパンです。本土ではなかなかお目にかかれないのですが、私はとても好きです。
さて、マデイラ島にも昔から職人が丁寧に作り上げる手仕事があります。
それがこちら、マデイラ刺繍です。