6月 ポルトガルのお祭り
6月は楽しいお祭りがたくさん!
ポルトガルの6月はあちらこちらで大事なお祭りが行われます。
代表的なお祭りとしては6/13(6/12前夜祭)のリスボンの聖アントニオ祭りと、6/24(6/23前夜祭)のポルトの聖ジョアン祭り。それから6/29のエヴォラの聖ペドロ祭り。それぞれお祭りの日はその街のお休みになっています。
このお祭り、名前からわかるように全てが聖人を讃えるお祭りです。
それと同時に夏至を喜び祝う意味があり、どのお祭りでも美味しい食べ物に音楽、ダンス、花火などが用意されとても活気があります。
リスボンの聖アントニオ祭りは、リスボンの守護神である聖アントニオを讃えています。また聖アントニオは恋愛の神としても親しまれています。実はこのお祭りでは、公募によりリスボン市から選ばれたカップルが集団で結婚式を挙げます。だいたい10組くらいの新郎新婦が、リスボン最古の教会で大勢の市民に見守られながら結婚します。とてもロマンチックですよね。日本で言う、縁結びの神様といった感じです。
そしてこのお祭りでは、可愛いマリモのような植物が愛の象徴として男性から女性へ贈られます。ポルトガルではマンジェリコと呼ばれるバジルです。カーネーションの飾りもリスボンらしく愛らしいですね。
ポルトガルの詩人であるフェルナンド・ペソアも、このマンジェリコについて詠っています。
(日本語は私の勝手な意訳です…)
Manjerico que te deram, バジルが君に贈られた
Amor que te querem dar… 本当は愛を届けたいのに
Recebeste o manjerico. 君はバジルを受け取った
O amor fica a esperar. だから、愛は未だ届かず
こんなロマンチックなリスボンの聖アントニオ祭りですが、その他にも各地区が披露し優勝を争うパレードが毎年行われます。更に別名「イワシ祭り」と呼ばれる程、たくさんのイワシが街中で焼かれますよ!
ポルトガル人と言えばビーチ。家族そろってまっすぐ向かっています。
歴史が長いポルトガルにはたくさんの伝説があります。(アーモンドの伝説はこちら)
私は伝説や歴史を知るのが好きなので、ポルトガル人からよく教えてもらうのですが、ナザレにもちゃんとありますよ!
それは1182年の9月14日まで遡ります。
ナザレより少し内地にあるポルト・デ・モシュ出身の貴族ドン・フアス・ロウピーニョ(D. Fuas Roupinho)は、この日霧の中で狩りをしていました。彼が狙いを定めていたのは鹿。
その鹿は深い霧の中へと走っていきます。逃すまいと追いかけるドン・フアス。
どんどんと追い詰めていき後もう一息!ということまで来たとき、彼はハッとしました。
大変だ!この先はもう崖!馬はすぐには止まれない!!
そう、彼は鹿に夢中のあまりナザレの崖まで来てしまっていました。
この崖、上の写真の奥に見える通り、海までの高さはなんと318メートルの断崖絶壁です。
崖から落ちかかっていた彼の目に、小さな洞穴に置かれた聖母マリア像が飛び込んできました。そして彼は必死に願ったのです。
ああ、マリア様!どうか私をお助け下さい!
すると不思議なことに奇跡的に馬の足が止まり、危機一髪、命を助けられたのです。
路地もカラフルに飾り付けされます
さて、リスボンの聖アントニオ祭りの後は、6/24にポルトで聖ジョアン祭りが行われます。
リスボン同様に前夜がとても盛り上がり、ポルトのシンボルであるドウロ川とルイス橋で盛大な花火が打ちあがります。
たくさんの人がドウロ川周辺に花火を見に集まります
ポルトにこんなにたくさんの人がいたの?!というくらいに街中人だらけになり、道は人でふさがります。ポルトでもイワシを食べ音楽をかけワイワイ楽しむのですが、リスボンとは違うちょっとユニークな習慣があります。
それがこれ、ピコピコハンマーです。
大きさも色々あります
みんな片手にピコピコハンマーを持ち、行き交う見知らぬ人にとにかくピコピコ!
もともとはニンニクで叩きあってたのがいつの間にかピコピコハンマーになったらしいです。
この日だけ、老若男女、見知らぬ人でも叩いてOKです。叩かれても嫌がらず楽しみましょう!
またキャンドルで風船を飛ばす伝統もあり、数人で協力しながら膨らまします。
紙でできた風船ですが最近は色々な形があり、飛ばすのが結構難しいです。
深夜にはたくさんの風船が空を舞い、幻想的な雰囲気になりますよ。
みんなでバランスを取りながら、少しずつ上げていきます
小さい白い光が風船です
6月はお祭りで大盛り上がりのポルトガル、いかがでしたか。
日本でも馴染みのあるお魚なので、「イワシ祭り」は日本でも流行るかもしれませんね。
ポルトガルでは1人5匹くらいぺろっと食べてしまいます。
体にも良いと言われるイワシ、みなさんもたくさん食べてポルトガルのお祭り気分を味わいましょう!
ではまた次回!