アーモンドの伝説

みなさん、Boa tarde! (ポルトガル語でこんにちは。ボア・タルデと読みます)
ずっと寒い日が続いていましたが、体調など崩されていないですか。
私は寒いのが苦手なので、温かい食べ物を食べて毎日過ごしています。
何をするにも健康が一番ですから、栄養のあるものを食べてしっかり寝るようにしています!

さて、この週末から関東では気温が上がってきました。
早咲きの桜はもう開花しているところがあるようです。
日本の春と言えば、桜!ですね。海外からわざわざこの時期に合わせて観光に来る人たちもいるほどです。
まるで約束したかのように一気に咲く桜は見ていて気持ちいいですが、
実は桜にそっくりな花がポルトガルにもあるのをみなさんご存知ですか。

それがこれ、アーモンドの花です。

アーモンドの花。ピンクと白で桜にそっくり。

桜よりは少し早い時期、2月末から3月中旬に満開になりとっても綺麗です。
ポルトガルではこのアーモンドの木がとてもたくさんあり、桜まつりならぬアーモンドの花まつりが開催されほどです。

でも、なぜアーモンドの木がポルトガルにはたくさんあるのでしょうか。
実はここにはとても素敵な伝説があるのです。

それは7世紀のこと。
ポルトガルの南部アルガルヴェ地方がまだイスラム支配下だったころ、当時の王様は北欧から美しいお姫様を王妃として迎え入れました。金髪で青い目を持つ王妃は、その美しさから多くの人に受け入れられ愛されました。また王様も王妃をとても大切にし、二人は幸せな新婚生活を送っていました。

しかし、しばらくすると王妃はだんだんとふさぎ込むようになりました。

王様が心配し理由を聞いても悲しそうに泣くばかり。そんな様子を見て、王様もとても悲しくなりどうすればいいのかわからなく途方に暮れていました。自分やアルガルヴェのことが嫌いになってしまったのではないか…そんなことを考える日が続きました。

そんなある日、王妃は王様にこう言いました。
「アルガルヴェは素敵なところですが、私は雪に囲まれて育ちました。だから雪がとても恋しいのです…」と。

これを聞いた王様は考えました。何日も何日も…そして思いついたのです。
「そうだ、アーモンドの木を辺り一面に植えよう!きっと花が咲いたら雪のように見えるに違いない!」

そして春が来たある日。

王妃が窓を開けると、そこには辺り一面に白い美しいアーモンドの花が広がっていました。これを見た王妃の顔にはすっかり笑顔が戻り、王様もとっても嬉しくなりました。
その後も王様はアーモンドの木を植え続け、二人はいつまでも幸せに暮しました。

ポルトガルのアーモンドの木

これが今アルガルヴェ地方を中心にポルトガルに多くのアーモンドの木がある理由と言われています。
心が温まる素敵なお話ですよね。

ポルトガルではアーモンドを使った料理やお菓子が豊富です。

私がレストランやカフェで見つけると必ず注文してしまうのが、アーモンドタルト。
カラメルと一緒にカリッと焼いたアーモンドがとっても美味しいですよ。

アーモンドタルト

レシピが気になる方はこちら(ポルトガル語のみです)

またアルガルヴェではアーモンドのリキュールも有名です。

アメンドア・アマルガ(Amêndoa amarga)と呼び、レモンとソーダで割って飲むことが多いです。ほのかにアーモンドの香りがして少し甘いので、とても飲みやすいですよ。最近ではモヒート風にお洒落に出してくれるバーもあります。

アーモンドリキュールはナッツやチーズともよく合います

アーモンドの花まつり。私はまだ行ったことがないので今年は是非行ってみようと思います。

次回はポルトガルからお伝えします。

ではまた次回!