ルーペの選び方

たくさんのルーペ製品の中から、自分が本当に必要としているルーペを探し出すのは難しいものです。「倍率」はなんか難しそうだし、「形や大きさ」も色々あるし、価格もピンキリ...。

では、ルーペを選ぶ時に何を念頭に置いておけば失敗しないでしょうか?

倍率?レンズ径?価格?

最初に結論をお伝えしますと「ルーペを使って何を見たいのか」。

つまり用途がはっきりしていれば「目的に適した使いやすいルーペ」を選ぶことが出来ます。

用途から探す
詳しくは「用途から探す」へ

用途さえはっきりすれば、その目的に適した倍率、ルーペ形状などは自然と定まってくるのです。

例えば、読書、スマホやPCを見たい時ならこんな感じ。

読書

読書スマホパソコンの閲覧

広い範囲を見ることができ、目が疲れにくいルーペが適している。(両手が使えるとなお良い。)

低倍率1.6~2倍くらい

視野の広さなら眼鏡タイプがダントツ
視野の広さなら、眼鏡タイプがダントツ

普通の老眼の方が読書や細かい作業の目的でルーペを探されている場合、適しているのは1.6倍〜2倍程度です。(おすすめは視野の広いメガネルーペ)

意外と低倍率で大丈夫なんですね!

え~?もっと倍率が高くないと、よく見えないんじゃないの?

いやいや、そこに大きな誤解があるんです!(出たな高倍率大好きマン...)

ルーペを選ぶ基本

  • 見えないと意味が無いので、見たいものが見える倍率を選ぶこと。
  • でもその見える中では、できるだけ小さく見える方が(ルーペの倍率が低い方が)視界が「明るい」「広い」などのメリットがある。
  • 倍率は低い方が良い。
  • しかし、見えないと意味が無いので仕方なく、倍率が1段階高い製品を選ぶ。
  • それでも駄目ならもう一段回高い倍率を選ぶ。
by.池田レンズ/専務

↑ここに気を付けていれば、そうそう大失敗することはないかと思います。

でもやっぱり倍率は高い方が良さそうな気がする!読書用に10倍のルーペを買ってみようかな!

...詳しい説明が必要そうですね...。

ここでは、そんな大失敗をしがちなルーペ初心者の方に向けて「倍率は低い方が良い」についてお話ししてみようと思います。また、「用途と倍率の関係」や「どんな形状のルーペが存在するのか(製品ジャンル)」についても一緒にご紹介できればと思います。

「良く見える」ってどういうこと?

近くが更に見えづらくなってきた
老眼で近くが更に見えづらくなってきた

どんな方でもルーペを必要とする最初の思いは一緒かと思います。

見えづらいなあ...ハッキリ見たいなあ。

とりあえず良く見える道具=ルーペ(虫眼鏡)がほしい!

でもちょっと待って下さい、「良く見える」ってどういうことだと思いますか?

とりあえず大きく見えたらいいんじゃない?とにかく倍率は高くないと!

はい、ここですね~。「高倍率」への誤解!

倍率が高すぎると、本を読むはずが一文字しか見えなかったり(10倍)、インクの染みの形を見ることになっちゃいます(25倍)。用途・目的に適した倍率以上では、ズームアップしすぎて全体像が把握できず、何を見ているのかすら分からなくなるのです。

▼ 3倍~12倍のイメージ(例:エッシェンバッハのワイドライトルーペ)
3倍~12倍の視野のイメージ
▼ついでに10倍と50倍の見え方比較。どこを拡大しているか分かりますか?
10倍と50倍の比較

そして倍率が高くなると、使う時の姿勢が難しくなり、見える範囲が狭くなり、レンズ径が小さくなり、レンズの厚みが増し、重たくなって...そうなんです、倍率が高いって、そんなに良い事じゃないのです

倍率が高い=扱いづらくなる一方てイメージですね。

だんだん姿勢がつらくな~る
倍率が高くなるにつれ、使う姿勢がツラくなっていく
▼ ルーペのルール(こうであればこうなるという関係性)
高倍率低倍率
レンズ径小さい大きい
レンズの厚み厚い薄い
重量重い軽い
焦点距離短い長い
ピントの合う範囲狭い広い
視界の広さ狭い広い
視界の明るさ暗い明るい
目への負担疲れやすい疲れにくい
適した用途鑑定用、検査用 読書用、作業用

...めんどくさいな~と思いましたか?

でも悲しいかなルーペは「光の屈折」を利用した道具でしかないので、作成可能な仕様には限界があります。「倍率が高く、レンズ径が大きく軽くて楽な姿勢で使える」ルーペは、つくることが出来ません。

径が大きく高倍率なレンズを作ろうとすると、歪みが大きくなりすぎ、レンズの中央部分の一部しかまともに見ることが出来なくなります。それに、ものすごい厚みになり重くなりすぎて実用的ではありません。仮にレンズを作ることができたとしてもルーペとしては役立たずになっちゃうんですよね。

ただし、デジタル製品になると話は変わってきます。(デジタル製品に内蔵されているレンズの限界はありますが) →電子ルーペについて

作ることが出来るレンズは決まってくる
作成途中の凸レンズ(弊社撮影)

ということで(ちょっと脱線しましたが)高倍率=良く見えるという事ではない、ということは分かっていただけましたでしょうか。

では改めて「良く見える」とはどういうことでしょう?何を基準にルーペを探せばよいのでしょうか?

ルーペには様々な種類と倍率のものがありますが、状況に応じた、その使用用途に合ったものでないと適切に見ることはできません。

全てのシーンで使えるすべての方に適したルーペはありませんが、使用する方の「使用用途」に対してうまくバランスのとれた既存の道具を選ぶことはできます。

必要な倍率は、用途や目の状態によって変わってきます。適材適所ですね。

「良く見えるルーペ」=「その人の目の状態や使用用途に適切であるルーペ」なんですね。

point

  • ルーペは基本的に倍率が高くなるほどレンズの径は小さくなり、視野は狭くなります。
  • 出来る限り倍率は低く視野の広いものを選ぶ方が目も疲れにくいです。
  • 対象物によって適正な倍率は変わりますが必要な倍率以上のルーペを選んでしまうと、かえって作業性が悪くなることがあります。

ルーペを選ぶ時はまず「用途」!

あなたは何をしたくて虫眼鏡を探していますか?
あなたは何をしたくて虫眼鏡を探していますか?

ということで、まずは【どういう用途に、どんな風に使いたいのか】をはっきりさせる。ここが大事です。

そこで!決めていただきたいのが、

1: なにを
何を見たいのか(対象物の大きさ・平面物なのか立体物なのか・動くものか静物なのか) ルーペの倍率・製品タイプの判別
2: だれが
どんな目の状態の使用者か(ただの老眼の方か、視力低下が気になってきている方か、強度の弱視の方かなど) ルーペの倍率・ライトの有無などの判別
3: いつ/どこで/どのように見たいのか
いつどこでどんな体勢で見たいのか(昼に野外で立ったまま見たい・屋内でじっくり座って見たい) ルーペの形状・ライトの有無などの判別

よく言う5W1Hってやつですね。このポイントが決まってくると、ある程度ルーペ選びの目途が立ちます。

いつどこで誰が何をしたいの?
いつどこで誰が何をしたいの?

逆に「用途」を隠した状態でルーペを選ぶことはできません。ルーペの選び方についてお問合せをいただく際に「10倍のルーペがほしい」など「●倍の」という観点だけでご連絡をいただくことがあるのですが、これでは失敗一直線です。慣れておられない方にとって、倍率から本当に欲しいルーペを探すことは難しいのです。

「10倍のルーペがほしい」 と聞いてまず思い浮かぶのは、宝石鑑定やお仕事での検品、ダーモスコープの道具として10倍程度必要なのかな~て所なのですが、実際のところ「読書用」として10倍のルーペを購入してしまい「全く見えない」と返品される方も結構いらっしゃいます...。

切手の検品とかお札のマイクロ文字を見るとかの用途なら10倍は適切ですが
切手の検品とかお札のマイクロ文字を見るとかの用途なら10倍は適切ですが、読書は無理です

「倍率が高い方が良いルーペ」と思い込んで選択されたかと思うのですが、老眼が進んできたから読書用にということだったら、10倍なんて適正倍率とかけ離れすぎていて使い物になりません。(通常2倍以下、弱視の方ではライト付5倍程度が適正です)

適切なルーペを選ぶには「何に使うために探しているのか」が分からないと全く意図から外れた所に行きついてしまうことがあるのです。

ということで、高倍率は別に良い事じゃないよ~用途に応じた倍率のルーペを選ぶことが大事だよ~という話をしつこくしてきたのですが...どうでしょう、高倍率への憧れを打ち砕くことは出来ましたか?

高倍率大好き問題はかなり根深いので入念にやっつけてみました。

ルーペに限らず双眼鏡や望遠鏡でも高倍率への誤解は大きいです。ご注意下さいね。

2倍・直径15cmのレンズで作業もラクラク
2倍・直径15cmのレンズで作業もラクラク

ほんとにね、低倍率は使いやすいです。目は痛くならないし腰も痛くならないし広い範囲が見えるし...出来得ることなら低倍率で済ませたい所です。でもまあ、低倍率では見えないものも沢山あるわけですが...。

ではでは、実際の「用途と倍率の関係」の話に移りたいと思います。低倍率の方が良い用途と、高倍率でないと見えないものがあるという話ですね。

用途に適した「倍率」

COIL社の倍率別ヘッドの大きさ比較
COIL社の倍率別ヘッドの大きさ比較。倍率が高いレンズほど小さくなっていきます。

やりたい用途に対して、どの位の倍率が必要なのか?実際に色々な倍率のルーペで確認・実感するのが一番ですが、なかなかそうもいきませんよね。ということで、知識として「おおよそ」の判断基準を仕入れてしまいましょう。

まずは、だいたいの「倍率の目安」をお伝えします。

ルーペを選ぶ時の倍率の目安

用途をおおまかに4つに分けて考えてみます。

case1:【読書・作業】

新聞、雑誌、譜面、地図など比較的大きなものを長時間見る時に。

一番使いやすい距離感ですね
一番ゆったりと使いやすい距離感(明視距離)です。

倍率

2倍以下

レンズサイズ

75mm(=7.5cm)以上

対象物からルーペまでの距離

約 10cm~15cm

↑作動距離※レンズの焦点距離とは異なります

ルーペから眼までの距離

約 25cm

人間にとって一番見やすい距離(明視の距離)

image
  • レンズサイズが大きいと広い範囲を見ることができます
  • 倍率が低い方が眼への負担が少なく、長時間使用するのに適しています。
  • 焦点距離も長く、ある程度幅があるので、さっとルーペをかざしただけで苦労なくピントが合い、楽な姿勢でご覧いただけます。
  • 軽度の老眼の方(老眼鏡で視力矯正をまかなえている方)はこちらの倍率で十分です。

case2:【解読・観察】

骨董品の鑑定や2mm程度の文字、キズ等の小さい物を見る時などに。

ちょっと顔を近づけないとピントが合いません
ちょっと顔を近づけないとピントが合いません。

倍率

3倍~4倍程度

レンズサイズ

45mm~65mm(=4.5cm~6.5cm)

対象物からルーペまでの距離 

約 5cm~10cm

↑作動距離※レンズの焦点距離とは異なります

ルーペから眼までの距離 

約 20cm

「思ったより短い」と感じるはず。ゆったりとは使えない。

image
  • 見る物が小さいため、少し高めの倍率が必要です。
  • 少しの時間でしたら倍率が高めでも眼への負担は少なくてすみます。長時間ご使用の場合は休憩をとりながらご使用下さい。
  • ピントが合う範囲が狭くなってくる倍率です。「目(顔)」と「ルーペ」と「対象物」の距離を意識して少し近づけないとピントが合いづらくなってきます。
  • 視力の衰えに自覚のある方は、ライト付きの4倍~5倍程度をお試し下さい。扱い辛くはなりますが、対象物を大きく見ることができるので文字の形が識別しやすくなる可能性が高いです。

case3:【検品・鑑定】

宝石鑑定や1mm以下の物など細かい物を見る時に。

お仕事用だと思ってください。
お仕事用だと思ってください。

倍率

10倍~20倍程度

レンズサイズ

10mm~30mm(=1cm~3cm)

対象物からルーペまでの距離 

約 1cm~3cm

↑作動距離※レンズの焦点距離とは異なります

ルーペから眼までの距離 

約 2cm~5cm

↑かなり短いため注意が必要。接眼に近い。

image
  • 完全に「見るだけ」(検査・検品)になります。肉眼では確認し辛いものを見ることが出来ますが、作業はできません。
  • 対象物がかなり小さいため、高倍率のルーペ(=レンズサイズが小さい)を必要とします。
  • 対象物にかなり目を近づけて片目で見ていただかないと、ピントが合わない+世界が反転して見えます。

※極度に目を悪くされている方でも、読書用に10倍のルーペは適しません。(1文字1文字見ていくことになります。)重度のロービジョンの方でもライト付の5倍~7倍程度が適正の場合が多いです。

5倍以上のルーペの使い方イメージ
5倍以上のルーペの使い方イメージ→詳しくはコチラで

case4:【研究・検査】

それ以下の極めて小さいものを見る場合は顕微鏡などをご使用下さい。

顕微鏡(マイクロスコープ)には持ち運びができる小型タイプ~据え置きの大型実体顕微鏡など用途に応じた色んな種類があります。

顕微鏡になると「接眼」です
顕微鏡になると「接眼」です。

倍率が低い方が、レンズが大きくピントの合う距離が長くなりピントの合う範囲も広いので、使いやすい・見やすいといった感想を持ちやすくなります。

反対に、倍率が高くなるにつれ、レンズが小さくピントの合う距離が短くなりピントの合う範囲も狭くシビアになるため、使いにくい・見にくいと感じることが多くなります。

人の目は約25cm先にあるものに無意識にピントを合わせるため(明視の距離)、基本的に人間にとって目からレンズまでの距離が25cmくらいでピントが合う「2倍以下」の倍率のルーペが一番使いやすく見やすいです。

と、ここまではルーペの守備範囲である20倍程度までの話しか出てきませんでした。では、それより高い倍率になると何が見えるのでしょうか?

専門外の話になってきますが、時々お問合せをいただくので簡単にまとめてみたいと思います。

何倍で何が見える?(適正倍率)

どのくらいの倍率があればいいの
どのくらいの倍率があれば見たいものが見えるのか

では、どのくらいの倍率でどの程度見えるか、そしてその倍率で見るためにはどんな道具が必要かを(適当に)表にしてみます。

1.25~2倍まで

通常の老眼の方に向けたルーペ

読書

読書(新聞・小説・雑誌など)に最適な倍率。作業用としても使いやすい。

特殊用途以外は大体ここら辺でOK。

2.5倍

細かい作業用ルーペ

作業

手芸・ネイル・エクステなどの細かい作業には必要になる場合も。

(メガネルーペ・スタンドルーペにしては高倍率)

3~4倍

特に細かい文字を読む用/学習用ルーペ

細かい文字

辞書や新聞の株式欄、パッケージ裏の成分表など特に細かい文字を読みたい時に便利な倍率。作業用としては作動距離が短く適しません。

お子様の野外学習用途にも適した倍率。

5倍

弱視用ルーペ/観察用ルーペ

昆虫

新聞の一番大きな見出しが読めない方はこの位の倍率がいいかもしれません。

野外での簡単な植物観察や昆虫の観察にも適した倍率。時計の修理用(キズミ)にもよく使われます。

7倍

弱視用ルーペ(高倍率)/検品・観察用ルーペ

植物観察

野外で植物・鉱物観察したい時に適した倍率。繊維業の方の簡易確認用にも。(10倍よりは広い範囲が見え視野も明るく使いやすい)

黄斑変性症で視野が極端に狭い方だとこの位の倍率を欲される方が多いように思います。(重度の弱視の方・目を手術された方)

10倍

鑑定・検品用ルーペ

宝石鑑定

宝石鑑定・製品検査などで使われる、一般的な検品用の倍率。

無理に文字を読もうとすると、本の文字を1文字ずつ読むたびにルーペを動かさないといけません。

10~20倍

鑑定・検品用ルーペ/ペン型スコープ/小型マイクロスコープ

お札のマイクロ文字(20倍)
お札のマイクロ文字(20倍)

より詳細な検査・観察用の倍率。液晶画面の検品だと15倍程度。

ここらへんからライトが欲しくなってきます。道具としての「ルーペ」の出番はここまでです。

25倍

ペン型スコープ/小型マイクロスコープ

網点
網点のイメージ

本の印字の網点確認に一般的に使われる倍率です。

30~40倍

小型マイクロスコープ/実体顕微鏡

塩の結晶(40倍)
塩の結晶(40倍)

精密な検査用の倍率です。詳細な繊維の確認や、じっくりとした昆虫の観察など。雪や塩の結晶、大き目の微生物などもここら辺から確認できます。これ以上はライトが必須。

40~100倍

小型マイクロスコープ/実体顕微鏡/生物顕微鏡

キュウリ(80倍)
キュウリ(80倍)

検査観察用の倍率です。葉の細胞や粘菌、ダミ・ノミなど1mm前後のものの全体像が見えます。

100~200倍

実体顕微鏡 / 生物顕微鏡

ミジンコ(150倍)
ミジンコ(150倍)

ミジンコなどの微生物の観察(種類によります)、ダニ・ノミ1mm前後のものの部位をクローズアップして見ることができます。

250倍

生物顕微鏡

砂

海岸の砂の一つ一つを判別できます。(鉱物、サンゴ、貝殻など)

※ロンドン大学の「ゲイリー・グリーンバーグ教授」で検索してみて下さい。一つ一つの砂がこんなに綺麗だとは!

400倍

生物顕微鏡

精子のイメージイラスト

精子の形がおたまじゃくしのように見えます。

600~1000倍

生物顕微鏡

スギ花粉(600倍)
スギ花粉(600倍)

カビや花粉、細菌、赤血球、乳酸菌など(5μm程度)を見る時に。

1000~1500倍

光学顕微鏡の限界。

珪藻の仲間(1000倍)
珪藻の仲間(1000倍)

虫歯菌や大腸菌(3μm)PM2.5(2.5μm以下)などを見る時。

研究職用の高額な生物顕微鏡/位相差顕微鏡の世界。(専門外です)

1500倍~100万倍ぐらい

電子顕微鏡/位相差顕微鏡の世界(専門外です)

DNA

ウイルス~DNA~原子などを見るには1億円以上の道具と専用スペース、専門知識が必要です。

※写真提供:誠文堂新光社「子供の科学」編集部 山村紳一郎 さん(Vixenの顕微鏡カタログより画像をお借りしました)

※同じ倍率でも製品によって見え味は変わってくるので「●倍でこう見える!」と断定は出来ません。性能と価格は比例関係にあります。

後半はほとんど専門外の顕微鏡で見えるものについてでしたが「まあこんな感じ」くらいの雑談として聞き流していただければ嬉しいです。ルーペスタジオの取扱いとしては1000倍程度まででしょうか。

例えば葉っぱを見るとして、葉っぱの葉脈の形を見たいのか気孔を見たいのか葉緑体を見たいのかで必要倍率は変わってきます。

見たいものがどのくらいの大きさでどういう風に見たいのかが分かれば、必要な倍率が分かります。逆に言うと、全体を見たいのかズームアップした部位を見たいのか?ということが曖昧だと、適切な倍率は判断できないのです。

用途に適した「形状」(製品ジャンル)

ルーペは色々ありますが
同じ倍率でも形はいろいろ

さて、倍率は決まったとして、同じ倍率でも色々な形状のルーペがありますよね。もちろん、そのひとつひとつの「形状=製品タイプ」には理由があります。

ルーペの製品タイプは「その用途にはどんな形でどんな機能があると便利なのか?」を考えた結果です。 大きい・小さい・重い・軽いは、用途によってプラスにもマイナスにもなりますから、使用目的に合った製品タイプを選ぶ必要があります。

ということで、まずは代表的なルーペの製品ジャンルをご紹介しましょう。

代表的なルーペの形状(製品ジャンル)

※参考:弊社池田レンズ工業のカタログ

老眼のフォローに

まずは、家庭で使いやすい、老眼のフォローに適した低倍率のルーペ製品群から。全てにおいて、ライト付きの方がどんな条件下でも見やすいのでおすすめです。

手持ちルーペ

手持ちルーペ

通常:2倍未満

「虫めがね」のイメージそのもの。凸レンズに持つための柄の部分がくっついた形状。読書に便利。

使用イメージ

倍率のバリエーション:0.4倍(縮小ルーペ)~12倍程度まで存在する

デスクルーペ

デスクルーペ

2倍~5倍程度まで

見たいものの上の置いた状態でピントが合うように作られたルーペ。文鎮(ペーパーウェイト)としても利用できる。

使用イメージ

ピント合わせが不要なため扱いやすい。上から垂直に覗いて使う。

手持ち+置き型ルーペ

手持ち+置き型ルーペ

通常:2倍未満

1.8倍~12倍程度まで

手で持っても、そのまま置いて上から覗くスタイルでも使える両用ルーペ。ライト付きのものが多いイメージ。

使用イメージ

ルーペを持ちあげにくい方におすすめ。

スタンドルーペ

スタンドルーペ

通常:2倍程度

2倍~5倍程度まで

凸レンズにスタンドをくっつけて両手を使えるようにした卓上作業用ルーペ。広い視野を確保しやすい。

使用イメージ

基本的に大型なので、LED照明がしっかり付けられているものも多く、スタンドライトとして併用できるものもある。(※写真はライトなしの製品)

双眼メガネルーペ

手持ちルーペ

通常:1.6倍

1.6~~2.3倍

凸レンズに眼鏡のフレームを付けて両手を使えるようにした作業用ルーペ。広い視野を確保でき、必要ない時にはレンズを跳ね上げることもできる。

使用イメージ

レンズを差し替えることで簡単に倍率変更ができる。読書には1.6倍。細かい処理なら2.5倍前後。

※類似ジャンルにライトや補助レンズ付きのヘッドルーペがあるが、そちらは大型で重さもあるので家庭用にはおすすめできない。

ポケットルーペ

ポケットルーペ

3倍~4倍程度

ポケットに入れて持ち運ぶことが出来る携帯用のルーペ。凸レンズを包むカバーが付いており、レンズを繰り出して使うものが多い。

使用イメージ

外出先で利用することを想定しているので、デザインがおしゃれだったりカバー部分のカラー・デザインが豊富なジャンル。

ペンダントルーペ

ペンダントルーペ

3倍~4倍程度

凸レンズをペンダントトップにしたアクセサリータイプのルーペ。いつも身に着けていられるようにデザインを凝らしたものが多い。

使用イメージ

レンズが1つのルーペタイプと、レンズが2つの手持ち老眼タイプに分かれる。

仕事での検品作業などに

仕事や趣味などでより細かいものを見る必要がある時に使用する用途特化ルーペ。主に検査・検品用。高倍率なので扱いにコツがいります。ライト付きでないものは、横からライトで光を入れてやると見やすくなります。

宝石用ルーペ

宝石用ルーペ

通常:10倍

8倍~20倍

レンズを何枚も貼り合わせて色収差を抑えた、鑑定・検品用ルーペ。立体物を検品したい時はこのルーペ。精度の高い見え味が特色。

使用イメージ

理由がない限り10倍がおすすめ。高価格にはなるが、鑑定用ならレンズ3枚を貼り合わせたトリプレット以上の仕様が望ましい。

スケールルーペ

スケールルーペ

通常:10倍

5倍~30倍(15倍以上はライト必須)

スケールが付いて大きさを測ることが出来る、検品用置き型ルーペ。対象物が平面であれば使える。

使用イメージ

バリエーションとしては30倍程度まであるが、30倍だと横から光を入れないと何も見えない。高倍率でスケール付のものならスケール付小型マイクロスコープの方が扱いやすい。

リネンテスター

リネンテスター

通常:6倍or7倍

4倍~9倍

繊維用の検品用ルーペ。対象物が平面であれば使える。レンズが一枚のシングルタイプと、歪み補正のためにレンズが2枚重ねてあるダブルレンズの2種類がある。

使用イメージ

6倍、7倍程度が持ち歩きもしやすく一般的。

ペン型スコープ

ペン型スコープ

通常:25倍

15倍~100倍

印刷物の検品用ルーペ。対象物が平面であれば使える。見たい場所に袴部分を突き立てて、前後に揺らしながらピントが合う位置を探して使う。

使用イメージ

網点確認なら25倍が基本。用途に応じて15倍、30倍、50倍などを選ぶ。(明るい場所で利用すること)

キズミ(時計見ルーペ)

キズミ

通常:5倍未満

2.5倍~25倍

目にはめ込んで使う精密作業用ルーペ。時計の修繕によく使われるため「時計見ルーペ」とも呼ばれる。両手を使うことができるルーペとしては一番高倍率だが、扱いも難しい。(日本人の骨格にはちと合いにくいのでホルダー利用がおすすめ)

使用イメージ

低倍率であれば低倍率であるほど視界が明るく広範囲が見えるため作業がしやすい。実際に作業用として利用できるのは5倍くらいまでかと。

※メーカーによってジャンル名が異なる場合があります。

ズラズラっと紹介してみましたが...分かりづらくて申し訳ないです...。

表よりは図の方が分かりやすいかなと思いまして、以下に倍率と用途と製品サイズを軸にした(ざっくりとした)「当店取扱い製品ジャンル分布図」も作成してみました。

ルーペのジャンル分布図

▼ ざっくりとした当店取扱い製品ジャンル分布図
倍率と用途と製品サイズを軸にした製品ジャンル分布図 リネンテスター リネンテスター 置き型・デスクルーペ 大型シートレンズ ポケットルーペ 縮小ルーペ 読書用ルーペ 眼鏡ルーペ ヘッドルーペ キズミ 高倍率スタンドルーペ カード顕微鏡 工業用マイクロスコープ デジタル顕微鏡 ペンスコープ スケールルーペ 宝石鑑定用ルーペ 携帯用マイクロスコープ 電子ルーペ 大型手持ちルーペ 高倍率手持ちルーペ 弱視用ルーペ ペンダントルーペ 観察用ルーペ スタンドルーペ 照明拡大鏡 工業用簡易検品ルーペ

※製品画像をクリックするとカテゴリーに飛びます。

ごちゃごちゃと見辛い図で申し訳ないのですが、とりあえずルーペ界(?)にどんな種類のルーペが存在するのか、全体のイメージを掴んでいただけましたら嬉しいです。

倍率と用途とレンズ径は関係しあっているので、何か一つ決まればその他の要素もある程度自動的に決まってしまいます...案外、自由のない世界なんですよね。

ただ、傾向があるということは、考え得る用途にはすでに専用の製品ジャンルが作られている ということでもあります。用途から製品ジャンルを絞ってしまって、最終的に倍率を選ぶ、という方法がルーペの選び方としてはスマートかもしれませんね。

まとめ

point

  1. 用途●●がしたい!
  2. 製品ジャンル を絞る
  3. 必要倍率 にあたりをつける

という順番で探すと「あなたの用途に合ったルーペ」を探しやすいかもしれません。

※どうしても困った時には、購入前に気軽にお問合せ下さいね。

というわけで、ルーペを選ぶ際に必要となる知識についてざっくりご案内してきました。「倍率が高い=良いルーペ」という事ではない ということだけでも印象に残して頂けましたら嬉しいです。

ルーペは色々ありますが
楽しんでルーペを選んでいただければ嬉しいです。

ウッカリ思い込みで読書用に高倍率ルーペを購入してしまう方、本当に多いんです...ご注意下さいね。

実際の製品選び・おすすめのルーペについては「用途から探す」をご覧下さい。

用途から探す」では価格の話(安価だけどこの目的なら必要十分、 鮮明に見るにはこの金額が必要など) も含め、かなり細かい話をしています。

(基本的に価格と性能は比例します。100円ショップでもルーペはありますが表記と実際の倍率が違ったり歪みがひどかったりします。ただ、目的によっては安いルーペでも必要十分な場合はあります)

なんだかんだと書き連ねてしまいましたが「へ~こんなのもあるんだなあ。面白いなあ。」と楽しみながらルーペを選んでいただければ、それに勝ることはありません。この読み物が、より良い道具選びの助けになりましたら嬉しいです。