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- 仕事に使う
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こちらでは「宝石・鉱物鑑定用、検品用」として開発された、ハイクオリティな見え味のルーペをご紹介いたします。「ダイアモンドルーペ」と呼ばれる方もいらっしゃいますが、当店ではジャンル名として「宝石用ルーペ」と呼んでいます。宝石の傷やカット、石のインクリュージョン(内包物)の確認には必須のアイテムです!
鑑定士の方、宝石屋さん、質屋さん、検査官の方や、はたまた地質学者さんなど専門職の方にご愛用いただいているホンモノの製品群です。ご自宅で鉱物をじっくり見たいというコアな方や、細かい美術品をマニアックに鑑賞されたい方などにもおすすめですよ。
分かりやすいように宝石用と銘を打っていますが、特に「宝石、鉱物の検品」などの用途に縛られる必要はありません。
「立体物に接触せずに高倍率で拡大して検査するための道具」ですので、他のシーンでも応用が利きます。(植物につく害虫観察用や電子回路基板の目視検査用として購入される方も多いです。)
※平面物を高倍率で確認する場合は、「印刷物の検品」でご紹介している置き型ルーペなどの接触型の方が扱いやすくオススメです。
お仕事などで「検査・検品」という言葉が出てきたら、このルーぺたちの出番です。倍率が高く専門性が高い=焦点距離が短い=扱いにクセのあるルーペたちではありますが、ひとつ持っていると世界が広がりますよ!
宝石、鉱物鑑定用ルーペを選ぶポイント
どんなルーペを選べばいい?
- したいこと宝石や鉱物などの検品・鑑定がしたい
- 小さい立体物を検品レベルで観察したい
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- 立体物を見るなら「手持ちタイプ」
- 検品に必要な倍率は「10倍」程度
- 色味にシビアな用途なので色収差の補正が必要
- ジャンル宝石鑑定用ルーペ というハイクオリティな見え味の製品群があります。
宝石鑑定用ルーペの倍率について
鑑定や検品の世界では、通常「10倍」での確認が主になります。
ダイアモンドの鑑定書のClarity(クラリティ=透明度=内包物・キズ等の量)も「10倍のルーペで確認した時の」という条件です。「10倍」は品質の評価基準になる倍率というイメージですね。
基本が10倍なら、もっと高い倍率のルーペならもっと良く見えるってことだよね!?
いやいやいや!ルーペの倍率が下手に高いと視野が狭く暗く、ピントの合う距離もシビアになって目も疲れて...要するに見づらいわ扱いづらいわの初心者の方にとっては最悪の選択になってしまいます。(→決して高倍率が良く見えるという訳ではない話)
10倍より大きい倍率は、見え方も使い方もプロ用とお考え下さいね。それに、下手に高倍率で見ることで、見えなくても良い傷が見えすぎて「検品」ではなく「粗探し」のようになってしまうこともあります。
正直、プロの方が見るにしても、10倍程度が宝石の全体像が確認できるので一番見やすくて分かりやすい!「初めて買う宝石用ルーペ」なら間違いなく10倍で決まりです。
もちろん「18倍」「20倍」でないと見えないもの(鉱物の内包物やクラック、不純物、ハート&アローの確認など)がありますので、そこは用途次第です。検品用途ではない確認・検査などで「10倍では見えづらい、物足りない」場合にのみ(扱い辛くはなりますが)更に高倍率のルーペが必要になります。
※20倍以上の倍率になると、ルーペよりは実体顕微鏡の出番です。宝石ラボ(GIAなど)には石の原子組成や光学的特徴を分析するための顕微鏡や屈折計など凄まじい機材が存在するそうですヨ。
高倍率になると視界の明るさが絶対的に足りなくなりますので、そんな時は横から光を差し込める小型のライト(100均のでも場合によれば必要十分)があると便利です。最近ではライト付きの宝石用ルーペも存在します。異物やキズの確認では、光があると重宝しますよ。暗いと気付かない細かい部分まで確認できて、何かあるとキラッと光ってくれるのでイレギュラーを見つけやすくなります。
point
- 通常は「検品」には「10倍」のルーペ。
- それ以上は扱い辛さが出てくるため、必要でない限りおすすめしない。
- 光をどう確保するかが大事。
宝石用ルーペの使い方
さて、宝石鑑定用のルーペは何と言っても高倍率なのでピント合わせがシビアです。おおよその「目とルーペと対象物」の距離感を画像で確認してみましょう。
- 10倍のルーペの使用イメージ
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10倍でこのくらいのイメージ。
- 14倍のルーペの使用イメージ
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10倍では見えづらいものをご覧になられる時に。(鑑定や検品では10倍が基準です)倍率が高い分、視野が狭く+暗くなり扱いづらくなりますが、ズームアップの威力を感じられます。
- 18倍のルーペの使用イメージ
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かなりズームアップしないといけない場合に使う18倍のルーペの使用イメージです。10倍のイメージで普通に手で持つと手ブレを感じるので、ルーペを持つ手と対象物を持つ手をひっつける、などのブレ防止+スムーズなピント合わせのための工夫が必要になってきます。
【1】利き手でルーペを持ち、レンズをギリギリまで目に近付ける。(まつげがくっつかない程度)
【2】もう片方の手で「見たいもの」を持ち、ルーペから1cm位(おおよそ)まで近付ける。
【3】目とルーペは固定したまま(手暗がりにならないように)顔は起こした状態で「見たいもの」の方をルーペにゆっくりゆっくり近づけたり遠ざけたりを繰り返してピントの合う距離を探しだす。
↑手順としてはこんな感じでしょうか。他にポイントとしては、腕や指が震えないように左右で触れ合わせたり、肘を机に置いたりと、なんらかの手ブレ対策をすると万全です。
長時間ルーペを使う場合は(片目だと疲れやすいので)両目とも開けて見た方が良い、とも聞きますが、お仕事で扱う方以外はあまり気にしなくて良いかと思いますヨ。
宝石用ルーペの仕様でチェックすべきところは?
宝石用ルーペは価格も張るので、実際に手に取って見え味に納得した上で選ぶのが一番です。しかし、なかなか実店舗で置いている所がないため、ネットショップでスペック表とにらめっこして決めざるを得ない方も多いかと思います。
ここでは、ネットで買い物をする時に読まざるを得ない「スペック表の項目」についてお話します。初見の方だと、読んだだけでは意味が分からない項目が多いんですよね...。
宝石用ルーペのチェックポイント
- まずは倍率
- レンズ構成...「色(収差)」に関係
- 枠の塗装...「映り込み」に関係
- レンズ径...「明るさ(集光力)・視野の広さ」に直結
さて、先程お伝えしたとおり、倍率に関しては特殊な用途以外は「10倍」がおすすめなのですが、ルーペを選ぶ際に、他に「レンズ構成」「枠の塗装の有無」「レンズ径」という見逃せない要素があります。
いずれも見え味につながる大事な要素なのですが、見やすいように工夫を重ねている製品ほど手間と高級な材料が必要になっていますので価格が高くなっていくんですよね...。予算を念頭においた上で、仕様の取捨選択をしていく必要があります。
それぞれのポイントについて、以下にザックリとお伝えします。
宝石用ルーペの「レンズ構成」
宝石用ルーペはレンズ構成の違いで見え方の違いが顕著にでてきます。
「レンズ構成」というのは、複数のレンズをどう配置しているか、ということ。宝石用ルーペは、レンズを複数枚貼り合わせることで「軸上色収差(見えにくさ)」を修正し見え味を追求しています。貼り合わせの数が多いレンズの方がより厳密に修正を行っており、見え方がシャープでクリアになります。(手を加えているということは、そのぶん高額にってことにもなりますね)
(軸上)色収差とはなんぞやというお話しをしておきますね。
無色や白色に思える太陽の光は、実はたくさんの色が集まって出来ています。太陽光がプリズムを通過すると、光は虹のように7色(紫・藍・青・緑・黄・橙・赤)の光の帯(スペクトル)に分散してしまいます。 レンズを通した光の曲がり方は光の波長により異なるため、一点には集まりません。つまり、色ごとに焦点の位置が異なって「色ズレ」が起こってしまうんです。
「青」は「赤」よりも屈折の幅が大きく、「赤」よりも手前に焦点が来るため放っておくとそのまま色ズレが起きます。(言っても赤と青の焦点距離の差は焦点距離の2%ほどなんですけどね)
「色ずれ」=色ごとに違う位置でピントが合うので、全ての色を合わせて全体を見ようとするとぼやけて見えしまい、普通の一枚のレンズでは(鑑定用ルーペに求められる)クリアな見え味になりません。
そのため、凸レンズ(「赤」の屈折小「青」の屈折大)と凹レンズ(「赤」の屈折大「青」の屈折小)を組み合わせてこれを修正する...というのが、レンズ構成による「(軸上)色収差」の補正です。
主なレンズ構成の種類をご紹介いたします。(軸上色収差対策)
- アクロマートレンズ
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屈折率の違うガラスレンズ(凸レンズと凹レンズ)を2枚貼り合わせて、焦点が一点に集まるように補正されたレンズです。
凸レンズ+凹レンズ=アクロマート(2枚貼合せ/凸凹)
- トリプレットレンズ
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アクロマートレンズよりもさらに補正をかける為に3枚のレンズを貼り合わせたレンズです。 宝石鑑定にはこのレンズをお薦めします。
アクロマート(2枚貼合せ/凸凹)+他のレンズ(1枚/凹)=トリプレット(3枚貼合せ/凹凸凹)
- ファイブホールドレンズ
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2枚のレンズを貼合わせたアクロマートレンズと3枚のレンズを貼合わせたトリプレットレンズを使ったレンズです。アクロマートレンズやトリプレットレンズ以上に色収差を補正します。 焦点を密に合わせないといけない「18倍」以上のルーペなどで採用されています。
アクロマート(2枚貼合せ/凸凹)+トリプレット(3枚貼合せ/凹凸凹)=ファイブホールド(5枚貼合せ/凹凸凹凸凹)
レンズ枠の塗装について
宝石を見る際、レンズ枠がシルバー(塗装なし)だと、レンズから宝石を覗いた時にレンズ枠の丸いリングの映りこみが気になったり、反射光が目に入りコントラストがおかしく見える場合が多くあります。
その映り込みや反射を防ぐため、レンズの枠~ボディ自体を黒く塗装します。
見え味を追求している製品は、基本的にレンズ周りは黒くしているはずです。ただ、塗装している=手をかけているぶん製品価格にも塗装分の上乗せがあるため、コストと見え味のバランスに苦労している価格帯の製品には未塗装のものも多いです。
レンズ径
レンズ径は、明るさ・視野の広さに関係します。レンズが大きければ大きいほど、たくさんの光を通すことができ、明るく見えます。また、見える範囲が大きい方がどこを見ているか分かりやすくなります。
※倍率が高くなるほどレンズ径は小さくなり、視野が暗くなります。
同じ倍率であれば、出来るだけ大きなレンズ径のものを選んだ方が良いことづくめで後悔しません。(10倍で20.5mmくらいが最大)しかし、レンズの大きさは価格と重さに直結します。同じ倍率のルーペでも安いものほどレンズ径が小さく、視界が暗く見え味の満足度が低い...という現実があります。ただ、重さを考えると小さ目のレンズの方が軽いので持ち歩きしやすいとも言えます。
うん、どうにもお金の話になる項目が多かったですね。良い仕様はお金がかかる。当たり前と言えば当たり前なのですが、宝石用ルーペのように「正確さ」「鋭い見え味」を欲するジャンルだと顕著に現れます。なんだか悔しいですが手を加える分、材料代と手間がかかってるんだな~とご納得いただければ嬉しいです...。
おすすめの鑑定用ルーペ
ここからは、実際のお客様からのお声を元に、おすすめの宝石鑑定用ルーペをご紹介いたします。予算別というわけではないのですが、結局はそんな感じの分け方になってしまいました...。
基本的に、お仕事で使われるなら色収差が施されている「トリプレット」以上のレンズ仕様のものがおすすめですヨ。
宝石鑑定の定番を教えて
仕事で検品用のルーペが必要なんですが、よく分からなくて。とりあえずの「定番」を教えて下さい。
「定番」で思い出すのは、当店の母体である池田レンズ工業(I.L.K.)の「メタルホルダールーペ」シリーズ10倍の「7010」です。性能と価格のバランスがとれており、とりあえず「仕事で使うひとつ目のルーペ」として手にとって頂く機会が多いイメージの製品です。
数ある宝石用ルーペの中でも、大手リサイクルショップ・質屋さんからスタッフに用意する仕事道具として定期的にご注文をいただいている品番です。
トリプレットレンズ仕様で色収差の対策がされており、ケース付きです。検品仕事の良き相棒となってくれる安定した製品です。
ただ、仕様的に「一級品」という訳ではありません。枠部分が黒く塗装されておらず、レンズ径も(小さくはありませんが)最大ではありません。シビアな鑑定が求められる場合には力及ばない可能性があります。
オールマイティな働きが出来るコスパの良い製品ですので、とりあえず便利に使える「一個目」にいかがでしょうか?
ライト付きの鑑定用ルーペ
ライト付きの鑑定用ルーペが気になっています。仕事で使いたいので、ちゃんとしたレンズが入っていてなおかつライト付のものを探しているんですが...。
高倍率のルーペを扱う時に最も気になるのは「視界の暗さ」ですよね。そこをカバーすべく、ここ最近目立ってきたのが「ライト付きルーペ」です。ここ10年くらいでのルーペ界の動向で一番大きかったのはLEDライトを気軽に仕様に入れられるようになったという所かと思います。
ただ、市場に溢れるライト付きルーペは「アイデア商品」枠から発展したようなイメージがあり、かつてはあまり良いレンズが入っていないものも多く...「ライト付き」って昔はプロ用のレンズ重視のルーペの中では飛び道具っぽいイメージが強かったように思います。が、近頃では有名レンズメーカーからもライト付き製品がどんどん出てきていますし、ライト付きを選択肢に入れる時期がとうとうやってきました!
ということで「ライト付きで良いレンズが入ったルーペ」をお探しの方に吉報!当店の母体となる池田レンズ(I.L.K.)より待望の新商品「7016l」が登場しました。
レンズの品質が良く(色収差を抑えるトリプレットレンズ仕様です)、レンズ径も大きく(直径20.5mm)、大変見やすいルーペです。
先ほどの「7010」と比べてレンズ径は約1.26倍!やっぱりレンズ径が大きいと、広く明るく見えて使い勝手が良いんですよね。更にトリプレット仕様+レンズ周りが塗装されていますので、色収差や映り込みの対策が必要な宝石関係のお仕事にもご愛用いただけます。その上、ライトが付くと見え方が全然違う!!細かいところまでしっかり見える!!!ということで、今の自社製品の中ではイチオシです。
同じレンズ仕様(レンズサイズ20.5mm+トリプレット)でライトが必要ない方には「7015」、ライト付でもう少しお手頃価格のものとなると「w-led10」が存在します。
↑この2つの品番の良い所をドッキングさせた新製品が「7016l」というイメージですね。価格が気になる所ではありますが、ライト付でこのレンズ径は他に見かけませんので、是非お手に取ってみて下さいね。
プロに愛されているハイブランド品
公の機関で使われているルーペが知りたいです。他にもプロに好まれているブランド品がありましたら教えて下さい。
宝石ルーペ界で世界的に名を知られているハイブランドといえば、まずは「Bausch&Lomb(ボシュロム)」でしょうか。「Bausch&Lomb(ボシュロム)」といえばコンタクトレンズやRay-Banブランドのイメージが強いですが、高品質な光学ガラス製造技術を持つメーカーとして、さまざまなレンズ製品を製造しています。
ボシュロムの宝石鑑定用ルーペはシャープで鮮明な見え味に定評があり、世界最高峰の宝石ラボ、米国宝石学会(GIA)で使われています。レンズの端のほうで見ても歪みが少ない逸品ですよ。
ただ、レンズ径は前述の「7015」「7016l」の20.5mmより小さく(=見える範囲が小さい)、ボディ全体としても当店取扱い製品の中でも小さ目。レンズ性能は折り紙付きなのですが、そこら辺で好みは分かれます。
他に有名ブランドで思い浮かぶのは、日本を代表する光学メーカー「NIKON(ニコン)」の「宝石鑑定用ルーペ 10x」です。歴戦の鑑定士さんから愛用されておりコスパにも定評がありますよ。
また、同じく日本製のものだとcr-eg-086も見え味にキレがある(解像力が67本/mm以上ということで、スペック上はニコン=63本/mm以上の解像度ということになります)と評判です。
10倍より大きい倍率が必要
VVSクラスのダイヤのグレード推定に使用したくて...インクリュージョン(不純物)の確認のために、10倍よりも高い倍率の鑑定用手持ちルーペが必要なんですが、どれがオススメですか?
ダイアモンドは地球奥深くの熱と圧で形成されるので、内部と外部の両方に特徴的な傷や不純物を内包しているのが普通です。プロの方が選定のために詳しく見るには、どうしても製品検品で見る際の「10倍」よりも高い倍率が必要になります。
10倍以上の宝石検品用としては、12倍、14倍、16倍、18倍、20倍 が用意されています。
※20倍以上は「手持ちルーペ」としてはピント調節や視界の暗さに無理がありすぎて道具として成立しないので、「実体顕微鏡」などを持ち出す必要があります。
ただ「20倍」については存在こそしますがあまりにも扱いづらいですので、実質的に手持ち鑑定用ルーペとしての最高倍率は「18倍」かなと思います。
ここでは「18倍」でおすすめのルーペ、池田レンズ工業(I.L.K.)「7013」をご紹介いたします。
高倍率になるほど気になる色収差を丁寧に補正した「ファイブホールド」レンズ。枠は黒塗装、レンズサイズは17mm。仕事に使える鑑定用の「18倍」として丁寧に作られた製品です。
※同じスペックで枠塗装していないものに「7011」があります。
レビューを拝見していると、ダイアモンドの査定・電子部品のフィールドトラブルの解析...など各方面で威力を発揮しているようです。
注意点としては、かなりシビアな焦点距離になり扱いが非常に難しいこと。10倍のイメージで普通に手で持つと手ブレを感じるので、ルーペを持つ手と対象物を持つ手をひっつける、などのブレ防止+スムーズなピント合わせのための工夫が必要になってきます。
この製品が必要になるシチュエーションといい扱い方といい、全てにおいてプロの方向けというイメージです。
一番簡単(安価)な宝石用ルーペは?
好奇心で手持ちのアクセを見てみたいだけだから、高いモノはいらないんだけど
※2020年10月更新
すみません、実は今までご紹介させていただいていた製品が廃番になりまして...まさかこんなことになるとは。
さて代打としてご紹介できる「プチプライス」担当を探したのですが、宝石用ルーペとして謳っている製品の中では上手く見つけられず...。で、ちょっとジャンルは変わるのですが「プチプラ(千円未満)」で「案外見れる」ものとなると「rx-15s」なんてどうかなと。
キーホルダー付きで小指サイズのかわいいルーペなんですが、意外に使える!コスパ的にかなり満足度が高い製品です。
専門的に見る必要はないけど、刻印や大きなキズがないかの確認くらいはしたい。お子様とちょっと色々覗いて楽しんでみたい。そんな方におすすめです。
注意点としては、「ペン型ルーペ」なので対象物にペン先を引っ付ける必要があり、扱い方にコツが要ります。
アクリルの尖っている所を見たい所に垂直に当てて、ぐーらぐーら少しずつ前後に揺らしながらピントの合う傾きを探します。→ペン型ルーペについて詳しくは「印刷物の確認」の単元で。
高倍率ルーペ全般に言えることですが、光がないと暗くてよく見えませんので、明るい所で(出来ればライトで照らすとなお良し)ご覧下さい。
ええとですね、正直ペン型ルーペなんで、基本「平面物(印刷物や液晶画面)の検品用」です。しかし貴金属の刻印を見たりアクセサリー内の小型の宝石を見るくらいなら必要十分かと。君ならできる!
さて見え味ですが、ジャンルからして違う製品なので、色収差の修正という概念からして存在していません。というわけで石を見るお仕事用としては適しません。(でも液晶画面の検品用としては長年プロにご愛用いただいています。適材適所。)
しかし、実際15倍の高倍率ですので、指輪の内側のイニシャルや刻印、ダイヤの内包物も見えます。ええ、見えるんですよ。ちょっと興味があるけれど専門的なものは高いし...という方に、楽しみのために見る範囲ではかなりオススメ!
何しろこのプチプライスですので、気軽にお手にとっていただけるのが一番の売りです。お子様へ贈るミクロの世界への導入アイテムとしてはイチオシ!石に限らずミクロの世界の一端を覗いて見て下さい。(実を言うと平面物の方が得意なので、お札のミクロ文字とかお子様と一緒に探してみて下さい。良い暇つぶしになるかと。)アクセサリーを多数お持ちの女性へのプチギフトとしても一味違って面白いかと思います。
おわりに
宝石・鉱物の鑑定などで使われる検品用のルーペについて気を付けるべきは以下の3つ。
point
- 倍率(基本は10倍/それ以上の倍率のルーペもあるが扱いづらい)
- レンズ構成(どこまで見え味が必要か/プロならトリプレット以上)
- 価格!!
ルーペを必要とされる用途とご予算(このジャンルはほんとに価格で差が出ます)に合わせて、ご選択・ご判断下さいね。
肉眼で見てももちろん綺麗な宝石や鉱物ですが、拡大率を上げて覗くと今までとはガラリと異なる魅力的な世界が広がります。ルーペを通すと、肉眼では気付かなかったインクリュージョン(内包物)を見つけたりクラスターの濃淡と透明性に心を奪われたり...奥深い「石」の本質的な姿を見ることができます。
是非、お気に入りのルーペで石の中の綺麗で不思議な世界を味わってみて下さいね!