本当の醤油を求めて。あんたんとこの醤油やないとあかんねん。高橋醤油 6代目 高橋伸弥さん本当の醤油を求めて。あんたんとこの醤油やないとあかんねん。高橋醤油 6代目 高橋伸弥さん

兵庫県加西市で創業100年以上続く、老舗醤油店「高橋醤油」
たくさんの方に長く愛される醤油店だが、その裏側では、醤油の蔵が火災にあったり、醤油の消費量も年々減っていったりと創業から今に至るまでにたくさんの苦悩があった。それでも続ける理由を6代目高橋伸弥さんにお話をお伺いしました。
ご先祖様に感謝

創業当時から現在6代目までどのように
引き継がれてきたのですか。

6代目の伸弥さんは、3兄弟の真ん中で当初高橋醤油を継ぐつもりもなく公務員になろうと思った時もあったという。しかし、継ぎたいと強く決心したのはご先祖様への感謝だった。

「今自分がここにいるのは、ご先祖様が命を繋いできてくれたおかげ。病気をきっかけに考えるようになりました。地域の皆さんがお醤油を使ってくれて、それで家族がご飯を食べられて、命を繋いできて、そして今ここに自分がいると思いました。ここに感謝を返さなあかんと思って、醤油屋を継ごうと決めました。」

高橋醤油 6代目 高橋伸弥さん

醸造所 醸造所

あんたんとこの
醤油やないと
あかんねん。

「醤油」を作り続ける理由は?

「昔ながらの手作りのお醤油はないんか?」
麴蓋で発酵させて、天秤搾り機で搾る、昔ながらの手作り醤油が全国的にも少なくなっている。 そんな中、お客様からそういうお声をいただいたという。 (手作りならではの人肌と、地の大豆や小麦を使うことで、地の風土を醤油に込めることができるはず) そう思い5代目高橋利彰さん6代目伸弥さんは、周りのお醤油屋さんに協力してもらいながら形にしていった。 それが”五つ星ひょうご”に選ばれた「古式しょうゆ」(古式三年しょうゆ / 古式丸大豆しょうゆ)だ。 醤油業界も機械化が進むなか、お客様からの声に耳を傾け、醤油文化を繋いでいきたいという思いを込めた醤油だが、こんなにもお客様の声を大切にしている理由とは、

「あんたんとこの醤油やないとあかんねん。助かるわー。」

言葉にできないほどの嬉しさがあった。 6代目伸弥さんは、醤油醸造からお客様の手元に届くまでどの過程も大事だが、醤油を使ってくれたお客様のお声を何よりも大切にしていこうと心に決めた。お客様がお店に来てくれた時や配達に行く時は、積極的にお客様に話しかけているという。
「店舗や配達先で実際に対面でお声を聞いて、ネットでも直接聞けないけどレビューやコメントもいただけていて、私たちに届くお声を励みにすることで良い物作りができていると感じています。」

高橋醤油を求めるお客様がいる限り

高橋醤油を求める
お客様がいる限り

今後について教えてください。

「高橋さんのお醤油やないとあかんねん」という人がいる限り醤油と向き合って、醤油を届ける。ただそれだけを思っています。その人がいなくなったら、商売を辞めて違う仕事をしたほうがいいと思うくらい。醤油屋を継ごうと決めたときの自分を忘れたらあかん。求められる人がいる以上、常に醤油を準備しとかなあかん。

高橋醤油 6代目 高橋伸弥さん高橋醤油 6代目 高橋伸弥さん

6代目伸弥さんは、食育のためYouTubeに動画を上げているという。”小学生向けの食育の教材がない”と相談を受けたことがきっかけだった。 コロナ前は、地域の小学生が古式しょうゆの蔵見学に来てくれていたが、コロナ禍ではできなくなってしまった。

「どうやったら子どもたちの食育の一助を担えるのか」

そう考えた時に出てきたアイディアが場所や時間を問わず見ることができるYouTubeである。 ”五つ星ひょうご”に選ばれた「古式しょうゆ」が出来上がるまでをまとめた『古来の製法で醤油ができるまでの道のり』と題した動画を投稿すると、最初は食育目的だったが、全国の方に見ていただき、たくさんのお声が届いている。

「日本の伝統を守ってくださって、本当にありがとうございます。」
たくさんの方に長く愛される醤油をぜひお試しください。

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