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TAKAのボルドー便り


■TAKAのボルドー便り■

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61.外国からの実習生

2005年きいろ香は如何でしたでしょうか?青い鳥が幸せを運んできましたか?
私もここボルドーで昨年同様、きいろの命日に最初に開けました。勿論あり合わせの食材で和食風にして楽しみました。

例えばこれ、塩サバのグリエと白アスパラガス、オリーブ風味とでもいいましょうか?
微細なアスパラガスをきいろ香が引き立ててくれるようです。

でも、異国で飲むきいろ香は良い事ばかりではありません。単なる日本の珍しい地酒としてではなくインターナショナルな品質を求めるのであれば、まだまだ複雑性とボディーに欠けています。未来のきいろ香に思いを馳せながら、そしてその成長を願いながらきいろ香を楽しんでいます。

さて、今日は私のところに迷い込んだ?二人の実習生のお話です。
左の日本の方はメルシャンからきいろ香についての基礎研究の為に来仏された、小林弘憲研究員です。そして右はニュージーランドのオークランド大学とボルドー大学とのソーヴィニヨンブランについての共同研究の一貫として、私のチオールの分析法を学びにきたフランク君です。彼はドイツ人ですが、オークランド大学で博士号を準備している1年目の学生です。

小林氏は今回3回目の来仏で、研究室の他の学生さんともすでに仲良しです。
5月の連休を利用して来仏された奥様とも久しぶりに再会されて、みんなで学部近くのビストロで食事です。ビール!で乾杯!

彼の仕事はきいろ香の成分分析と、より良いきいろ香醸造の為の基礎研究です。

かたやフランク君はニュージーランドソーヴィニヨンからのアロマの分析です。
彼がその目的の為に持参したワインはなかなかのもので、特に右のワイローリヴァーでは白いグアヴァフルーツの香りが炸裂するような、極めて個性的な香りをもったワインです。

このワインからチオール化合物を抽出してガスクロマトグラフィーで分析すると・・・、
こんなにピークがでます。
これひとつひとつがチオール化合物です。
そしてこれら一つ一つのピークについて、香りを持っているのか?持っているとすればそれはどんな香りか?を嗅覚でチェックしていきます。
そしてターゲットがみえてきたらまた別な分析器でどんな化合物かを推測します。

けれどもそれは容易なことではありません。とても強く香るのですが、ピークの位置と香りが一致しない場合がほとんどです。でも彼は3ヶ月間のボルドー滞在ですので、気長に腕を磨いてもらえればいいと思っています。

フランク君の基礎研究はニュージーランドのソーヴィニヨン、特にマールボロ地区のそれが何故強いトロピカルフルーツの香りがするのかについての一つの答えを導きだしました。それは皆さんすでにきいろ香でご存知の3−メルカプトヘキサノールに起因します。
例えばこのワイローリヴァーのソーヴィニヨン中にはこのチオールが6000ng/Lもあります。因みにきいろ香は600ng/L, 良年のフロリデンヌでさえ3000ng/Lを超える事はありません。

しかしここで声を大にして申し上げたいのは、数字の大きさが問題ではない、ということです。3−メルカプトヘキサノールはそれぞれの濃度で、それぞれ違った形で各々のワインの個性を引き出しています。このチオールが多いワイローリヴァーでは他のチオールも多く、そこで微妙にバランスしています。

もし、きいろ香にこのチオールをワイローリヴァーと同じ濃度で人為的に加えたとしても、それは良い香りを示すとは思えません。きいろ香が自分の力でこのチオールをゲットできるお手伝いを私達はしているだけにすぎません。
Taka
 

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