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コラム
TAKAのボルドー便り


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18.デブルバージュ

ボルドーは冷夏だった為か、白品種の収穫は一週間ほど遅れて9月の10日頃に始まりました。デュブルデュー教授のシャトー・レイノンでもいつもとかわらない収穫風景がみられます。
今回から6回にわたって「2001年収穫期ポートレート」として現場の詳しい話をご紹介します。


世の中ではいろいろ痛ましい事件が起こっていますが、葡萄達はそれらを知るすべもなく無邪気に熟成しています。私は時としてこの無邪気さに翻弄されてしまいます。
2001年収穫期のポート・レート第一弾は、昨年も少しご紹介したデブルバージュです。より詳細がおわかり頂けると思います。
スキン・コンタクトを終えた葡萄は圧搾されます。その時、果汁は主に果肉の小さな断片のためにかなり濁っています。しかし香りがクリーンなワインを得るためにはこれをこのまま醗酵させるわけにはいきません。或る程度濁りを除いた果汁を必要とします。これがデブルバージュ(清澄化)と呼ばれる作業です。

フロリデンヌの葡萄を醸造学部で圧搾した果汁です。既に一晩低温で静置しているので底にわずかに果肉の断片(ブルブ)が沈澱しています。
   濁りの具合は濁度計で測ります。
病気のない葡萄房から得た果汁ではデブルバージュは容易です。
しかしヴィンテージによってはなかなか望み通りの濁りになってくれない事があります。そんな時は清澄化酵素を添加します。
どうです、1日たてばこんなに澄んだ果汁が得られるのです。もっとも実際の醸造現場ではこんなに清澄化する必要はありません。こんな果汁を使うとかえって醗酵が途中で停止したりしてしまいます。

     では醸造現場でのデブルバージュ作業をみてみましょう。

半日から一晩の間、静置しておいた果汁の上澄みをとるところです。
最初は簡単、ホースを括り付けておいて吸引します。 液面が底近くになると油断できません。 もう少しかな。
ブルブに到達した瞬間ホースを引き上げます。 あとに残ったブルブです。
より濁っています。
デブルバージュ第一段階の終了です。
この上清はまだ強い濁りなので、第二番目のデブルバージュを行うために横長のステンレス・タンクに貯蔵されます。
早く沈澱させる為の横長という形状、ということに注目してください。また果汁の温度を低温にして沈澱をスピーディに行わせる、という具合になっています。

さて、残ったブルブはどうするのでしょうか。

このままでは使い道がありません。
5Lや10Lからのブルブはたいした量ではありませんが、現場での何hLからのブルブの量はバカになりません。よってこれを濾過して、デブルバージュされた果汁と合わせます。
写真中央の容器にブルブを入れます。
中はドロドロしている、というかんじです。
しかし濾過後はスッキリ透明になります。
濾過した果汁を使うなんて、と思っている御仁の為にひと言・・・

昔から現場ではこのブルブを濾過された果汁からは強い香りを持つワインができるといわれています。それが何故かはTAKA組みによる研究で現在解明されつつあります。ですからこの果汁の使用は単に経済的な面からだけでなく、醸造テクニックの一部としてスパイス添加のような重要な意味を持っているのです。

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