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コラム
TAKAのボルドー便り


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4.清澄化(デブルバ-ジュ)と発酵

今回は果汁の清澄化(デブルバージュ)についてと、フリーランとプレスはどんな見た目の違いがあるのかをご紹介します。

まず運ばれてきた葡萄をへたを除き、破砕します。この時に酸素との接触を絶ち、酸化を防ぐために二酸化炭素のガス中でこの作業をおこないます。


破砕された葡萄はそのままホースに導かれてマセラシオン(スキン・コンタクト)をおこなうタンクの中へはいります。左手に見えているのがそのタンクです。ここで18度で一昼夜すごします。


翌日このタンクからすぐ真下にある圧搾器へ移されて、ここで圧力をかけて果汁を得るわけです。そのまま滴る、あるいは僅かな圧力で得られる果汁をフリーラン(フランス語ではこれをグットといっています)、そして次に比較的圧力をあげて得られる果汁を前者のグットに対してプレスと呼んでいます。
実験室レヴェルでも勿論この2つの果汁は区別しています。実際に醸造現場で行われていることをシミュレートしてみましょう。

まず収穫した葡萄を手作業でステムを除きます。ご覧のようにバットに拡げられた葡萄は綺麗に輝いています。余談ですが、私はいつもこれがイクラに思えてしまうのです。ところがこの余った葡萄をゴミ箱にすてるとこれがウサギの糞に思えるのでこれまた不思議です。これを手で潰して適当な瓶にいれて低温で一昼夜放置します。


これがスキン・コンタクトになります。

翌日、卓上圧搾器で果汁を得るのですが、グットは2バール、プレスでは6バールの圧力をかけます。

圧搾1はスキン・コンタクト終了後、圧力をかける前の葡萄を示しています。実験室レベルですから葡萄の取り扱う容量は大変少量ですが、酸化にたいして最大の注意を払っているので大変綺麗な緑色を保っています。
圧搾2は2バールをかけ終わった段階、圧搾3は6バールをかけた時のものですが、だんだんと水気がなくなってパサパサになってくる過程がわかります。


さて、得られた果汁はどんな様子でしょうか。写真左側の綺麗な緑色をしている方がグット、その隣の黄色みを帯びている果汁がプレスです。葡萄の腐敗が進んでしまったような年ではプレスの色は紅茶に近い色を呈します。プレスは普通は多くてもグットの20%を越えることはありません。プレス果汁は一般にグットに較べて品質が劣っているとみなされていますが、実はここに白ワインの醸造の秘密が隠されています。グット単独で醸造するよりも、ここへ少量のプレスを混入させるとより香りの強いワインができます。それは何故かということが今年の私のいくつかの研究課題の一つです。この中にどんな秘密が隠されているのでしょうか。


そこで、今年はプレスを混入して醸造されたグットから得られたワインとグット単独で得られたワインとを徹底的に比較することにしました。まずそれらのワイン造りを実験室レベルは勿論、醸造現場においても大容量でこの研究の為のサンプルを得ます。


清澄化1

まず果汁は一晩以上静置して上部の澄んだ上澄みを回収します。これを果汁の清澄化(デブルバージュ)と呼んでいます。清澄化1では左の2つの瓶にはグットが入っていますがその一番左では葡萄を圧搾したときの細かい破片(これをブルブといいます)が沈澱しかけているのがわかります。現場においても同様におこなわれますが、一般に温度は比較的低温に保たれます。これは醗酵が始まっては困るのでこれを防ぐだけでなく、よりはやく沈澱させる為の目的の為です。

清澄化2

清澄化2は現場でのデブルバージュで、地下のタンクでこれを行っているところです。果汁の容量と日付を記入してあとは、ひたすら果汁が澄んでくるのを待ちます。頃合を見計らってポンプで上部から吸い上げて行きます。これにはちょっとしたコツがあることはいうまでもありません。うっかりしているとせっかく沈澱しているブルブも吸いとってしまうからです。

無事上清を吸い上げたところで、底に残ったブルブを示しています。

さて、いろいろ文章にできないゴタゴタを通りすぎて、種々得られたグットとプレスを混ぜ合わせてやっと醗酵迄こぎ着けました。実験室では写真のように750mL瓶でこれを行います。毎日観察して日々これ健やかであることを祈ります。この場合、私がメートル・ドゥ・シェです。
醸造現場に於てはご覧のように一樽ごとに醗酵させます。あとは分析結果が思い通りにいってくれればいいのですが・・・・・・・。


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