さてここで、予備知識として白ワインの醸造法を簡単に説明しておきます。
葡萄→除梗・破砕→圧搾→発酵→澱引き→熟成→瓶詰→出荷
というのが、ごくごく簡単な説明です。
白ワイン造りには、フリーランジュースとプレスジュースがあります。
フリーランジュースとは、破砕・除梗後自然流出した果汁、プレスジュースとはその後圧搾して抽出した果汁のことです。以外と知らない事なのですが、フリーランがとても貴重で、それだけで醸造したワインの方が良いと思われていますが、フリーランの中に15%程のプレスジュースを入れた方が、香り味わいもフリーランだけの物より遥かによい物が出来るそうです。
では、それは何故なのか?この事も今年の収穫時のTAKAの研究課題だそうです。その事も逐次教えてくれそうです。ちょっと難しい話もあるかとは思いますが、ひょっとすると、1流のソムリエさんも知らない事を、皆さんが先に知る事になるかも知れません。
お楽しみに!
|
TAKAの一番重要な場所です。
クロ・フロリデンヌ入り口:白ワインの奇才、魔術師とも言われている「デゥニ・デュブルデュー氏」所有のシャトー。
|
フロリデンヌ全景:素晴らしい白ワインを生み出します。
あのロバート・パーカーJR氏も大絶賛です。
|
TAKAの重要な仕事をご紹介しましょう。(もっとも、研究所でもトップの人間なので学生の仕事かもしれませんが)サンプリングについてのお話です。
|
8月25日(2000年は収獲が早いです)ドワジーデーヌでのサンプリングです。
どちらがセミヨンかおわかりでしょうか?
あまり良い例ではありませんが、右がセミヨンです。
セミヨンはソーヴィニヨンに較べて果粒との間が比較的あいていますが、ソーヴィニヨンは大変に密なものです。
|
|
研究に使用する葡萄のサンプリングの為に広い畑を歩き回って出きるだけ均一に15房ずつ採取します。
この葡萄の中の酵素活性、アロマのプレカーサーの含量を求める為にここから分析をします。ここでひとつ問題があります!一房と言っても重量ではバラツキがあるのは当然ですから「一房当たりの量」としては表現が曖昧になります。そこで「何グラム当たり」が良いことは明白ですが、葡萄の粒にもこれまたバラツキがあるので、下の写真のようにこの15房から任意に100粒を採取してこの重量をはかり、ここから目的のものを分析するわけです。
同じ区画の畑でも、やはりどうしても葡萄にバラツキが生じますからこれを出来るだけ片寄りがなくサンプリングする必要があるので、このような方法をとるのです。
実際に分析するのも大変ですが、このようにサンプリングにもかなりの時間と労力を取られてしまうのです。
「葡萄の下の白いタイルがいかにも、研究所らしいです!」(店主談)
|
|