枝肉を仕入れる際、牛の善し悪しは勿論ですが、誰が育てた牛なのかという事もとても大切です。
人それぞれ育て方など手腕が違いますが、皆さん共通している所は、「ごまかしのない」生産者であるということです。
常に向上心を持ち続け、「どうすればいい牛ができるだろうと」常に研究、努力を惜しみません。
黄木が心底惚れ込んだ生産者の代表する方々をご紹介します。
森谷英一さん
米沢市六郷町
愛情一杯の肥育
周りは田んぼに囲まれ、その中にぽつんと立つ一軒家。
森谷さんはもともと養豚を営んでおられたが、約30年ほど前から牛の肥育をはじめたという。
最初は2、3頭しかいなかったが、現在では奥さんと息子さんとで70頭ほど肥育している。
牛舎にお邪魔して驚いたことは、ここに飼われている牛たちの人懐っこさだった。
とにかく森谷さんは牛を愛おしくてしょうがないといった感じでなでまくる。
牛が他の人に寄って来るということは、それだけストレスを抱えていない証拠だと聞いたことがあるが、まさしく森谷さんの牛はそのようだ。
きちんと牛と向き合い、目線をあわせ、餌を与える時の牛たちの安心しきった顔。
餌や血統はもちろん大事だが、毎日一緒に暮らしながら家族同様の愛情を注ぎ、牛たちのおかげで生活ができるという感謝のあらわれが、最高の品質を作りだす決め手なのかもしれません。