シュタインバッハー(ヨハン・ミヒャエル) Steinbacher, Johann Michael
生没年 | - | 国 | |
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辞書順 | 「シ」 | NML作曲家番号 | 352352 |
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『SAPPERLOT(おお神よ)!』
1700年頃製のクラヴィコードで聴く
昔日のオーストリア鍵盤楽曲 [アレクサンダー・ゲルゲリフィ]発売日:2022年12月16日
CD価格:2,475円(税込)
300年以上前の響きから立ちのぼる歴史の息吹!
これがモーツァルトに至る道大バッハやその息子たちが愛奏していたことで知られるクラヴィコードは、小型で卓上に置け持ち運びもしやすい古くからある鍵盤楽器。小片で弦を突き上げて音を出す構造のため、打鍵した瞬間やその後鍵盤を押さえている指の力しだいで音にニュアンスがつけられ、表情豊かな演奏ができるかわり奏者自身のごく周辺にしか音が届かず、プロ音楽家が大人数相手に演奏することが増えた19世紀以降に音楽史の表舞台から姿を消しました。しかしオルガニストの練習用などプライベート空間でこれを愛奏した音楽家は欧州各地に多く、モーツァルトも旅先で鍵盤練習ができる旅行用の楽器を持っていたことが知られています。 その伝統を踏まえ、1700年前後から残るオーストリアでは現存最古のオリジナル楽器を用い、バロック以前の音楽から多くを学んだ18世紀の音楽家たちの個人的な演奏空間の響きに迫ったのがこのアルバム。楽器は全て製作者の地元周辺で切り出された木材で出来ており、共鳴弦型で同時に鳴らせない音が生じるため奏者も工夫が必要ですが、リンツ生まれの若き名手アレクサンダー・ゲルゲリフィは巧みにニュアンス豊かな演奏で、300年以上前から残る楽器の素材感豊かな味わいを引き出してゆきます。 楽器そのものの微音を間近で克明に捉えたエンジニアリングで、モーツァルトも学んだバロックの巨匠フックスやムッファトの多声書法から、ドイツ語圏南部のロココ期ならではの典雅な鍵盤曲まで、多様な音楽様式を通じての音による歴史旅行をお楽しみ下さい。 -
18世紀オーストリア、シュタイアーマルク地方のチェンバロ協奏曲集 [ミヒャエル・ヘル(チェンバロ&指揮)/ルチア・フロイホファー(ヴァイオリン&指揮)/グラーツ・ノイエ・ホーフカペレ]
Harpsichord Concertos - SCHEIBL, J.A. / WAGENSEIL, G.C. / STEINBACHER, J.M. (Styrian Harpsichord Concertos) (M. Hell, Neue Hofkapelle Graz)
発売日:2019年08月30日 NMLアルバム番号:555269-2
CD価格:2,475円(税込)
バロック期と前古典派期のちょうど境目であるマリア・テレジアの時代、音楽も世相も多様な発展を遂げました。このアルバムに集められた曲は当時、オーストリア=ハンガリー帝国の一部になるまえの「シュタイアーマルク」で編纂された「チェンバロ協奏曲集」から選ばれたもの。この地はかつて、オスマン帝国の攻撃にさらされ荒廃していたオーストリアの辺境の地でしたが、少しずつ周辺の文化が流入し、人々も様々な楽しみを享受するようになりました。チェンバロからフォルテピアノへと移り変わる時代ではありましたが、この地域の人々は変わらずチェンバロを愛しており、これらの曲が生まれたのです。 この演奏のためにミヒャエル・ヘルが用いたのは1755年製のヨハン・ライデッカーを2017年にマルティン・ピューリンガーが復元した楽器で、これらのレパートリーにぴったりの音色を奏でています。