対物レンズ有効径や倍率など、天体望遠鏡を選ぶ際のポイントとなる用語の詳しい説明です。
■倍率
肉眼で観測したときの「1/倍率」の距離まで近づいたのと同じ大きさで見られることを意味します。なお、天体望遠鏡の倍率は、接眼レンズやバローレンズによって変えることができます。
高倍率=高性能ではありません
倍率がすべてではありません!むやみに倍率だけを高くしても、像はぼやけて大きくなるだけです。
望遠鏡で出せる最高倍率は、対物レンズ(主鏡)有効径mm数の2.5倍くらいまでです。それ以上倍率を高くしても像は暗くぼやけて大きくなるだけです。適正な倍率で見るようにしましょう。
例:口径80mmであれば80×2.5=200倍 200倍くらいまでが適正ということになります。
適正な倍率で見た時
倍率を高くし過ぎて見た時
■対物レンズ(主鏡)有効径
対物レンズ(屈折式)、対物主鏡(反射、カタディオプトリック式)有効部分の直径です。
有効径が大きくなるほど集光力がアップし、明るくシャープな像で星をとらえることができます。星雲や星団などの暗い天体を見る際は、特に大きな威力を発揮します。
対物レンズや主鏡の直径が大きいほど天体望遠鏡の光学性能はよくなり、上の写真のように大口径ほどシャープに明るく見えます。同じ天体でも明るく見えるということは、光を集める能力が高くて、暗い星まで見えることになります。
大口径で 倍率を高くした時
小口径で倍率を高くした時
■焦点距離
レンズの中心から焦点までの距離です。
■口径比(F値)
焦点距離を対物レンズ(主鏡)有効径で割った数値です。数値が小さいほど明るい像を得られることを意味します。
■分解能
どの位細かい所まで見分けられるかを表すもので、角度の秒で表します。数値が小さいほど細かい所までよく見えることを意味します。
■集光力
人間の目に比べてどのくらい光を集められるかを表します。数値が大きいほど、明るく見えます。
■極限等級
何等星まで見ることができるかを表しています。数値が大きいほど、暗い星まで見えることになります。
■経緯台
鏡筒を上下左右に動かして星を追うことができます。
■赤道儀
日周運動(地球の自転)に合わせて星を追うことができます。
■屈折式鏡筒
対物レンズを使い、光を集めます。
■反射式鏡筒
凹面鏡(対物主鏡)を使い光を集めます。
■カタディオプトリック式鏡筒
屈折式と反射式の利点を組み合わせています。