私たちが「木」だと思っている製品の中には、「本物の木」ではない製品がおどろくほどたくさんあります。
木を薄くスライスしたものを表面に貼り付けた「突板(つきいた)合板」。
木目模様の印刷物を貼り付けた「プリント合板」。
木の端材を接着剤で固めて板状にした「集成材」。
これらは、接着剤をたくさん使ってつくられています。
「木」には見えるけど、「本物の木」ではないのです。
「木」の恩恵を得られないどころか、接着剤にまみれた生活を送ってしまう危険性だってあるのです。
身近に、化学物質に対するアレルギーをお持ちの方はいらっしゃいませんか?
無垢。
汚れのない、まじりけがない、ということ。
木を伐採・製材・乾燥させた純粋な木のことを、
無垢材、とよびます。
無垢材は、木がもっている恵みを
私たちにいっぱい与えてくれます。
木、特に針葉樹は、細く長く伸びていきます。
そのため、机の天板などのように
ある程度、奥行きを必要とするところには、
長手方向の端をつなぎ合わせた「幅ハギ材」を使います。
集成材などに比べて、使う接着剤は微量で、
木工家具の多くがこの方式で幅広い板をつくっています。
つまり、「無垢の木で、板をつくる」ということ。
ハギ材として市場に出回ってもいるのですが、
どんな接着剤を使っているか不透明だし、
下手に接ぐとパキッと割れてしまいます。
そのため、ひのきの学習机専門店では、
木工の基本「ハギ」のところから
すべて手作業で行っています。
とても地味ですが、
家具の命ともいうべき、大切な仕事です。
木は、葉の光合成によって二酸化炭素をすって酸素をはき出してくれます。すった二酸化炭素は、そのまま中に閉じこめてくれます(固定化する、といいます)。
自動車や工場からでる煙の害を減らす、大きな大きな仕事をしてくれているのです。
木は、湿度があがると水分を吸い込み、乾燥していると水分をはきだします。適度に湿度を調節してくれるので、カビやダニが発生しづらい空間を提供してくれるのです。
木の家具は、大切なモノの収納にもぴったりです。
木は、有害な紫外線を吸収して、温かみのある赤外線を反射します。まぶしさを抑えてくれるので目にやさしく、疲れづらいともいわれています。
集中しやすい環境をつくってくれるため、学習机にぴったりです。
素材として使えるようになるまでに多くのエネルギーを消費する石油やなどとは違って、木は、少ないエネルギー負荷で、木材として利用できます。
また、人の手で計画生産できる唯一の資源でもあるのです。
木は、鉄やコンクリートなどに触れている時と比べて、リラックスできるといわれています。やさしい木肌は、触感に敏感な子供たちの感性を育んでくれるはず。
人が直接触れる椅子や机・テーブルに、ぜひ使いたい素材です。
木は、外気の温度の変化に、大きな影響をうけません。軽い木ほど、暖かいといわれています。
冬の寒い日に椅子に座っても、ヒヤっとした冷たさを感じず快適です。
木に含まれる「フィトンチッド」という香り成分が、ほっ、とさせてくれます。長く使っている家具でも、引き出しを開けるときに、ふんわり漂ってきます。
特にヒノキやスギの香りは強く、集中力を必要とする勉強部屋などにぴったりです。
木材は、音を適度に吸収して心地よく感じるように調節してくれます。森の中がとても静かなのは、木の葉や雑草が音を吸収しているからです。
プラスチックや金属を叩いたときと違って、その音色はココロを落ち着かせてくれます。
木は、大地に根をおろして、
二酸化炭素をすって、酸素をはいて。
地球に、新鮮な空気を与えてくれます。
まず、森の中で生きます。
木は、切ってもなお、建材や家具に形を変えながら、
生活にさまざまな恵みを与えてくれます。
次に、わたしたちの暮らしの中で生きます。
二度生きて、そのいずれもいいことだらけです。
ところが、捨てて燃やしてしまうと、今まで体の中に貯めてきた二酸化炭素をはき出してしまいます。
だから、本物の木をたくさん、大事に、できるだけ長く使ことが、地球にとっても、私たちにとっても、必要なことなのです。
無垢の木に、「ありがとう」の気持ちをこめて。