日本には、計画的に植林されているヒノキや杉がたくさんあります。
でも残念なことに、安価な木材におされ、使用される数量が減ってきてしまいました。
結果、森に人の手が入らず、多くの森はやせ細って不健康な状態にあります。
また森の木々は、大気中の二酸化炭素を吸って酸素をはき出し、空気を浄化してくれます。
このとき同時に、炭素を木の内部に封じ込めてくれます。
しかしこの炭素を含んだ木は、燃やしてしまうと
再び二酸化炭素を空気中に放出してしまうことになるのです。
森と私たちの生活は、遠いように思えても、確かにつながっています。
今、無理なく自然な形でできること。
それは、植林されている木々をたくさん使って、森の中を循環させていくこと。
そして、寿命の長い製品をデザインし、修理等のアフターサービスを構築していくこと。
これが、私たち家具メーカーの使命だと考えています。
木は、新鮮な空気をつくってくれます。
森は、きれいな水をつくってくれます。
川は、森の栄養分を届けてくれます。
海は、多くの幸を与えてくれます。
森は、お母さん。
川の流れは、へその緒。
私たちは、届けられた栄養を体いっぱいに受けて生きています。
どんなに成長しても、どんなにえらくなっても、
循環している自然環境の中では、お腹の中の赤ちゃんと同じなのです。
にもかかわらず私たちは、自然と経済(=お金)を切り離して考えてきました。
お金を追求するあまり、合理化や快楽を優先する社会をつくりだしてしまいました。
化学物質で、水や空気を汚してきました。
切ってはいけない木までも、切り倒してきました。
たくさんの生き物を、苦しめてきました。
私たち自身も、変わってしまいました。
ストレスを、多く抱えるようになりました。
おかしな犯罪が、増えました。
化学物質により健康を失った人も、多く見られるようになりました。
自然をないがしろにした結果が、現代の社会です。
でも私たちは本能的に、自然のよさを知っています。
無意識に、自然を欲します。
新緑や紅葉の森。
せせらぐ清流。
青色に輝く海。
ほっ、とします。
心地よい、と感じます。
自然に触れることは、「人間らしく」生活するために必要なことなのです。
学校の机を木製に変えたところ、子供たちは大はしゃぎです。
なでたり、触ったり、ほおずりしたり。
自然の恵みを感じて、おもわず笑顔がほころびます。
森。川。海。
普段は遠いから、そこに行くのは大変だけど、
自然がくれた素材がすぐそばにあるだけで、やさしい気持ちになれるのです。
安倍川近くの小さな工房「HINOKI CRAFT」は、
工業製品や化学物質に囲まれた生活環境の中で、
少しでも「人間らしい生活空間」を提供できたら、という想いからスタートしました。
日本のヒノキと自然型オイルを素材に、
職人がココロを込めてつくる「家具」によって、
健康のこと、環境のことを考えた空間をデザインします。
そして、この事業を通して自然の大切さを社会に伝え、
健康で豊かな森林の整備・育成・保護のために利益を還元していきます。
自然に「ありがとう」の気持ちをこめて。