太陽に照らされてキラキラと輝く川や海、水のしぶきがよく似合う季節はすぐそこですね。マリンブルーやセルリアンブルー、外洋の大海原を連想する青に胸がときめく夏がやってきます。
そのマリンブルーとは濃い緑みの青のこと。まさに海の青を指すわけで、今回は海についてのお話?と思いきや、ちょっと意外な世界へお連れしたいと思います。その場所とはハーブガーデン。セージやタイム、レモングラスなど緑生い茂る庭のなかでも、葉に触れると何ともいえずスッキリとした香りを放つのがローズマリーです。短い松葉のような葉を持つおなじみのこのハーブは、肉料理の臭み消しなどに使われますが、アロマテラピーにおいても定番的存在。若返りや集中力を高めるのに役立つといわれます。
そのようなローズマリーの学名ロスマリヌス(Rosmarinus)を探ってみたら、思いがけず海に辿りつきました。その意味は“海のしずく”。ラテン語のrosは露やしずくを、marinusは海を意味するそうです。名の由来は花の色を海に例えたから、とも、海岸近くで自生するから、ともいわれますが、品種の一つに「マリンブルー」の名を冠したものもありますから、花の色説が有力かもしれません。
ローズマリーの芳香にふと出会ったら、目を閉じて海をイメージしてみませんか。爽やかな香りとさざめく波がこころの隅々まで広がって、ゆったりと夏の気分が満ちてきそうです。