残念ながら、廃れつつある伝統工芸の世界において、
匠の技を継承し、守り続けた作品は希少となりつつあります。
そのような作品、匠の技を永遠に残したいとの思いを込め
平安堂が誇る随一の塗部(ぬりべ)集団を「継承工房」と名付けました。

宮内庁、外務省を通じて世界中の公館に納めさせて頂く漆器を製作させて頂いている塗部たち。
守り続ける美意識と伝統工芸。使うほどに愛着の湧く漆器。お楽しみ頂けましたら幸いでございます。

※“塗部(ぬりべ)”…それはかつて、古代の漆職人集団。これが漆塗りの始まりだという伝説があります。




都心から数百km離れ、まるで喧騒から逃れるかのようにひっそりと佇む山間。
そこに皇室や外務省を通じて各国の大使館へも贈られる
漆器の製作を担う塗部たちの工房、そう「継承工房」があります。

木地師、塗り師、蒔絵師…どの塗部からも数十年の時を漆器にかけてきた…そんなプライドを感じる工房。
何かに没頭し、前人の残した素晴らしいものを継承するということは、
人間に「霊的な誇り」さえもたらすのかもしれません。

そんな塗部たちの「継承工房」よりお届けする作品をご紹介致します。



【 3ヶ月 】… 照りつける太陽の下、
蝉が鳴いている時から一つ一つ
丁寧にじっくりと、そして山々の
木の葉が赤やオレンジ色に染まる頃
にやっと完成する。そして家の外が
雪で白く染まる頃、お正月という
ハレの席を華麗に飾るお重箱。
 
【平安熨斗】
親しみを込めて、このように呼んで下さる
お客様もいらっしゃる熨斗蒔絵。

平安堂が誇り、守り、受け継いできた想い、技術の全てをかけて、私たちは
こちらのお重箱をご紹介致します。
お重箱、それは古くから一家に一つ
伝わるもので、嫁入り道具の一つ。
「梨地」という技法で作られた、
宝石がちりばめられたような
このお重箱なら、新しいご家庭に
たくさんの幸せを運んでくれる
のではないでしょうか。

                         



【日月】
丸い意匠は“日月(にちげつ)”
太陽と月を表した古典の代表柄です。
独特の艶やかな飴色で表現しており(白檀塗)
シックで上品な趣きです。


口の当たる部分が反っている
“端反(はぞり)”という形になっております。
口当たりが優しく、飲みやすい形として
評判の良いデザインで、品質だけでなく、
その使い心地もお楽しみ頂ければ幸いです。
【木地呂塗:きじろぬり】
油分の無い、透けた漆(木地呂漆)を使用し、
木目を生かしつつ、独特の質感を表現する
技法となります。


油分の少ない漆は耐久性に富み、また、
艶を出すために磨き重ねる為、非常に優れた
技法の一つでもございます。





扇の形は“すえひろがり”であること
から、縁起の良い形とされています。
その形に大胆に金箔、銀箔をあしらって
おりますので、華やかな“おもてなし”
のシーンでは良く映えるかと思います。

ちょっとしたオードブルや珍味を
盛り付け、あるいは、銘々の取り皿に…
内側には、光琳の梅をモチーフに
した蒔絵。品良く、料理を盛り付け、
ハレの日や、おもてなし、お正月
などでお使い頂きたい器です。

鮮やかな蒔絵ですから、床の間
や玄関などの飾りにも
お使いになって頂けるかと思います。
 





昭和の名匠「故 呉藤友乗氏」の名品、
座興盃橙の復刻版。

その名の通り、この盃は座興のために
作られた器。入れ子になっている5つの
盃とその吉祥の絵柄に対応した
サイコロで座興を楽しむ器。
上質な漆を身に着ける・・・
大人の男性としてはある程度上質な
ものを身に着けていた方が、格好が
つくというものではないでしょうか。


伝統的な漆とスターリング・シルバー
というちょっと珍しい組み合わせで、
上質な和を身につけて頂けるかと
思います。
こちらも名匠「故 呉籐友乗氏」の名品
の復刻版。


落ち着いた白檀で描かれた
「瓢(ひさご)」は派手さがなく、
程よい趣き。
禅から由来した
「露堂々」の文字も味わい深く、
平安堂随一の銘々皿
となっております。
 





漆器の技法の中で最高級とされるものが蒔絵。
その、蒔絵の中でも高度な技法として【高蒔絵】が
あります。その高蒔絵という技法で描いた、
まるで油絵で描かれた絵画のような盃。

それぞれに吉祥の動物、【鳳凰】【龍】【麒麟】
【鶴】【亀】の絵が描かれております。
野々村仁清…その人は京都で初めて色絵陶器を大成し、
とことん日本の美を追求した江戸初期の陶芸家。

その仁清が描いた“梅”をモチーフに平安堂の塗部たちが
描いた吸い物椀。完成まで【3ヶ月】をかける芸術品とも
呼べる椀。お正月などのハレの席に…

※ページ上の【仁清梅蒔絵 三段重】と揃いで
  お使いになって頂いても良いかと思います。







こちらでは塗部たちの技の一部(“指し物”と“蒔絵”)をご紹介させて頂いております。
上記の「継承工房外伝」と併せてご覧頂ければ幸いでございます。










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