Vol.35 ゲスト:荒川義人先生 【3】
「地産地消」から「地産地活」へ
荒川 最近は行政や公共団体が、食に関する知識を学べる場を積極的に作っていこうとする嬉しい動きが広がっています。先ほどお話したように「食について正しい知識を身につけることは、正しい生き方を学ぶことでもある」と思いますので、私もセミナーや講演会、メディアなどを通じてより多くの方々に情報を提供していきたいと考えています。
北海道は全国的にも注目されている「食の大地」ですから、食に関する情報発信をおこなっていける余地がまだまだあると思います。当初は「地産地消」という観点から提言をしてきましたが、自給率200%の北海道で地消できるのは生産量の半分だけなんですね。残り半分をいかに活用するかが今後の北海道の発展を握るカギではないかと思います。生産したものをそのまま出荷してしまうのではなく、新鮮なうちにその場で付加価値を生む加工ができたら素晴らしいことではないでしょうか。関わる人たちも益々やる気が出てくるでしょう。
これからの北海道は「地産地消」から「地産地活」に向かっていくべきではないかと思いますね。
鳴海 「地産地活」。北海道の未来が明るくなっていくような、素敵な響きの言葉ですね。
教えていただいた「食に関する5つの提案」と併せて、心がけていきたいと思います。
今日はたいへん貴重なお話をどうもありがとうございました。
(季刊ぶんぶん通信Vol.35 2009年秋号)
荒川 義人 プロフィール
1975年 北海道大学農学部卒業。
1980年 北海道大学大学院農学研究科にて博士課程修了。
北海道栄養短期大学専任講師、北海道文教短期大学教授を経て、2000年より天使大学看護栄養学部教授。札幌市食育推進会議会長、北海道食育コーディネーター会議座長、北海道フードマイスター認定制度運営委員会副委員長他。
今年9月に札幌市で開催された日本栄養改善学会学術総会でも会長を務めるなど、食に関する正しい知識の普及活動を各地で行なっている。