こころとからだの健康タイム・対談編15-1

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 このコーナーでは、エヌ・ピュア社長・鳴海周平が各界を代表する人生の達人との対談を通して、「こころとからだの健幸」に役立つ様々な情報をご紹介しています。毎日の健幸にお役立ていただけましたら幸いです。

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Vol.15 ゲスト:志茂田景樹先生 【1】

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直木賞作家として数多くの名作を世に送り出し、テレビ出演や、全国各地での講演などで活躍している志茂田景樹先生は、いっぽうで100歳以上の元 気なお年寄りを取材し、健康長寿の秘訣を研究していらっしゃる「健康の達人」でもあります。 今回は志茂田景樹先生に「健康・長寿の秘訣」をお伺いしてきました。

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鳴海周平(以下鳴海) 志茂田先生は、全国各地の100歳以上の元気なお年寄りを取材して、健康・長寿のコツを研究していらっしゃいますが、そもそも先生がこうしたことを研究しようと思ったきっかけは何だったのでしょう?

志茂田景樹先生(以下志茂田) 僕の母は、90歳を超えてからも針仕事をしたり、庭の草むしりをしたり、新聞の隅から隅まで目を通したり、テレビのバラエティー番組を笑いながら見たりなど、いたって健康だったんですね。ですから家族の誰もが100歳はゆうゆうクリアだろう、って思っていたんです。
ところが94歳の時に風邪がもとで入院をし、ほんの数ヶ月で天国へ旅立ってしまったんですね。大往生ではあったんですが、とても残念でした。
2000年に母の7回忌を催したんですが、その時にふと「全国の100歳以上の元気なお年寄りを取材して、単に長寿ではなく、楽しく健康に毎日を過ごしている要因を探ろう、と思い立ったんです。

鳴海 全国の100歳以上の長寿者は、今や2万人を超えていますからね。
確かに長寿社会を迎えるうえで、私たちがそういった方々の智恵を活かす事が出来たら素晴らしいことですね。やはり、健康・長寿のコツのようなものがあったのでしょうか?

志茂田 僕が会った100歳以上の元気なお年寄りは、今のところまだ数十人ですが、特に共通している要素が6つほどありました。
1つめは、野菜を多食している、ということです。取材の時に、僕は必ず毎日の献立を訊くんですが、毎食必ずといっていいほど野菜が入っているんです。お味噌汁の具はもちろん、煮物やおひたし、漬物などは皆さんよく召し上がってましたね。そばを食べる時は薬味をたっぷり入れたり、掻揚げにしたりしていました。大根おろしやサラダなどは生ですが、多くの場合は火を通していましたね。

鳴海 火を通したほうが量をたくさん食べられる、ということもあるのでしょうね。
私たち人間の歯の構成比も、切歯8本、犬歯4本、臼歯20本ですから、肉食動物の歯である犬歯の割合はわずか12・5%に過ぎないんですよね。
残りが穀類や野菜を食べるための歯の形になっていますから、野菜を多食する、というのは身体のつくりからいっても理にかなっています。

志茂田 2つめとして、自分でやれることは何でも自分でやっている、ということです。
服を着たり、お風呂に入ったりということはもちろん1人でやっています。取材中でも近くに乾いた洗濯物があると、手際よくたたんでいる。家族の中でも上手に役割分担をしているようなんです。食事の仕度も、黒豆を煮るのは私の仕事なんです、とかね。
取材をする前は、何でも周りの人がやってくれて、ストレスのあまりない人が長生きなんだろうな、と思っていたんですが、ほどほどのストレスというか、緊張感ってやっぱり必要なんだな、って思いました。庭の草むしりをしたり、玄関掃除をしたり、とにかくまめに動く。自分の居場所を自分で見つけ出しているようにも感じました。もちろん、家族や地域の人達の温かい協力も必要不可欠ですね。