こころとからだの健康タイム・対談編23-1

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 このコーナーでは、エヌ・ピュア社長・鳴海周平が各界を代表する人生の達人との対談を通して、「こころとからだの健幸」に役立つ様々な情報をご紹介しています。毎日の健幸にお役立ていただけましたら幸いです。

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Vol.23 ゲスト:北原照久さん 【1】

世界的な「ブリキのおもちゃコレクター」として知られる北原照久さんは、「自分の好きなことをビジネスとして成り立たせる」ということを実現した人生の達人でもいらっしゃいます。横浜にある「ブリキのおもちゃ博物館」に、館長である北原照久さんを訪ね、夢の実現までの道のりや成功の秘訣、健康のコツなどをお伺いしました。

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鳴海周平(以下鳴海) それにしても膨大なコレクションですね。それも希少価値の高い逸品ばかり。それでも北原さんのコレクションのほんの一部だとお伺いしましたが。

北原照久さん(以下北原) ここ(ブリキのおもちゃ博物館)には1890年代から1960年代にかけて製造された玩具たちが、常時3、000点展示されています。
僕はここの他にも6箇所でコレクションを常設展示していますが、10万点以上あるコレクションをすべて飾りきることは出来ません。30年以上もかけて収集してきたコレクションですから、どれも愛着があって、本当は全部飾ってあげたいんですけどね。

鳴海 10万点ですか!本当に凄い数ですね。
世界的にも有名な玩具コレクターの北原さんですが、そもそもこうした玩具を集めだしたきっかけは何だっ たのでしょうか?

北原 19歳の終わり頃、オーストリアに留学をしていた時期があるんです。
実家がスポーツ店を営んでいたので、本場でスキーの勉強をしようという目的でした。ヨーロッパは歴史が長いためか、古いものをとても大切にする文化があります。ホームステイ先の家庭もそのとおりで、100年前の食器などを大事に使っていました。古い鍋がずらりと飾ってあって、「これは何代前のお婆さんから使っているもので・・・」と講釈をしながら料理を作ってくれるんです。何だか有難みがあって、それだけで美味しく感じちゃう。(笑)古いものからは、そうした思い入れとか、文化が感じられるんですね。こうした貴重な体験が、帰国後古いものに興味をもつきっかけになったと思います。

鳴海 最初のきっかけは玩具ではなく、生活用品だったんですね。
確かに、ヨーロッパの人たちは、どれだけ古い家に住んでいるかということも自慢になる、という話を聞いたことがあります。ヨーロッパのそうした文化に直に接してきたことで、帰国してからコレクターとしての道を歩み始めるわけですね。

北原 帰国後に、たまたま実家の近所で粗大ゴミとして捨てられていた古い柱時計を拾いました。文字盤がきれいなゼンマイ式の時計でした。
持ち帰って油をさしたらきちんと動くんです。ヨーロッパの人たちなら捨てるどころか、自慢の品になるでしょうね。これが僕のコレクション第1号です。その後は近くの古道具屋さんで時計やラジオ、レコード、マッチのラベルなどを集め始めました。ですから僕は「ブリキのおもちゃコレクター」としてのイメージが強いのですが、そもそもの原点は「生活骨董コレクター」なんです。ブリキのおもちゃを集め出したのは25歳の時からです。

鳴海 「ブリキのおもちゃ」というと、とても懐かしい感じがしますよね。
子供の頃よく遊んだ記憶があります。北原さんのコレクションをこうして眺めていると、小さい頃にタイムスリップしたような感覚になって、とても安心感を覚えます。

北原 僕もブリキのおもちゃが大好きで、特に消防車のおもちゃでよく遊んでいました。
小さい頃だったので、遊び過ぎて壊してしまったのですが、当時とまったく同じ、お気に入りの消防車のおもちゃを発見した時は嬉しかったですね。この消防車が僕の「ブリキのおもちゃ」コレクションの第1号です。このおもちゃと出会ったことで、僕のコレクターとしての覚醒が始まってしまった。(笑)
それからは、実家の仕事の合間をぬってはおもちゃ探しですよ。全国を行脚してまわりました。地方のおもちゃ屋さんにはお宝がたくさんありましたね。たくさんの人たちと貴重なネットワークも出来ました。