オフィスで実施すべき感染対策の重要性と除菌方法

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2019年に新型コロナウイルスが流行してから、わたしたちの働き方は大きく変わりました。

オフィスでは、テレワークの導入や、検温や手指消毒、換気など、様々な感染対策が求められるようになっています。

事業者や従業員がそれぞれの立場で感染対策を行う必要性と、その除菌方法について本コラムではご紹介します。

もくじ

  1. オフィスに求められる感染対策とは
    1. 経団連による感染対策ガイドラインの設定
    2. 働き方を変えることによる感染対策
    3. それでもオフィスには感染リスクがある
  2. なぜオフィスは感染リスクが高いのか?
    1. オフィスでの主な感染経路
    2. 通勤中の感染リスク
    3. 社内の感染リスク
      1. 密集空間による感染リスク
      2. 密接空間による感染リスク
      3. 密閉空間による感染リスク
  3. オフィスで出来る飛沫感染対策
    1. 常にマスクを着用する
    2. ソーシャルディスタンス確保
    3. デスクでの工夫
    4. 空気の入れ替えや空間除菌対策
      1. 空気を入れ替えて感染対策
      2. 空間除菌で感染対策
  4. オフィスで出来る接触感染対策
    1. 社内へウイルスや菌を持ち込まない
    2. 共用部分や物は日常的に掃除する
    3. 共有物の消毒・除菌
    4. 手・指が触れる部分はこまめに除菌する
    5. 社員のデスクまわりを清潔に保つ
  5. オフィスで出来るその他の感染対策
  6. オフィスの感染対策に関してよくある質問
    1. オフィス内の換気はどのくらいの頻度で行うべきですか?
    2. 人との会話や会議が長時間になるほど感染率は高くなりますか?
    3. 掃除やデスクの除菌は水拭きではだめですか?
  7. まとめ

オフィスに求められる感染対策とは

経団連による感染対策ガイドラインの設定

2020年5月14日、経団連は、オフィスにおける新型コロナウイルスの感染予防対策ガイドラインを制定しました。

このガイドラインは、事業者が個々のオフィスにおいて新型コロナウイルスに対する感染防止対策をする際の参考となるように、経団連が関係省庁や専門家からの知見を得て作成したものです。

感染予防対策を取るための体制づくりや従業員への感染防止策の啓発などさまざまな観点から整理されています。

働き方を変えることによる感染対策

朝の通勤ラッシュ、という言葉があるように、以前は多くの人が同じ時間帯に電車に乗って通勤し、オフィスという1カ所に多くの人が長時間滞在して仕事をすることが、基本的な働き方としてありました。

しかし、2021年現在は3密と呼ばれる「密閉」「密集」「密接」を避けることが感染対策においての基本であり、このため、3密が起きやすい通勤を含む働き方を変えることが感染対策のひとつに挙げられます。具体的には、以下のような例が挙げられます。
・出社人数を減らす、もしくは時間をずらして仕事をする方法:在宅勤務、時差出勤
・対面での会話を減らして仕事をする方法:オンライン会議、商談、ウェビナーなど

それでもオフィスには感染リスクがある

しかし、すべての人が働き方を変えることができるわけではありません。

業種によっては出社しなければ行うことができない仕事もありますし、できる限り人の出入りを少なくしても、ウイルス相手にその感染リスクをゼロにすることは難しいと感じる事業者の方は多いのではないでしょうか。

実際、感染リスクをゼロにすることはほぼほぼ難しいでしょう。しかし、それでもリスクを軽減するために感染対策を行うことは必要です。

2021年5月現在、新型コロナウイルスが流行してから幾年月は経過し、「コロナ慣れ」という言葉も聞かれるようになっていますが、経団連はガイドラインの中で以下のように述べています。

本ガイドラインは、緊急事態宣言下はもとより、緊急事態宣言が終了した段階においても、新型コロナウイルス感染症の感染リスクが低減し、早期診断から重症化予防までの治療法の確立、ワクチンの開発などにより企業の関係者の健康と安全・安心を十分に確保できる段階に至るまでの間の事業活動に用いられるべきものである。

引用元:経団連「オフィスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」

社会全体が、健康と安全・安心を十分に確保できるときがくるまで、しっかりと新型コロナウイルスの対策を推進していくことが大切です。

なぜオフィスは感染リスクが高いのか?

まず、どのようにしてウイルスに感染するのかについて理解しましょう。

オフィスでの主な感染経路

オフィスでの感染経路としては、主に飛沫感染、接触感染、空気感染の3つが考えられます。
以下は、それぞれの感染経路についてのイラストです。


このうち、特に注意が必要なものは、飛沫感染と接触感染です。

オフィスでは、1カ所に複数人が長時間滞在して仕事をします。ただ仕事をするだけでなく、会話をし、さまざまなモノを共用していますので、飛沫感染や接触感染のリスクが高まります。
具体的にどんな感染リスクがあるのか見ていきましょう。

通勤中の感染リスク

電車やバスなどの公共交通機関は、特に3密になりやすい環境です。また、つり革や座席など多くのものを共有していることで、さまざまなウイルス・菌に触れている可能性が高くあります。

また、オフィスビルであれば、エレベーターなどの共用部分、階段・エスカレーターの手すりなどもも同様に感染リスクとなる可能性があります。

社内の感染リスク

密集空間による感染リスク


「密集」では、1カ所の空間に人の数が増えるほど感染リスクが増します。部屋の広さと人数によっては、ソーシャルディスタンスを保つこともできなくなるため、「密接」の要素も加わることもあります。

例えば、更衣室や休憩スペースなどは密集になりやすい場所です。休憩や就業などの時間が固定されているとどうしても密集しやくなります。

密接空間による感染リスク


「密接」では、距離が近くなるほどに、また、会話をする場合には声が大きくなるほど感染リスクが増します。

例えば、狭い立地のお店や飲食店などは密接になりやすい場所です。また、お酒を飲むと開放的な気分になり、声が大きくなってしまう場合もあります。

密閉空間による感染リスク


「密閉」では、部屋が狭く、換気をする頻度が少ないほど感染リスクが増します。

例えば、トイレ、会議室などの狭く換気がなかなかできない場所です。特にトイレは、社員共用であり、排泄する場所ですので、さまざまなウイルス・菌がいる可能性があります。

3密の条件が重なることを防止するだけでなく、1つ1つの密の発生を防ぐ環境づくりが大切です。その上で、飛沫感染・接触感染への感染経路別に対策を講じるようにすることで、オフィスにおける感染流行の可能性を軽減することにつながります。

さまざまな感染リスクへの対策についてご紹介します。

オフィスで出来る飛沫感染対策

飛沫感染が発生するのは、主にせき・くしゃみ・会話などをしたときです。

通常時、飛沫の飛散距離は約2~5mと言われており、それだけの範囲の人に感染リスクが発生します。対策を行うことで、感染リスクを軽減させましょう。

常にマスクを着用する

マスクを着用することが、飛沫感染対策として最も大切なポイントとなります。

飛沫は人の鼻・口から飛散するものですから、しっかりとマスクで覆うことで飛散する距離や量を軽減することができます。

マスクは正しく着用することで効果を発揮します。自分に合ったマスクの選び方、着用方法やマスク着用有無による効果の比較については別のコラムでご紹介していますので、ご覧ください。
→「正しくマスク選べていますか?マスクの正しい付け方とサイズ選びのポイント」

マスクの着用を促すだけでなく、マスクが汚れてしまったり、紛失してしまったりした場合のために、予備のマスクをオフィスに準備しておくことで、より安心できます。来客用としても使用できるため、多めに準備することがオススメです。

ソーシャルディスタンス確保

3密の状態は、飛沫が飛散したときの感染リスクが高まります。

その中でも、人と人との距離が近ければ近いほど飛沫の飛散量は多くなりますから、距離を保つことはとても大切です。
推奨されている人との間隔は2m(最低1m)です。距離を保つためには、広く空間を使う必要があります。席を間引きし、代わりにフリースペースやミーティングルームなどを活用しましょう。

分散出社や休憩時間をズラすことをすることで、仕事中だけでなく、更衣室や休憩スペースの密の防止にもつながります。

デスクでの工夫

ミーティングなどを行うとき、マスクだけでは飛沫対策としては不十分になる可能性があります。というのも、話しているうちにマスクがズレてしまう経験はありませんか?

そのため、マスクだけでなく、2重3重に対策することが大切です。パーテーションやアクリルボードなどをデスク間に設置することで、飛沫の飛散を抑制することができます。

また、対面への着席を避け、対角に座るようにしましょう。飛沫は直線的に飛散しやすいですから、斜めの位置に着席すると、感染リスクの軽減につながります。

2つ目は、商品のつくりです。

除菌剤を包む布には高品質不織布を採用しています。不織布には水に強い特徴があるため、雨が降ったり、子どもが舐めたりしても濡れることで破れて中身が出てしまう可能性が減ります。

また、首から下げるタイプの危険性である首を絞めてしまう可能性を考慮し、ネックストラップに安全パーツがついています。一定以上の強さで引っ張ることで外れる仕様になっているので、万が一の事態にも安心できるつくりになっています。

空気の入れ替えや空間除菌対策

飛沫に含まれた状態でウイルス・菌が飛散したのち、空気中にしばらく浮遊し、感染源となることがあります。

この場合の飛沫感染の対策として、以下の2つをご紹介します。

空気を入れ替えて感染対策

換気をすることで、室内に新鮮な空気を取り入れる方法です。浮遊するウイルス・菌の割合を下げることで感染リスクを軽減させる効果が期待できます。

効果的な換気の方法、頻度などについては別のコラムでご紹介していますので、気になる方は以下のリンクからご覧ください。
→「寒い冬、効果的な換気方法は?適切な換気時間や回数はある?」

空間除菌で感染対策

換気に向かない窓がない構造の部屋や、頻繁に換気をすることが難しい場合には、空気清浄機や空間除菌製品を併用することもオススメです。

ただし、空気中に含まれるウイルス・菌などに対してアプローチする製品のため、空気を新鮮な外気と入れ替えるものではありません。どちらも適度に換気は行うようにしてください。

ウイルス・菌だけでなくカビにも効果のある製品もありますので、広い用途で使用することが可能です。空間除菌製品と空気清浄機の違いについては別のコラムでご紹介していますので、気になる方は以下のリンクからご覧ください。
→「空間除菌製品と空気清浄機の効果は違う?メリットとデメリットをまとめました」

オフィスで出来る接触感染対策

接触感染は、ウイルス・菌などが付着した手でモノに触り、そのモノをまた別の人が触ることでウイルス・菌が移ることで発生します。ウイルス・菌などが付着したことに気づかずに、手で目・・口といった粘膜部分に触ることで、体内へ侵入します。

そのため、対策としては手とモノの除菌をしっかりと行うことです。オフィス内で特に注意したほうが良いポイントについてご紹介します。

社内へウイルスや菌を持ち込まない

まず、出入り口やトイレ等にアルコール消毒液を設置しましょう。

通勤で手にウイルス・菌が付着している可能性がありますので、出社したらすぐに手指消毒を行いましょう。非接触型のディスペンサーにすると、触れることがないため安心して使用できます。

また、食事の前やトイレの後にも手洗いか手指消毒を行いましょう。手洗いの場合、ハンドソープなどを使用して30秒程度かけて丁寧に洗うように心がけてください。手を拭くのには、使い捨てのペーパータオルがオススメです。

共用部分や物は日常的に掃除する

ウイルス・菌などを除菌するためには、先に掃除をすることでより効果が得やすくなります。

特に、給湯室、トイレなど密になりやすく、多くの人の出入りがある場所では定期的に掃除をしましょう。また、会議室や応接間といった来客の対応をする場所も同様にこまめに掃除をすることで感染対策につながります。

共有物の消毒・除菌

共用PC、デスク、プリンター、コピー機、ウォーターサーバー、冷蔵庫、受話器など、共有して使用するモノは、ウイルス・菌が付着している可能性が高くなります。

あまり掃除・除菌する機会のないモノも多いかもしれませんが、よく使用するモノばかりではないでしょうか。この機会に掃除・除菌の習慣を身につけましょう。

ゴミ箱には消毒後のペーパーや使用後のマスクなどが捨てられています。そのため、素手で触ることは避けましょう。手袋を着用してから処理を行い、終了後には手洗いをしてください。

手・指が触れる部分はこまめに除菌する

電気のスイッチ・空調のリモコン・ドアノブ・エレベータのボタン・手すり・椅子などの手・指が触れる部分は、頻繁に除菌をすることがオススメです。

電気製品を除菌する際には、電気製品への使用が可能か除菌成分を確認するようにしてください。直接、除菌スプレーなどを吹きかけると故障などの恐れがあるため、布にスプレーしてから行うことがオススメです。

社員のデスクまわりを清潔に保つ

個人スペースは、基本的には共用ではないため、掃除・除菌の必要性を感じない方もいるかもしれませんが、感染拡大を防ぐうえでは大切なポイントのひとつです。

例えば、自分のPC、キーボード、マウスなどにウイルス・菌が付着していたとします。仕事中に触れることで、手にもウイルス・菌が付着します。その後もトイレ、休憩スペース、会議室などさまざまな場所に移動したとしたら、1日のうちでどれくらいウイルス・菌を拡散してしまうかわかりません。

そのため、個人スペースであってもきちんと掃除・除菌をするよう心がけてください。

しかし、除菌と一言で言っても、オフィスには精密機器、木、プラスチック、布、金属などさまざまな素材のモノがありますよね。それぞれに適した製品に使い分けていたら、コストも手間もかかってしまいます。

そこで、オススメしたいのが安定型次亜塩素酸ナトリウムを使用した除菌スプレーです。

さまざまな素材に対応し、除菌・抗菌・消臭・防臭の効果が見込める汎用性の高い除菌成分です。詳細は、以下のリンクからご覧ください。
→「安定型次亜塩素酸ナトリウムの効果は?安全性や使い方について」

ウイルス・菌は目に見えないからこそ、1日のうち何時に何度行うなど、具体的に設定してしっかり対策を実施することが大切です。ぜひ、掃除・除菌の時間をつくって感染対策を行っていきましょう。

オフィスで出来るその他の感染対策

普段からの体調管理を社員に推奨することも大切です。

質の良い睡眠と栄養バランスの取れた食事、適度な運動を行い、ストレスフリーで快適な生活を送ることが健康を保つ上での基盤となります。外出の自粛は運動不足になりやすく、免疫力が低下する可能性があります。検温の実施や感染対策や熱中症対策をしたうえでの適度な運動の推奨なども行えるとよりよいですね。

また、体調が悪いときは無理な出社は避けることも感染対策のひとつです。
テレワークに変更するか休ませるか、など選択肢をいくつか用意しておくと、臨機応変に対応できます。

社員が一体となって進めていくために、社内の仕組みやルールづくりをすることも感染対策のひとつと言えるでしょう。

オフィスの感染対策に関してよくある質問

オフィス内の換気はどのくらいの頻度で行うべきですか?

厚生労働省は新型コロナウイルスの対策として、30分に一回以上、数分間程度、窓を全開することを推奨しています。(2021年5月10日現在)これは、部屋の空気がすべて外気と入れ替わる回数です。窓を対角線上に2か所開けるなど、正しい方法で換気を行うことが大切です。

人との会話や会議が長時間になるほど感染率は高くなりますか?

飛沫感染のリスクは高まります。特に密閉空間では、飛散した飛沫に含まれるウイルス・菌がそのまま一定時間の間、浮遊します。空間に含まれるウイルス・菌の濃度が高くなると、感染率にもつながるのです。

掃除やデスクの除菌は水拭きではだめですか?

水拭きは目に見える汚れを落とすことはできても、ウイルス・菌を除菌する成分が含まれていないため、除菌には効果がありません。また、繰り返し同じ布を使用して水拭きしている場合、布にウイルス・菌が付着し、布に含まれた水分によりウイルス・菌が繁殖してしまっている可能性もあります。そのため、掃除のあとに除菌を別途行い、使用した布も除菌する、もしくは洗剤でしっかり洗うことがオススメです。

まとめ

家族

オフィスでの感染対策についてご紹介しました。

対策方法は、大きく分けると以下の4つです。
・テレワークや時差出勤などの働き方を変更し、出社する人数を減らす対策
・マスクの着用、アクリルボードの設置、座席の間引きなどの飛沫感染対策
・手指消毒、場所やモノの掃除・除菌などの接触感染対策
・換気や空間除菌製品による空間に浮遊するウイルス・菌の割合を低下させる対策

これらの対策は1つ行うよりもいくつも行うことで、感染リスクをより軽減することにつながります。社員の方がより安心して仕事ができるように、取り組んでいきましょう。


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