正しくマスク選べていますか?
マスクの正しい付け方とサイズ選びのポイント

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マスク不足といわれた2020年から一変して、最近では多種多様なマスクがお店に並ぶようになりました。

フィルター性能、通気性、ファッション性、コスパなどのさまざまな基準がある中で、わたしたちは正しいマスクの使い方ができているのでしょうか。国から感染対策の効果が認められているマスクの効果を最大限得るために、このコラムではマスクのつける目的~マスクの着用までを順を追ってご紹介しています。

もくじ

  1. 昨今、日常生活で欠かせないマスクの役割
    1. マスク着用時の効果
  2. それぞれのマスクの種類と特徴を知ろう!
    1. 不織布マスク
    2. ガーゼ・布マスク
    3. ウレタンマスク
    4. 素材別マスクの効果を比較した結果
      1. ■ウイルス・菌などの遮断率(フィルター捕集効率)が高い順番
      2. ■素材別のマスクの選び方について
  3. 自分に合うマスクの選び方
    1. マスクを選ぶ時のチェックポイント
      1. マスクの形状から選ぶ
      2. 長時間つけても耳が痛くならない素材や形状から選ぶ
      3. 全国マスク工業会のマークがある製品から選ぶ
    2. 自分に合ったサイズを知ろう
  4. 正しいマスクの付け方講座
    1. マスクの上下・裏表をみる
      1. マスクの上下
      2. マスクの裏表
    2. マスクの正しい付け方
      1. OKの例
      2. NG例
    3. マスクの正しい外し方
  5. マスク着用時も快適に過ごすために
    1. マスク用アロマスプレー
    2. イヤーガード
    3. マスクの除菌スプレー
    4. 一時着脱するときはマスクケース
  6. よくある質問
    1. マスクはどのぐらいの頻度で変えるべきですか?
    2. 眼鏡が曇らないようにするにはどうすれば良いですか?
    3. 家庭用マスクで一番対策の効果があるのはどの素材ですか?
  7. まとめ

昨今、日常生活で欠かせないマスクの役割

マスクの役割は、日本衛生材料工業連合会のマスクの定義の一部に記述されています。

天然繊維・化学繊維の織編物または不織布を主な本体材料として、口と鼻を覆う形状で、花粉、ホコリなどの粒子が体内に侵入するのを抑制、また、かぜなどの咳やクシャミの飛沫の飛散を抑制することを目的に使用される、薬事法に該当しない衛生用製品

引用元:日本衛生材料工業連合会「マスクについて」

つまり、以下の2つがマスクの役割です。
・有害物質の吸入を抑制(花粉、ホコリ、ウイルス、菌など)
・飛沫の飛散を抑制(咳やくしゃみ、発声などによる)

例えばマスクを着用した2人が会話をしている姿をイメージしてください。話し手・聞き手のしているマスクは、先ほどご紹介した役割のうち、どちらの役割を果たしているかわかりますか?

分かりやすいように以下の図にしています。


実際には、話し手と聞き手は会話の途中に入れ替わるので、どちらの役割も果たすことにはなりますが、分かりやすい事例ではないでしょうか。

マスクの2つの役割について理解できていると、どんなシチュエーションのときにマスクが必要になってくるかイメージしやすくなりますね。マスクを着用したほうが良いのか迷ったときにはマスクの役割を思い出してください。

マスク着用時の効果

マスクがその役割を発揮できたとき、その効果はどれくらいあるのでしょうか。
サージカルマスク(不織布マスク)では、大きな飛沫はほぼ100%飛散を防止し、小さな飛沫もおよそ70%飛散を防止できるとのことです。
また、2人の会話の例でいうと、2人の距離が50cm程度だった場合には、布マスクではおよそ70%、サージカルマスク(不織布マスク)ではおよそ75%もの飛沫の吸い込みを防いでくれます。

しかし、これだけの効果が期待できるマスクでも、自分に合ったものを選んだり、正しい付け方をしていなかったりすると効果が軽減してしまう可能性があります。マスクがもつ効果を十分に発揮できるよう、まずは、マスクを購入する際に気を付けるべき素材別の効果についてご紹介していきます。

それぞれのマスクの種類と特徴を知ろう!

不織布マスク

不織布とは「織っていない布」のことです。通常、布は繊維が格子状に編まれていますが、不織布は繊維や糸などを一定方向またはランダムに重ねて絡み合わせ、熱や接着剤などで結合させた薄いシート状の布になります。

【メリット】
・手に入りやすい→「単価が安く、取扱店が多いため手に入りやすい」
・手軽→使い捨てなため手間がかからない
・衛生的
・ウイルスや菌、花粉などの遮断性が高いものが多い(製品によって異なる)

【デメリット】
・コストがかかる→繰り返し使えるマスクと比べて、コストがかかる
・汗を吸収しない
・肌荒れしやすい、チクチクする
ポイ捨てが増えると環境問題にもつながる

ガーゼ・布マスク

ガーゼや綿織物を重ね合わせてつくられたマスクのことです。

【メリット】
・保湿性が高く喉の乾燥を防ぐ
・敏感肌やアレルギー体質にも優しい
・洗って繰り返し使用できるものが多くコスパがよい

【デメリット】
・不織布マスクに比べてウイルスや菌の遮断性が劣るものが多い

ウレタンマスク

ポリウレタンを素材としたマスクのことです。

【メリット】
・通気性がよく、息がしやすい
・人との距離を保つことができれば、運動中にも使用することができる
・洗って繰り返し使用できるものが多くコスパがよい

【デメリット】
・不織布マスクやガーゼ・布マスクに比べてウイルス・菌や飛沫飛散の遮断性が低い

素材別マスクの効果を比較した結果

家庭用マスクとして使用される素材をご紹介しましたが、マスク本来の役割である遮断性の違いはどうなっているのでしょうか。
2020年10月15日に豊橋技術科学大学も素材別のマスクの効果比較について数値にて発表しています。

2020年12月には理化学研究所がそれぞれの遮断性の実験を行った結果を発表しています。

■ウイルス・菌などの遮断率(フィルター捕集効率)が高い順番

基本的には
不織布マスク > ガーゼマスク > 布マスク > ウレタンマスク

※ただし製品によっては不織布マスクよりもガーゼ・布マスクのほうが遮断率は高い場合もあるとのこと。

考え方としては、フィルター捕集効率と通気性は反比例する関係性のため、フィルター捕集効率が良いものは通気性が悪くなるようです。そのため、通気性の良い順番はこの逆になります。

■素材別のマスクの選び方について

先の動画の中では、遮断率・通気性・費用対効果を考えてマスクを選択していくことがオススメと案内があります。具体的にどのような場面で使い分けするのがよいのでしょうか。まとめてみましたので参考にしてみてください。

不織布マスク
日常生活における利用に適しています。特に遮断率の高さから「密閉・密集・密接」いわゆる三密と呼ばれる場所に行くときや、長時間の会話が想定される場合に使用しましょう。
使用シーン例:通勤時・会議や営業時・学校での授業など

ガーゼ・布マスク
こちらも日常生活での使用がオススメです。特に、敏感肌の方は肌に優しい素材のため不織布マスクよりも使用しやすい利点もあります。
使用シーン例:通常のオフィス・スーパーへの買い物など

ウレタンマスク
外で1人での運動をする場合に。もし運動中に咳やくしゃみが出そうなときは、併せて咳エチケットを行うようにしましょう。※運動強度によっては酸欠状態になる可能性もあるため、注意してください。
使用シーン例:散歩・軽いジョギング・ラジオ体操など

素材別にマスクの効果をご紹介しました。どんなに遮断率の高いマスクを着用しているからといって、大声で会話をすることは感染リスクがありますので注意しましょう。

自分に合うマスクの選び方

マスクは目的に合わせて素材を選ぶことが大切であることの他にも、自分の顔に合ったマスクを選ぶポイントがあります。ここでは、マスクを選ぶ上で大切になるポイントをしっかり押さえましょう。

マスクを選ぶ時のチェックポイント

マスクの形状から選ぶ

平型
平型マスクは、ガーゼマスクに多くみられる形状です。
平らな形をしているため、顔への密着することから高い保湿効果と保温性が特長です。エアコンの風が強いときや夜眠るときなど喉の乾燥を防ぎたいときにも活躍します。

プリーツ型
プリーツ型マスクは、一般的な不織布マスクにみられる形状です。
前面にプリーツ加工がしてあることで顔のサイズに合わせて調整しやすく、口を動かしてもズレにくいこと、プリーツによってマスクとの隙間が生まれるため、息苦しくなりにくいことも特長です。

立体型
立体型マスクは、不織布マスク・布マスク・ウレタンマスクにみられる形状です。
顔の形に合わせて立体的にデザインされているため、フィット感が良いうえに、口元にマスクとの隙間があることで息がしやすい特長があります。そのため、口紅がマスクにつきにくいことも利点のひとつに挙げられます。

長時間つけても耳が痛くならない素材や形状から選ぶ

マスクの耳にかけるゴムが細すぎたり、強すぎたりすると、耳の後ろが痛くなってしまうこともしばしばありますよね。
長時間つけることが多いだけに、耳に優しい素材や太めのゴムを採用している製品も販売されています。ショッピングサイトやホームページなどを確認して、配慮がされているかを見ることも大切なポイントです。

なお、痛みがある場合には我慢せずに別のマスクを使用するようにするか、痛みを緩和するアイテムを利用しましょう。アイテムの詳細についてはのちほどご紹介します。

全国マスク工業会のマークがある製品から選ぶ

マスク製品のパッケージに全国マスク工業会加盟のマークがついている場合には、一定の基準を満たす製品であると確認することができます。

具体的な基準としては、以下の4つです。
・製造工場の衛生環境にルールを設けている。
・化学物質(ホルムアルデヒド)の含有量に基準を設けている。
・表示にルールを設け、適切な表示を行っている。
・統一の試験方法を定め、捕集性能を評価している。
(引用元:朝日新聞DIGITAL「安心のマスク選びをするために必要なこと」)

マスクを選ぶときには安心の目安として、このマークがついているかどうか確認してみてください。なお、このマークによく似た偽物が記載された製品もあるようなので、細部まで確認することがオススメです。

自分に合ったサイズを知ろう

販売されているマスクには「ふつう」や「女性・子ども」などのサイズの表示があることが一般的ですが、本当に自分に合ったサイズはご存じでしょうか。サイズが合わないとせっかくのマスクの効果も軽減してしまいます。ご紹介する測定方法を行って、自分に合ったサイズを知りましょう。

手順はとても簡単です。行う前に定規を準備してください。


耳の付け根の1番高い部分に親指を添え、鼻のつけ根から1cm下のあたりに人差し指を添えます。
親指と人差し指の間の長さを測ります。
以下の表から、図ったサイズに対応するマスクサイズを確認します。

ここまでご紹介したことをまとめます。

まず、マスクを購入する前に、マスク自体の「目的に合った素材・形状・サイズ」をチェックするようにしましょう。次に、マスクを選ぶときには、全国マスク工業会に加盟している企業かどうか安心の目安にパッケージをと確認するとより安心です。

正しいマスクの付け方講座

マスクを購入し、いざ着用となる前に、正しい付け方を理解していきましょう。せっかくのマスクも正しく着用しなければ効果が軽減してしまう可能性があります。

マスクの上下・裏表をみる

意外と間違えやすいのが、マスクの上下や裏表です。見分けるポイントをご紹介しますので、お手持ちのマスクはどうなっているのかぜひ確認してくださいね。


マスクの上下

マスクの上下はあまり間違えないかもしれませんが、ポイントは2つあります。
・ノーズフィッター(ワイヤーが入っている硬い部分)が上
・プリーツ型の場合、プリーツが下向き

マスクの裏表

実は、マスクの裏表は間違えやすいポイントになっています。

みなさんはふだん、どこを見て裏表を確認していますか?
確認していただきたい場所は3つです。この3つを確認すれば、裏表を間違えることはほぼないといえます。
・パッケージ
・紐の接着面
・プリーツの向き
なぜここまで確認しないといけないのかというと、マスクの紐は裏表どちらに接着しているのかは製品ごとに異なるためです。なお、一般的には、顔とマスクを密着させるため紐の接着面は外側についています。
そのため、確認するのは①パッケージ②紐の接着面の順番がオススメです。また、紐で見分けがつきにくい場合には、マスクを少し広げてみましょう。マスクを広げることによって、プリーツの向きやマスクのふくらみ方でより裏表がわかりやすくなります。


マスクの正しい付け方

マスクの選び方、マスクの向きと順を追ってご紹介してきましたが、いよいよマスクの正しい付け方について見ていきます。

朝の外出前は忙しい時間帯ですよね。細かい調整は後回しに、とりあえず付けるだけ付けたら外出してしまっている方もいるのではないでしょうか。慣れてしまえば数分もかからずに正しくマスクを付けられるはずですから、ぜひ以下の方法で行っていきましょう。出典:政府インターネットテレビ
・マスクを付ける前にしっかりと手を洗う
・マスクを鼻の形に合わせて隙間を防ぎ、耳にかける
・マスクを下まで伸ばし、顔にフィットさせる

OKの例

マスクが鼻や頬まで覆われていて、隙間がない状態です。
慣れないうちはきちんと密閉されているか鏡を使って確認しましょう。

NG例

鼻の両脇に隙間ができ、また輪郭にも隙間ができてしまっています。ノーズフィッターを合わせていないことや、サイズが大きいことが原因として考えられます。
上記のように隙間ができていると、ウイルスや菌が侵入したり、咳などの飛沫が飛散したりしてしまいます。より効果的にマスクをするためにご紹介した内容を心がけてみてください。

マスクの正しい外し方

帰宅後、マスクを外すときにも正しい方法があります。

注意点は、マスクの表面に触らないことです。
外出中にマスクの表面にはさまざまなウイルスや菌が付着している可能性があります。表面を触ると、手にも菌が付着します。さらにそのまま顔や物を触ってしまうと、せっかくマスクを付けていても感染対策の効果は半減してしまいます。

毎日、帰宅後の習慣として正しいマスクの外し方を身につけましょう。

マスク着用時も快適に過ごすために

マスクは顔と密着させることが大切とお伝えしました。しかし1日中マスクを付けていると不快な点も出てくるかもしれません。そこで、マスク着用時も快適に過ごすために販売されているアイテムをご紹介します。

マスク用アロマスプレー

夏の暑いときや湿度が高いときには、マスクの中が蒸してしまい不快に感じますよね。

アロマスプレーをマスクに吹きかけて、ミントなどの清涼感ある香りをさせることで、こうした不快感を軽減することができます。また、アロマスプレーに含まれるエタノールによって除菌効果も見込めるため、一石二鳥の製品です。

イヤーガード

長時間マスクを付けていると、耳が痛くなる方向けの製品です。

耳に引っ掛ける部分をやわらかいシリコンなどの素材で挟むことによって耳の痛みを緩和してくれます。
同じような用途で使えるマスクストラップ、マスクバンドといった製品も販売されています。ただし、マスクがズレやすくなってしまう可能性もあるため、注意しましょう。

マスクの除菌スプレー

マスクの表面には、ウイルスや菌などが付着している可能性があります。しかし、自分でも気づかないうちについ触ってしまうことがありますよね。

厚生労働省の調査では、1時間に平均23回も顔を触っているとの結果が発表されています。

マスクを付けていると、口を動かしたときや飲み物を飲んだときなどマスクの位置を修正するために、ふだんの回数に比べてさらに顔を触る回数は増えるのではないでしょうか。マスクを触り、その手でパソコン、スマホ、または直接口につけるコップやお箸などをもってしまった場合、ウイルスや菌をいたるところに広げてしまっている可能性があるのです。

そのため、定期的にマスクを除菌するとそういった接触感染のリスクを低下させてくれます。ただしあまり吹きかけすぎると濡れてしまい、マスク内の湿度が高くなってしまうので気を付けましょう。

また、ガーゼ・布マスクを普段使いするときに毎日洗濯するのは大変ですよね。出張や旅行先などの洗濯できないときには、帰宅後にマスクに除菌スプレーを吹きかけて干しておけば次の日も清潔に使用することができます。

ただし、マスクは顔につけるものですから、安全性を見極めて除菌スプレーを選ぶようにしましょう。オススメは、安定型次亜塩素酸水という安全性と除菌効果を兼ね備えた除菌成分を使用する除菌スプレーです。気になる方は以下のリンクからご覧ください。
→「安定型次亜塩素酸ナトリウムの効果は?安全性や使い方について」へ

一時着脱するときはマスクケース

マスク着用時に快適に過ごすという趣旨とは異なりますが、1つオススメの製品をご紹介します。

外食する際など、一時的にマスクを外す場合にはマスクケースにしまうようにしましょう。また、スペアのマスクを入れておくこともできるので、マスクを忘れてしまったという場合にも重宝します。

使用中のマスクを入れることになるため、抗菌作用のあるケースを選ぶことをオススメします。また、定期的にマスクケース自体も洗濯や除菌するようにして清潔に保つことが大切です。

よくある質問

マスクはどのぐらいの頻度で変えるべきですか?

1日1回は清潔なものに変えるようにしましょう。原則、不織布マスクは使い切りましょう。洗えるタイプのガーゼ・布マスク・ウレタンマスクは、何度も洗濯するうちに効果が軽減されてしまうため、見た目に形状が崩れてきたり、臭いがしたりする場合には交換するようにしてください。

眼鏡が曇らないようにするにはどうすれば良いですか?

眼鏡とマスク、それぞれにアプローチする方法があります。眼鏡に中性洗剤などを塗ってのコーティングをします。ただし、眼鏡を傷つけてしまう可能性があり、注意が必要です。鼻パッド付のマスクや、パッドの代わりにティッシュを折って挟むことで息の漏れを軽減するなどの方法があります。

家庭用マスクで一番対策の効果があるのはどの素材ですか?

最もフィルターの性能がよい素材は一般的に不織布マスクです。ただし、製品によってはガーゼマスクのほうが性能はよい場合もあります。フィルターの性能がよい場合には通気性が悪くなりますので、一般的には息がしにくいと感じるものの方が効果的といえます。

まとめ

オマスクの正しい付け方についてご紹介しました。

正しく付けるためには、前提として使用目的や自分に合わせた素材・形状・サイズを選ぶことが必要でしたね。

これからも健康的に過ごしていくために、正しいマスクの付け方をぜひ実践していきましょう。


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