ポルトガルへ行ってきました。
~毎年恒例秋の生産者訪問、今年は6日間で1500キロ移動!~
(2019年10月)

ポルトガルのぶどう畑は秋の色

2019年10月18日から1週間、毎年恒例のポルトガル生産者訪問へ出かけました。

毎年オリーブの収穫、時々ぶどうの収穫の時期にポルトガルの生産者を訪ね、その年の様子を聞いたり見たりするようにしています。

新規開拓でない限り、わざわざ行く必要があるわけではないのですが、実際にポルトガルへ行ってオリーブオイルやワインを作っている人たちに会うことで、その後のビジネスのコミュニケーションが円滑になります。

SNSやコミュニケーションツールの発達で世界がぐっと近くなった世の中ですが、会いに行くことにはそれなりに大きな意味があると、私は信じています。

だから、今年は実のところ、私にとって(プライベートが特に)多忙な一年なのですが、時間をやりくりして行ってきました!

慌ただしい訪問スケジュールでしたが、頑張って行ってきてとても良かったです。

最初の訪問先。とびっきりのビッグスマイルでウェルカムしてくれたギマラインス共同組合のペドロ、カルロス、ジョゼ

今回は、ポルトを拠点に北・南・西へ、9つの生産者を6日間で回りました。

グーグルマップでざっと計算したところ、6日間の移動距離はざっと1500km!まったく自由時間のない、いつもに増してハードなスケジュールでした。

同じところばかりではなく、新しいことを学ぶためにも、まだ取引のない地方や生産者も紹介してもらいました。

ビッグスマイルで迎えてもらったギマラインズの後、150キロ南下し、仔豚の丸焼きレイタオンで有名なバイラーダ地方のスパークリングワインが有名な造り手さんを訪ねました。

「このスパークリングにはぜひレイタオンと合わせて」と、バイラーダ地方ならではの郷土料理とのマリアージュを薦められました。地元愛が感じられ、なんだか嬉しくなりました。

バイラーダ地方の伝統シャンパーニュ製法のワインの作り手さんにも会いに行きました。

翌日は、500年のワイン造りの歴史があるキンタ・デ・パッソスへ。

今回拠点を置いていたポルトから車で1時間。 オーナー息子のパウロが車でポルトまで迎えに来てくれました。

大学でマーケティングの先生をしているパウロは、その日も午後に授業がある中、ぎりぎりの時間までランチを一緒にしてくれました。

「開始時間+15分は大丈夫」、と大学の先生なのにポルトガルタイム。本当にぎりぎりで私の方がソワソワしてしまいました。

キンタ・デ・パッソスの畑にて、オーナー息子のパウロ・ラモス

石英を含む砂質花崗岩土壌。これが品質の良いぶどうの原点であると説明してくれました。

バルセロスからポルトへ戻ってから、今度は車で3時間かけてドウロ上流地方のCARMへ。スペインからわずか5キロ。移動距離220キロ!

今回CARMはオリーブ収穫二日目。

まだ搾油機械を動かすほどのオリーブの実が収穫できていないとうことで、残念ながら搾油の様子は見ることができませんでした。

いつでも動かせるように、ピカピカの状態、でも空っぽうの搾油所を見るのは、実に初めてでした。

収穫の初期なので、オリーブもまだまだ緑色でした。
時期が遅くなるに連れ、オリーブの色が濃くなります。

毎年訪れていますが、必ず何か新しい学びがあることを実感しました。

今回はCARMのワインについては詳しく醸造家のアントニオに教えてもらうことができて、理解が深りました。

緑色のオリーブの実、とても健康的で良い状態です。

CARM醸造家のアントニオに醗酵途中のワインを試飲させてもらいました。

オリーブ畑とぶどう畑が広がるドウロの景色

CARMでは1泊し、電車で3時間かけてポルトへ帰ってきた次の日は、
ヴィーニョ・ヴェルデの生産者ヴィーニョス・ノルテへも行きました。

ノルテモンジェスヴァルジア、の生産者です。

車で1時間強(ポルトから70キロ)のファフというギマラインズ近くの村にあるワイナリーですが、オーナー娘のヴェラがポルトまで迎えに来てくれました。

「今回は本当に自由時間がないの」と言ったら、ポルトの絶景スポットに連れて行ってくれました。

寄り道をすることでその後の予定が遅れるのは気にすることなく、ヴェラはいつも心行くまで歓待してくれます。

この日もワイナリー訪問、試飲だけでなく、結局私と朝、昼、晩、3食すべて一緒にしてくれました。

ヴィーニョス・ノルテはファミリー経営のワイナリーですが、とても温かいファミリーなのです。

ヴィーニョス・ノルテのヴェラはドウロ川がきれいなポルトのスポットへ案内してくれました。

いつもながら家族総出で迎えてくれます。懐が深いファミリー(家族経営の生産者)で、自分がちっぽけに思えます。

そして最終日。

いつも北の生産者を中心に回っていますが、今回はダン地方にも足を延ばしました。

当店でもダンの赤ワインがコストパフォーマンスが高く、人気なのでもっとダン地方について学ぼうというのが理由。

ダン地方は「ポルトガルのブルゴーニュ」とも言われ、優しい酸が魅力の地方。

現在取り扱いのある協同組合UDACAの他に、2社回りましたが、どこのワインもダン地方ならではの柔らかい酸が素晴らしかったです。

10年以上ぶりに、ダン地方の生産者UDACAを訪れました。左二人はカルロス、右がブルーノ。

限られた時間の中で、駆け足でしたが、新旧合わせて9つの生産者を訪問し、現地へ出向かないとわからないこともたくさん教えてもらうことができ、とても有意義な旅となりました。

余談ですが、実は私は車酔いしやすく、ワイナリーや畑がある田舎の方はクネクネ道も少なくありません。

そのため酔わないように、コーヒー(本当はエスプレッソ大好きなのに!)を飲まない、ワインの試飲の量も気を付ける、お腹を締め付けないゆるっとした洋服を着る、など調整しながら9社訪問に挑みました。

来年は、ゆっくりエスプレッソを堪能したり、大好きなデザート、Bolo de Bolachas ビスケットケーキを食べられるように、余裕のある旅程にしたいです。

今年のぶどうの出来などについては、改めてワイナリー別にご紹介いたしますね。

少しお時間を頂きますが、どうぞお楽しみに!

今日は取り急ぎ、行ってきましたのご報告まで。