ポルトガル訪問
高品質なワインを生み出す
小規模な協同組合
Adega Cooperativa de Guimaraes
(2018年10月)
ワイナリーからの畑の眺め、空気が美味しい自然豊かな環境です
2018年10月6日、ギマラインスの協同組合Adega Cooperativa de Guimaraesを訪問しました。1962年創立の小規模な協同組合ですが、2000年に街中から郊外へワイナリーを移設し、設備を一新してからワインの品質が急激に向上。コストパフォーマンスの高いヴィーニョ・ヴェルデの生産者として注目されるようになりました。
オーナーのジョゼ・セケイラ・ブラガさんと、エノロゴ(醸造家)のペドロ・カンポスさんが迎えてくれました。4月に日本の見本市で会った以来の再会でした。
収穫シーズン終盤。「収穫の時期はほとんど休みが取れないんだよ」と、髪の毛が伸びてクリクリしていたブラガさん。
左からペドロさん、ヒロノ、ブラガさん
ワイナリー犬のバコとブラガさん、バコとはワインの神様だそうです。
この時期に今年のワインの出来についてはまだ語れないそうですが、はやり8月2,3,4日にポルトガルを襲った熱波の影響もあり、今年は生産量が昨年より20%減っているかもしれない、とのことでした。
現在ここのワイナリーは80の農家(組合員)からぶどうを仕入れていて、この日に納品に来ていたのはマルコスさん。重量を量ると900キロでした。納品時、アルコールに換算した時の糖度も計測、12%でした。
朝収穫したばかりのぶどうが11時頃納品されました
ぶどうを一気に
降ろします
あれ、どうしたのかな、と思いきや・・・
ロウレイロの中にトラジャドゥラが混ざっていたようで、自宅用に持ち帰っていました。食べると美味しいんだそうです。
ブラガさんいわく、
ヴィーニョ・ヴェルデ地方で美味しい白ワインを造るのに必要な条件は3つ、
・良質なぶどう
・涼しい気候
・衛生管理
だそうです。
・醸造家はその次だね。
と、ジョークを言いながら、醸造家にも敬意を払っていました。
すべては良質なぶどうから!
収穫もあと数日で終わるとのことでした。
20000リットルの収容量の大きなタンクの中をのぞかせてもらいました。醗酵中だから頭を突っ込んだら二酸化炭素中毒になっちゃうよ!と、注意してくれました。
ここに18000リットルのぶどうを入れると、最終的には12000リットルまでかさが減るそうです。
醗酵途中の白ワインを品種別やブレンド毎にテイスティングさせていただきました。なんとアロマティックなんでしょう!
15日間の醗酵を終えると、酸味も穏やかになって私たちが慣れ親しんでいるワインに近づくようです。
タンクのワインは全部合わせると50万リットルあるよ、もっともっとオーダーしていいよ!と軽くプレッシャーをかけられました。
醗酵中のロウレイロ、花のような香りが特徴の品種です。
プラサ・デ・サンティアーゴは、白(ブレンド)とロゼ(エスパデイロ)を扱っていますが、
メルカード・ポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデの中でも「ぶどうの凝縮感」と「果実をかじった後のようなさわやかで長い余韻」がピカイチです。
ギマラインズの旧市街にあるこのプラサ(広場)が・・
ボトルのデザインになっています。
実際にぶどうが納品されてワインを造っている現場を見ると、この人たちのためにももっとワインを売っていこう、という気持ちが強くなります。
あまりゆっくりできず残念でしたが、また今度日本かポルトガルで彼らに会える日が楽しみです。
→プラサ・デ・サンティアーゴ シリーズ